登録車を凌駕する歴史あるクロカンマシンの雄、正常進化とともに安全性も向上
デビューから7年が経過しながら、今でも安定した人気を維持しているジムニー。初代のデビューは1970年だが、それ以来一貫して本格的クロスカントリー4WD路線を堅持している。現在の乗用車は、卵の殻のようにボディ全体で強度を支える“モノコック構造”のものがほとんどだが、ジムニーはハシゴ形のフレームでタイヤからの入力を支え、その上にボディシェルを載せる“ラダーフレーム構造”を採用している。
モノコックボディでは、悪路で岩に衝突したり、横転してボディが歪んだりすると、卵の殻にヒビが入った状態になって走れなくなるが、ラダーフレーム構造なら、ボディが変形しても走行性能にはほとんど影響を与えない。だから少しぐらいのアクシデントなら、走って帰ってこられるのだ。
また、ほとんどのコンポーネントはフレームより上に収まっているため、凹凸の激しい地形でも路面に引っかかりにくい。ジムニーの最低地上高は205㎜と、乗用車ベースのSUVとそれほど大きな差はないが、計測ポイントはサスペンションといっしょに上下するアクスルケース。つまり、タイヤが凸部に乗り上げれば、最低地上高になる部分も持ち上がるため、容易には路面とはぶつからない。しかもアクスルケースは分厚い鋼板でできており、岩にぶつけたぐらいでは変形しない。それどころか、引きずって強引に進んでも、簡単には壊れないほど頑丈にできている。
ジムニーはサスペンションもオフロードを優先した設計。左右の車輪をアクスルチューブで連結したリジッドアクスル式を採用する。この形式は、片側のタイヤが凸部に乗り上げると、反対側のタイヤを地面に押しつける〝コンペンセーター効果〟を持つため、激しい凹凸路でも駆動力が抜けにくい。
駆動方式はパートタイム4WDのみ。乾燥した舗装路面は2WDで走り、路面に応じてドライバーが4WDに切り替えるなど、取り扱いには知識が必要だ。その代わり駆動力は最強。スリップした車輪にブレーキをかけ、グリップしている車輪にトルクを伝える“ブレーキLSD”も付いており、片輪が浮き上がるような路面でもグイグイ進める。
ただし、重たい車軸が上下することや片側の車輪が突起を乗り越す動きが反対側にも伝わってしまうことなどから、舗装の補修跡を踏んだ程度でも、ガシャガシャとした揺れがボディに伝わる。それを容認できなければ、すぐに不満になるはずだ。
ボディスタイルは3ドアのみで、後席への乗り降りはしやすいとは言えない。しかし乗り込んでしまえば、大人が無理なく座れる空間はある。後席シートはクッションが薄い分、折りたたんだときに平らになり、助手席のヘッドレストを外してフルリクライニングすれば、前後長190㎝ぐらいのスペースが確保でき、市販のベッドキットを使えば大人ふたりが車中泊できる。
長所と欠点がハッキリしているので、それを理解できるユーザーが選ぶべきクルマだ。


月間販売台数は2025年の上半期でも目標の約3.2倍となる4000台前後で推移しており、今でも納期は半年~1年程度かかることが多い。だからといって高い転売中古に手を出せば、転売屋に成功体験を与えるだけだ。

- 最小回転半径:4.8m
- 全高:1725mm


撥水ファブリック表皮のシートを装備し、アウトドアユースでの汚れも清掃しやすい。リアの背もたれは左右独立かつ12段階でリクライニングできる。「XC」のみの専用装備は本革巻きステアリングとなる。

リアシートが左右分割可倒式の「XC」と「XL」のラゲッジスペース。フルフラットかつスクエアなスペースで非常に使いやすい。「XC」と「XL」は容積352Lだが、後席がベンチシートの「XG」は377Lと、大容量を実現している。

2024年2月の一部仕様変更で、リアにパーキングセンサーが装備された。後退時に障害物に接近した際に4段階のブザー音とメーターの表示でドライバーに注意を促してくれる。

2025年10月の一部仕様変更で「デ ュアルセンサーブレーキサポートⅡ」を搭載し、車線逸脱抑制機能を装備。 4速AT車ではアダプティブクルーズコントロールや後方誤発進抑制機能にも対応し、安全性が高められた。画像は「車線の内側に戻すようにステアリング操作を支援」。

「XC」「XL」のオプションとなる9インチディスプレイオーディオ。従来のオーディオ機能のほかに「スズキコネクト」との連携やスマートフォン接続、後退時のバックカメラ機能も装備。

現行ジムニーで新規採用されたR06A型ターボエンジン。ロングストローク化やインテーク側に可変バルブタイミング機構を搭載したことで低回転から力強いトルクを発生。オフロードで重要なドライバビリティを高めている。

本格4WD車として欠かせない副変速機。手動で2H(2WD)、4H(4WD高速)、4L(4WD低速)を切り替えができ、限りあるパワーを有効活用するうえに走行環境に適した駆動方式を適切に選択できる。操作感にもこだわっている。

歴代のジムニー伝統のラダーフレームを採用。過酷なオフロードの衝撃にも耐える構造で、ジムニーが本格クロカン4WD車両でありつづける大きな要素のひとつとなっている。

ステアリング操作に減衰力を与えることで、重心が高いSUVながら高速走行での振動やふらつきを抑制。高速道路移動も苦にならない安定感を実現している。

フレーム同様に伝統の3リンクリジッドアクスル式サスペンションを採用。悪路での接地性やロードクリアランスの確保、強度に有利な形式で、高い走破性の確保に貢献している。



「XG」のみシートが異なるインテリア。表皮が通常のファブリックになり、リアシートも背もたれが左右一体型となる。ラゲッジスペ ースの容積は「XC」や「XL」より大容量の377Lとなる。
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※本稿は、モーターファン別冊 「最新軽自動車カタログ2026」の再構成です。


