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今日は何の日?■スバルが軽自動車の自社開発から撤退

2008(平成20)年4月10日、スバルとトヨタ、ダイハツの今後の業務提携における開発体制を協議し、スバルが軽自動車の自社開発から撤退することを発表した。また、スバルの水平対向(ボクサー)エンジンを搭載した小型FRスポーツカーをトヨタと共同開発することも言及した。
スバルの軽自動車の歴史

日本の国民車と言われた名車「スバル360」から始まったスバルの軽自動車の歴史の中で、スバルらしい多くの軽自動車を作ってきた。そのような中でも特に注目された5台を振り返ってみる。
スバルの軽自動車の原点となった「スバル360」(1958年~)










そのキュートなスタイルから“てんとう虫”の愛称で愛されて10年間軽トップの座に君臨。技術的にもフルモノコックボディや4輪独立懸架、RR(リアエンジン・リアドライブ)レイアウトなど大胆な設計思想で作り上げられた傑作だった。
農道のポルシェと呼ばれた「サンバー」(1961年~)









スバル 360をベースとした軽貨物車。1964年には、リアエンジンのレイアウトと四輪独立サスペンションから“農道のポルシェ”という異名を与えられた。
軽初の昭和51年排ガス規制適合車「レックス」(1972年~)





スバル360の後継車で、軽自動車の規格が360ccから550ccへ移行、排ガス規制が強化された時期に登場。SEEC-T排ガス低減システムで、軽自動車として最初に昭和51年排ガス規制に適合した。
スーパーチャージャーを搭載した「ヴィヴィオ」(1998年~)


軽自動車としては珍しい直列4気筒エンジンをベースにした多彩なパワートレインが特徴。SOHCとDOHCに、それぞれにスーパーチャージャー仕様を揃え、トランスミッションも5速MT/3速AT/ECVTを用意した。高性能「ヴィヴィオRX-R」のラリーマシンは、WRCでクラス優勝を飾った。
当時流行のハイトワゴン「プレオ」(1998年~)

ヴィヴィオの4気筒エンジンとスーパーチャージャーを継承したハイトワゴン、“98-99年RJC軽自動車ニューカー・オブ・ザ・イヤー”を受賞した。
個性的な丸みを帯びた流線形デザインR2(2003年~)

一般的な箱型ハイトワゴンでなく、丸みを帯びた個性的なデザインと走行性能を重視した軽として存在感を示した。スーパーチャージャー搭載のスポーツグレードも設定された。
スバル360の再来とも言われたR1(2005年~)










小ささを前面に打ち出した3ドアのマイクロカー。実質2名乗車のパーソナルカー的な軽だが、小さいながらも安全性・機能性・快適性を備えていた。
スバルとしては珍しい女性ターゲットのステラ(2006年~)

女性をメインターゲットとした、子育て世代向けのハイトワゴン。シートアレンジや収納などの使いやすさを追求した。
2012(平成24)年2月28日には、「サンバー」が生産を終了した。これをもって、スバルは軽自動車の自社生産から撤退、1958年の「スバル360」から54年に及んだ軽自動車の歴史に幕を下ろしたのだ。
軽撤退とともに発表された小型スポーツカー
トヨタ、スバル、ダイハツの今後の開発体制の発表時に、スバルは水平対向「ボクサー」エンジンを搭載する小型FRスポーツカーをトヨタと共同開発することにも言及した。

共同開発の成果は、2013年3月のスバル「BRZ」、4月の「トヨタ86」の発売という形で結実した。BRZ/86は、企画をトヨタ、開発と生産をスバルが担当するという共同開発によって進められた。

BRZ/86は、スポーツカーらしい典型的なロングノーズの流線型フォルムのボディに、スバル自慢の2.0L水平対向4気筒DOHCエンジンを搭載。これに、トヨタが開発したガソリン直噴D-4Sシステムを組み合わせ、NA(自然吸気)ながら最高出力200ps/最大トルク20.9kgmを発揮し、組み合わせるトランスミッションは6速MTおよびATが用意された。

低重心で軽量コンパクトの高性能ボクサーエンジンとFRレイアウトを組み合わせたパワフルで俊敏な走りが評価され、当初の受注台数は3500台を超え上々のスタートを切った。その後も、縮小しているスポーツカー市場で存在感を示している。
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スバルは、54年間一貫して軽としては贅沢に思える先進的な技術を採用し、他社とは一味違う軽自動車を投入し続けた。残念ながら、軽自動車の自社開発こそ断念したものの、以降もダイハツのOEMモデルで現在もスバルの軽ブランドを提供し続けている。
今日がなにかの記念日になるかもしれない。










