正確な操舵と上質な走り心地 エレガントな室内空間も特筆

レクサスが用意するSUVの中で、ボディの最も小さな車種がLBXだ。全長は4190㎜に収まり、狭い裏道でも運転が苦にならない。標準グレードの全高は1545㎜で、立体駐車場も利用しやすい。価格は〝エレガント〞のFF車が420万円だから、レクサスでは最も安い。それもあってLBXは、2024年度には1ヵ月平均で1820台を登録し、NXと並ぶ人気車になった。

エクステリア

レクサス独自のユニファイドスピンドルグリルを採用。「MORIZO RR」は専用バンパーや鍛造ホイールでアグレッシブに変身。他のモデルはもう少し車高が高く、写真よりもっとSUVらしい印象だ。最小回転半径は5.4m。

ボディは小さくても、内装はレクサスらしく上質だ。ベーシックな〝エレガント〞でも、インパネやシート表皮に合成皮革のエルテックスが使われ、見栄えや肌触りが良い。前席は背中から大腿部を確実に支えるため、座り心地が快適で長距離移動にも適する。運転席は各部の調節が電動式で、腰の張り出し方を調節するランバーサポートも採用した。後席は頭上空間が少し狭い。全高が低く、天井後方が下降しているからだ。乗降時にも影響がある。後席の足元も広くないが、片道1時間以内なら大人4名の乗車も可能だ。

乗降性

パワートレインやプラットフォームは、基本的にヤリスクロスの発展型になる。標準グレードのパワートレインは、直列3気筒1.5ℓエンジンのハイブリッドで、モーター駆動により、実用域の駆動力に余裕があって運転しやすい。加速力を自然吸気のガソリンエンジンに当てはめると2.0ℓに相当する。登坂路でアクセルペダルを踏み増すと、エジン音がレクサスとしては大きいが、3気筒の粗さは抑えている。

インストルメントパネル

9.8インチディスプレイオーディオを中央の低い位置に配置し、上部に送風口を兼ねたラインを通して広がり感を表現。ウルトラスエードなど上質な素材も使われる。メーターは先進的な12.3 インチTFT液晶タイプ。

ステアリングホイールを回し始めたときの印象は、コンパクトSUVでは正確だ。峠道では進行方向を機敏に変えて運転が楽しく、挙動変化がゆっくりと進むから安定性に不満も感じない。コンパクトなボディとの相乗効果で、車両との一体感も得やすい。試乗した際に確かめたいのは乗り心地だ。ほかのコンパクトSUVに比べて足まわりが柔軟に伸縮するが、レクサスとしては路面の荒れた場所を低速で走ると細かなデコボコを伝えやすい。タイヤが路上を転がるときに発するノイズも含めて、購入時には街中の走りをチェックする。この点に不満がなければ、運転のしやすさと上質感を両立させた貴重なコンパクトSUVになる。

居住性

LBXにはスポーツモデルの「MORIZO RR」もある。LBXのボディに、直列3気筒1.6ℓターボエンジンと4WDを搭載。運転するとLBXとはまったく違うクルマだ。1.6ℓターボは発進直後の1400rpm付近から駆動力に余裕があり、4000rpmを超えると加速力が増す。自然吸気の4.0ℓエンジンに相当する加速感だ。峠道では操舵角に対して車両が正確に回り込む。足まわりは後輪の接地性を優先させ、危険回避時も含めてドライバーを慌てさせる状態に陥りにくい。

うれしい装備

コネクティッドナビにはエージェント機能も搭載。「Heyレクサス!」と話し掛けるとAIが立ち上がり、音声コマンドによる目的地検索のほか、エアコンやオーディオの操作にも対応してくれる。
乗る前にエアコンをオンにしておくなど、スマートフォンのアプリを使った各種リモート操作にも対応。AdvancedPark装着車の場合は、駐車や出庫の操作を車外から行なうこともできる。
月間販売台数    1804台(24年11月~25年4月平均値)
現行型発表    23年11月( 一部改良 25年5月
WLTCモード燃費  28.0㎞/ℓ※「LBX“Elegant”」のFF車  

ラゲッジルーム

走りには軽快というよりも重厚感が伴う。外観はスポーツモデルだが、運転すると安全性に配慮したレクサスだとわかる。そして「MORIZO RR」の高性能で安心感のある走りは、LBXの基本性能が優れているから。従って「LBX〝エレガント〞」を買うときも、「MORIZO RR」にも試乗すると良いだろう。LBXの底力がわかり、愛車に対するプライドを一層高められる。

※本稿は、モーターファン別冊 ニューモデル速報 統括シリーズ Vol.168「2025-2026年 コンパクトカーのすべて」の再構成です。

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