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今日は何の日?

■軽乗用車クオーレの商用車(ボンバン)版ミラ・クオーレ

1980年6月にデビューした軽ボンバン、ダイハツ「ミラ・クオーレ」

1980(昭和55)年6月9日、ダイハツは軽乗用車「クオーレ」とともに、商用車の軽ボンバン(ボンネットバン)「ミラ・クオーレ」を発売した。ミラ・クオーレは、前年にデビューして大ヒットしていたスズキ「アルト」に対抗して、ハッチバックのアルトとは異なる1.5BOXスタイルで差別化を図った。

スズキのアルトが開拓したボンネットバンが大ヒット

スズキ・アルト開発当時の鈴木修社長
“アルトは47万円”!!!

1978年にスズキの新社長になった鈴木修氏が、次期車「アルト」のコンセプトとして考え出したのが、価格が安くできる商用車でありながら乗用車のようなスタイルの軽自動車“軽ボンバン(ボンネットバン)”だった。

1979年5月にデビューしたスズキの軽ボンバン「アルト」。軽ボンバン市場を開拓して大ヒット

商用車にすることのメリットは、物品税が非課税のため販売価格が下げられること。物品税とは、生活必需品は非課税で贅沢品には課税するというもので、軽乗用車については当時15.5%の物品税が課せられていたが、軽商用車は非課税だったのだ。

1979年5月にデビューした「アルト」は、定員は4人ながら実質2人乗りという荷室が広い商用車。コスト低減のためにワングレードのみの設定で、“アルトは47万円”のキャッチコピー通り、車両価格は破格の47万円。月販台数は、1.8万台を受注する空前の大ヒットモデルになり、1980年代ボンネットバンブームを巻き起こした。ちなみに、当時の大卒初任給は11万円程度(現在は約23万円)なので、単純計算では現在の価値で約98万円に相当、これでも当時としては驚異的な低価格だった。

軽ボンネットバンが誕生した背景には、モータリゼーションが一段落して主婦層が足として利用するセカンドカー重要の増加、また日常で使用する場合の乗車人数は2名以下であること、女性ドライバーは乗用車か商用車かを意識しないといった市場調査の結果があったのだ。

クオーレ/ミラ・クオーレ誕生までの歴史

1958年3月に誕生した「スバル360」の大ヒットで日本の軽自動車市場は本格的に幕を開け、各メーカーから立て続けに新型車が投入され軽市場は一気に活況を呈した。そのような中、ダイハツが1966年11月に満を持して投入した軽乗用車第1弾が「フェロー」だ。

1966年にデビューしたダイハツ「フェロー」。ダイハツ初の軽乗用車
1966年にデビューしたダイハツ「フェロー」。ダイハツ初の軽乗用車

フェローは、リアにトランクを持つ3BOXスタイルに、日本初の角型ヘッドランプを装備。搭載エンジンは、最高出力26ps最大トルク3.5kgmを発揮する360cc 2気筒水冷2ストロークエンジンで、駆動方式はFRが採用された。

1971年に誕生したダイハツ「フェローMAX ハードトップ」
1971年に誕生したダイハツ「フェローMAX ハードトップ」

1970年4月には、初めてのモデルチェンジで2代目「フェローMAX」に移行。フェローMAXは、ロングノーズにカムテールを組み合わせたダイナミックな2BOXスタイルに変貌し、また車室内空間を確保するため、駆動方式はFRからFFに変更された。

1976年にデビューしたダイハツ「フェローMAX550」

また、1976年5月には、同年1月に施行された軽自動車の新規格(エンジン排気量360cc→550cc、全長+200mm、全幅+100mm)に対応した「フェローMAX550」を発売。エンジンは2ストロークから4ストロークに変更された。

その後、「MAXクオーレ」を経由して、1980年6月のモデルチェンジを機に軽乗用車は「クオーレ」を名乗り、アルトに対抗する形で兄弟車として商用車の軽ボンバンの「ミラ・クオーレ」が誕生したのだ。

アルトとは異なる1.5BOXスタイルで差別化を図ったミラ・クオーレ

1980年6月にデビューした軽ボンバン、ダイハツ「ミラ・クオーレ」

ミラ・クオーレは、スズキ「アルト」のハッチバックに対して、ハッチバックながら“FF 1.5BOX”を謳ったレイアウトで、エンジンが収まるフロント部をコンパクトに仕上げた上で全高を高くして、室内空間と荷室空間を広くしたことが特徴だった。この設計思想でアルトとの差別化を図ったのだ。

1980年6月にデビューした軽ボンバン、ダイハツ「ミラ・クオーレ」

スタイリングは、現代的で欧州車風のスタイリッシュなデザインで、視界を広く開放感を実現するためにガラスエリアを広くしている点も目を引いた。極力広い室内空間を得るために、ドライビングポジションをやや立ち気味とし、リアシートについては一体可倒機構を組み込んで利便性が高められた。

パワートレーンは、最高出力29ps/最大トルク4.0kgmを発揮する550cc 直2 SOHCエンジンと4速MTおよびオートクラッチ4速の組み合わせ。オートクラッチとは、MTをベースにバキューム式(通常は電磁クラッチ)でクラッチを自動断続する2ペダル式である。

車両価格は、アルトよりやや高いが49.3万円の低価格だった。安価な価格と優れた燃費性能、加えて1.5BOXの実用性の高さから大ヒット。乗用車のクオーレの販売台数を大きく上回り、アルトに続く販売を記録してダイハツの大黒柱へと成長したのだ。

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「アルト」と「ミラ・クオーレ」の大ヒットを受けて、スバルや三菱自動車からも軽ボンネットバンが相次いで投入され、1980年代は軽ボンバンブームで軽市場は活況を呈した。ところが、1989年に物品税が廃止されて消費税が導入されたため商用車の割安感が少なくなり、また市場が安いだけの軽では満足できなくなったため、軽ボンバンブームは下降線を辿ることに。その後、アルトとミラ・クオーレ(その後、ミラに変更)は、軽乗用車セダンとなって現在も長いライバル関係が続いた。
毎日が何かの記念日。今日がなにかの記念日になるかもしれない。

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