VIPテイストもハマるTCRカスタム

初代エスティマ、TCR型の魅力は、その独特なワンモーションフォルムだけではない。カスタムベースとして見たとき、このクルマには実にさまざまなスタイルを受け止める懐の深さがある。

走りも意識したロースタイルが似合うのもTCRなら、ボリューム感のあるエアロをまとったスタイルもまたよく似合う。つまりエスティマというクルマは、カスタムの方向性をひとつに限定しない、自由度の高いベース車でもあるのだ。

この1台が選んだのは、どこか懐かしさを感じさせる王道のVIPテイスト。フロントまわりにはボリューム感のあるエアロパーツを装着し、ノーマルとは明確に違う迫力あるフェイスを作り上げている。サイドからリアへと続くラインも厚みのある造形で統一され、ローフォルムと相まって独特の存在感を放っている。

とはいえ、ただ派手に仕立てているわけではない。このクルマのポイントとなっているのが、足元に組み合わせたBBSホイールの存在だ。言わずと知れた名門ブランドのホイールは、スタイル全体を引き締める役割を果たしている。ボリュームのあるエアロスタイルの中にあっても、足元に品格を与えることで、クルマ全体のバランスを整えているのだ。

エスティマというミニバンに、VIPテイストの外装。そしてBBSという王道の足元。この組み合わせは、いま改めて見るとどこか新鮮でもある。ネオクラと呼ばれる存在になったTCRエスティマだからこそ、こうした“あの頃のカスタム感”がむしろ魅力的に映るのかもしれない。

そしてもうひとつ、このクルマの個性を強く印象づけているのがインテリアだ。外装はシックなカラーリングでまとめられているのに対し、車内は赤と黒を基調とした硬派なコーディネート。大胆な配色で仕立てられたインテリアは、ドアを開けた瞬間に思わず目を引く仕上がりになっている。

落ち着いた外装と、情熱的な赤黒の室内。その対照的な世界観が、このクルマに独特のワクワク感を与えているのだ。

エスティマには、さまざまなカスタムスタイルが似合う。ロースタイルも、スポーティな方向性も、そして今回のようなVIPテイストも。そんな懐の深さこそが、TCRエスティマというクルマの大きな魅力なのかもしれない。

そしてそのスタイルを足元から支えているのが、名門BBSの存在。時代を超えて愛され続けるホイールブランドと、ネオクラミニバンの代表格とも言えるTCRエスティマ。その組み合わせは、いま見てもやはり特別な説得力を持っている。

クルマのキャラクターを活かしながら、自分なりのスタイルを作り上げていく。そんな“エスティマ主義”とも呼べるカスタムの楽しさが、この1台にはしっかりと息づいている。

TOYOTA・エスティマ(平成9年式/TCR11)
エフテックがベースのフロントバンスポ。ボトムに追加したAラインを強調するため、塗り分け処理。
フェンダー無加工でセットアップしたBBS・LMの19インチ。鮮やかなブレーキキャリパーはエンドレスの6POT。
オーダーメイドで製作したリムジンマットには家紋が描かれる。他にはないオリジナルデザインが、個性を大きく高めてくれる。
インパネ下へ台座を製作し、エアサスのコントローラーとエア圧メーターをインストール。室内色の赤と黒でカラーリングを統一している。
ナメルレザーとアルカンターラを組み合わせたシートの張り替え。エナメルレザーは、子供達が汚してもすぐ落とせるというメリットもある。
サブウーファーが3つ並んでいるように見えるラゲッジオーディオ。両サイドのふたつはLEDホールで、丸型シルエットを強調している。

SPECIFICATION
■ ベース車:エスティマ(平成9年式/TCR11)
■ エアロ:F/S/R=エフテック加工
■ ホイール:BBS・LM(19×F9J+38、R10J+40)
■ タイヤ:アキレス・ATRスポーツ(F215/35、R235/35)
■ エクステリア:ウイング=エフテック、フェンダー=ワンオフ、各部ブラックアウト
■ インテリア:ステアリング&シフトノブ=セルシオ純正
■ サスペンション:エアサス=ACC加工
■ マフラー:エイムゲイン
■ ボディカラー:パールホワイト(全塗装)

※装着パーツ・仕様は当時の取材内容を掲載。

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