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今日は何の日?■マツダRX-8ハイドロジェンREが国交大臣の認可取得

2006(平成18)年2月10日、水素でもガソリンでも走行できるデュアルフューエルシステムを採用したマツダの水素ロータリーエンジン車「マツダRX-8ハイドロジェンRE」が国土交通省大臣の認可を取得した。公道走行試験で信頼性を高めて、今回認定を取得することで翌月には限定リース販売を開始した。
マツダの水素ロータリーエンジンの歴史

水素を燃料とする水素エンジンは、燃焼時にCO₂を発生しないカーボンニュートラルエンジンであることから、この数年大きな注目を集めている。マツダは古くから積極的に水素エンジンの開発を進めており、マツダの看板エンジンでもあるロータリーエンジンと水素燃料を組み合わせた水素ロータリーエンジンの開発を始めた。

水素ロータリーエンジンが初めて公表されたのは、1991年の東京モーターショーで展示した水素ロータリーエンジン車「HR-X」で、1993年には第2号車となる「HR-V2」と、ロードスターに水素ロータリーエンジンを搭載した「ロードスターHV(Hydrogen Vehicle)」を公開し、日本自動車研究所(JARI)で走行会を行なった。

1995年になると、「カペラ・カーゴHV」が水素エンジン車として国内初の国交大臣認定を取得。公道での走行試験を行い、4年間で約4万kmを走行して実績を残した。その後、経営不振やフォード傘下への体制変更によって、水素ロータリーエンジン車の開発は一時的に停滞した。
RX-8ハイドロジェンREが公道試験をスタート

次に水素ロータリーエンジン車のベースとなったのが、2003年にデビューしたロータリースポーツ「RX-8」だ。RX-8は、Bピラーレスの観音開きの4ドアのダイナミックなスタイリングを採用し、NA(自然吸気)ながら250psを発揮するRENESIS(13B-MSP型 654cc×2ローター)ロータリーエンジンを搭載したスポーツカーである。




RX-8ベースの「RX-8ハイドロジェンRE」は、RENRSISロータリーエンジンのガソリン噴射に加えて、1ローターにつき2本のガスインジェクターを装着して水素を直接噴射する。ガソリンでも水素でも走行可能なデュアルフューエル(ガソリン&水素)システムで、運転席のスイッチで燃料を切り替えることができる。

110L(35MPa)の高圧水素タンクと61リッターのガソリンタンクを搭載し、水素使用時の最高出力109ps/最大トルク14.3kgm、ガソリン使用時は210ps/22.6kgmを発生。また航続距離(10-15モード)は、水素使用時100km、ガソリンでは549kmである。
デュアルフューエルシステムは、CO₂排出量ゼロの水素エンジンとガソリンロータリーエンジン特有の力強い走りを両立させ、水素の充填ができない環境下でもガソリンで走れることが大きなメリットである。RX-8ハイドロジェンREは、2004年に国土交通大臣の認定を受けて10月から公道試験をスタートした。
国交大臣の認可を取得して限定リースをスタート

公道試験を重ねて信頼性が高まった「RX-8ハイドロジェンRE」は、2006年1月22日に広島で開催される第11回全国都道府県対抗男子駅伝競走大会に協力企業として参加し、競技運営委員長車として活躍した。マツダは、地元協力企業として大会の運営に必要な車両の提供などの支援を行なっているのだ。

そして翌2月のこの日、国土交通大臣の認定を取得した。これにより、リース車両の限定販売を開始し、2月15日エネルギー関連の出光興産株式会社と岩谷産業株式会社の2社との限定リース販売契約に合意した。水素ロータリーエンジン車のリース販売は世界で初である。
2社への納車は、翌3月23日に行なわれた。今回納車されたそれぞれの車両には、マツダのオリジナルデザインをベースに両社からの要望を加えたカラーリングが施され、リース価格は42万円/月である。リース販売を行なうことで、より現実的な使用での課題を抽出して、水素ロータリーエンジン車の性能と信頼性の向上を図るのだ。

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市販化を目指す先進的な技術を採用したクルマについては、メーカー自身が行なう耐久信頼性の試験だけではどうしても課題の抜け落ちが出てくる。それを補填するため、開発関係者でない第三者による市場の現実的な使い方ができる限定リース販売という手法が使われる。リース販売車の様々な情報を開発車にフィードバックしてクルマの完成度を高めることができるのだ。
毎日が何かの記念日。今日がなにかの記念日になるかもしれない。













