CHEVORET CORVETTE
535PSを発揮する史上最強のベースエンジン

ゼネラルモーターズ(GM)は、このLS6を2027年型「シボレー コルベット」に搭載すると発表した。スモールブロックV8エンジンの72年にわたる歴史の中で6世代目にあたる新エンジンは、スティングレイ、グランドスポーツ、グランドスポーツXに搭載される。
新型LS6は排気量6.7リッターの自然吸気V8で、最高出力535PS、最大トルク520lb-ft(705Nm)を発生する。これはコルベットに搭載されるエンジンとして過去最高の出力であり、量産の自然吸気V8ユニットとして最高水準のトルク性能も実現している。
主なスペックは以下の通り。
| 最高出力 | 535PS/6100rpm |
| 最大トルク | 520lb-ft(705Nm)/4600rpm |
| 排気量 | 6.7リッター |
| 圧縮比 | 13.0:1 |
伝統を継ぐ「LS6」の名称と意味

LS6という名称は、GM製V8エンジンの歴史において象徴的な存在として使用されてきた。初めて登場したのは、いわゆる「ビッグブロックV8」の大排気量仕様(454立方インチ=約7.4リッター)だった。その後は「C5 コルベット Z06」や初代「キャデラック CTS-V」に搭載された5.7リッターのスモールブロックにもLS6の名前が採用された。
今回この名称が復活したのは、スモールブロックV8の第6世代であることを示すとともに、歴代V8への敬意を表すためだという。また、新型LS6の排気量(立方インチ換算)が、往年のマッスルカーを象徴する「409」と一致する点も注目される。開発を担当したマイク・コシバは、「マッスルカー時代に成功した要素を再現したかった。広いトルクバンドと高出力を実現し、アメリカらしさを取り戻すような感覚だ」と説明している。
LS6の大きなポイントは、出力の向上と同時に排ガス性能と燃費性能の改善を実現した点である。従来、大排気量・高出力エンジンは環境性能とのトレードオフが避けられなかった。しかしLS6では、先進的なエンジン制御、新開発の燃料システム、高圧縮比の採用により、この課題を克服している。
設計初期段階では6.6リッターが検討されていたが、ストロークを2mm延長することで6.7リッターへと拡大。性能を向上させつつ、燃費性能など他の要素に影響を与えないことが確認された。デジタルツールの進化により、こうした最適化が可能になったという。
ストロークの延長と高圧縮比が生む効率

従来の6.2リッターLT2エンジンとの比較では、LS6はストロークを92mmから100mmへ延長することで排気量を拡大している。一方、ボアは103.25mmを維持するとともにシリンダー間隔も従来同様の4.4インチとされた。圧縮比は13.0:1に達し、これはコルベット史上最高値となる。1967~1969年にかけてモータースポーツ向けに開発された「L88」ビッグブロック(有鉛ガソリン仕様)の12.5:1を上回る数値であり、無鉛ガソリンでこれを実現するために高度な制御技術が用いられた。
この高圧縮比は出力とトルクを高めるだけでなく、熱効率の向上にも寄与する。すなわち、燃料のもつエネルギーを、より多く機械エネルギーへと変換し、無駄な熱損失を抑えることで効率性を高めている。
新型LS6はスモールブロックV8の伝統を受け継ぎながら、最新技術によって進化を遂げたエンジンである。高出力・高トルクと環境性能を両立し効率性を高めたこのユニットは、2027年型コルベットの心臓部として重要な役割を担う。

