連載

特集「天才タマゴ」TCRエスティマをいま再解釈する

足元、そして色で語るTCRエスティマの覚悟

カスタムは足元から――その言葉を、ここまで真正面から体現したTCRも珍しい。鮮烈なオレンジゴールドのボディ。そこに組み合わされるのは、先輩から受け継いだBBS。単なるホイール交換ではない。憧れ、歴史、そして物語を背負った一本だ。

深リムの存在感と、繊細なメッシュの造形。クラシックでありながら、決して古びない。そのホイールを主役に据えるため、ボディはあえて強い色を選んだ。派手なのに下品ではないのは、トータルバランスを徹底的に計算しているからだろう。

エアロはアヴァンツァーレをベースに、開口部やラインを丁寧に成型。低く構えた車高と絶妙なツラ出しが、TCR本来のワンモーションフォルムに緊張感を与える。ミニバンであることを忘れさせる迫力は、まさに当時のショーカー文化そのものだ。

だがこの一台の真価は、外装だけでは終わらない。内装まで徹底的に作り込まれたオレンジ基調のコーディネイト。オーディオシステムの造形美。見えない部分にまで妥協しない姿勢が、このクルマを“作品”へと引き上げている。

2010年前後は、VIP、ラグ、ユーロ、スポコン・・・。あらゆるスタイルが混ざり合い、正解が一つではなかった時代。このTCRは、その混沌の中で“自分の答え”を出した一台だ。

いま見るとどうだろう。この色、この車高、このBBS。やり切った潔さがむしろ新鮮に映る。トレンドに寄せるのではなく、自分の美学で作り切るという姿勢は、むしろ今のカスタムシーンが求めているものかもしれない。

受け継いだホイールから始まった物語は、ただの憧れで終わらなかった。TCRは“継承”を“進化”に変えられるクルマだということを、この一台が証明している。

そしてもし、いまこの個体がイベント会場に並んだら――。若い世代がスマホを構え、往年の世代がうなずく。世代をまたいで共鳴する瞬間が、きっと生まれるはずだ。

TOYOTA・エスティマ(TCR10/平成9年式)
フロントにはセッションのブレーキキットを投入。ホイールのディスクカラー、ボディカラーと統一されたキャリパー& ベルハウジングが足元の一体感を演出する。
くっきりとラインを描いたオーバーフェンダーにツラウチでおさまるBBSの19インチ。リアはTセレクションのキャンバーアームで鬼キャン仕様に。
オリジナルデザインでワンオフ製作されたフロントバンパー。欧州車的な雰囲気を高めるユーロプレートも設置している。
エアロ開口部に設置したルーバーはリアルカーボン加工。グリーンカーボンでアイキャッチ効果を高めた。
メリハリ感を与えるため、中央にプレスダクトを設けたリアバンパースポイラー。ボトムのデュフューザーは塗り分け処理。
リアのボトム中央にはリアルカーボン加工されたルーバーを設置した。スポーツ感を大きく底上げする。
TCRエスティマの特長でもある窓下のハチマキライン。ボディを一周するプレスラインだが、すべてスムージングしフロントにはACR30エスティマ風のラインを追加。新型風に見せるアイデアメイクだ。
特徴的な台形デザインのテールエンドはセンスブランド。ネットを貫通させて装着することでスポーツカー的なスタイルに。
ミラーモニターを使ったモニターメイクや、マルチLEDによるライティングも加えたラゲッジのオーディオシステムも当時大流行した。
華やかな色使いでまとめたインテリア。シ ートの張り替えはルーブルという柔らかい質感の生地を部分的に使っている。
オレンジ×グリーンのツートンでまとめたインパネまわり。中央のグリーン部分はキャンディベースのラップ塗装で仕上げた。

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OWNER 菊田正和さん(群馬県)

Specification
⚫️エアロ : F/S/R=ワンオフ
⚫️ホイール : BBS・LM F1ゴールド(19×F9J、R10J)
⚫️タイヤ:トーヨー(F215/35、R225/35)
⚫️エクステリア : ヘッドライト&テールレンズ=後期純正、窓下ラインスム ージング、各部カーボン加工、オーバーフェンダー=ワンオフ
⚫️インテリア : ステアリング=ナルディ加工、インパネ=ラップ塗装、各部張り替え、オーディオ作り込み
⚫️サスペンション: エアサス=ボルドワールド加工
⚫️マフラー: ブレーキキット=F/セッション、R/他車種純正
⚫️ボディカラー : 抜群ゴールド(全塗装)

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