連載

新車コクピット解説

ポルシェ911カレラ カブリオレ

スポーツカーらしい運転姿勢ならではの長短

992.1型の911カレラ カブリオレ

今回ピックアップした現行「992」型のポルシェ911は、2025年1月に「カレラS」の予約受注から後期型の992.2型に移行しているが、取材車両の「911カレラ カブリオレ」の都合で992.1型となっているのをご承知おきいただきたい。なお、2024年5月に発表された992.2型のクーペモデルでは、2シーターが標準になり、追加料金なしで「2+2シート」も選択できるようになっている。

オプションの「アダプティブスポーツシートプラス(18ウェイ電動調整/メモリーパッケージ付)」
オプションのアダプティブスポーツシートプラス(18ウェイ電動調整/メモリーパッケージ付)

取材車両には49万1000円のフル電動スポーツシートであるアダプティブスポーツシートプラス(18ウェイ電動調整/メモリーパッケージ付)が装着されていた。印象的なのはホールド性の高さで、サーキットなどのスポーツ走行時でも身体をしっかりと支えてくれるはずだ。

一方で、スポーツカーなので低い位置に脚を投げ出して座らせるようなポジションになるため、身体(腰)の上下動が大きくなるのはもちろん、同シートはボルスター、つまりサイドサポート部の土手が盛り上がっていて、乗降性は良好とはいえない。

992.1型の911カレラ カブリオレのコクピット
992.1型の911カレラ カブリオレのコクピット

さらに、ペダルの配置も含めて基本姿勢としてしっくりくるのは、先述したように脚を投げ出して、スポーツカーらしい低く座らせるポジション。そうなると、駐車場のカードを取ったり、料金を支払う時などにも上下動はそれなりに大きくなるのも当然ながら織り込みずみとする必要があるはずだ。なお、「PCM」でイージーエントリー機能のオンオフもできる。後席に乗員がいる場合は同機能をオフにすることが奨励されている。

アダプティブスポーツシートプラスの座り心地、操作性

アダプティブスポーツシートプラス(18ウェイ電動調整/メモリーパッケージ付)の操作部

自慢の18ウェイ電動調整シートは、前後スライドやリクライニングをはじめ、シートの角度調整、シート高さ調整、サイサポート(大腿部のサポート)、座面のサイドサポート、背もたれのサイドサポート、ランバーサポートの調整を電動で操作できる。シートハイトはもちろん前後別々で調整可能で、ランバーサポートにより好みのフィット感が得られる。

シートメモリーは3パターンまで記憶できる
シートメモリーは3パターンまで記憶できる

特徴的なのは、サイサポートつまり座面長(クッション・エクステンション)の調整幅で約38mmはかなり調整できる方といえるだろう。身長170cmの筆者で足の長さも自慢できる方ではないが、最も引っ込めた(格納)させた状態が好みであった。長身の方でも大腿部裏側のサポート性は十分に感じられるはずだ。

なお、メモリー機能は3件まで運転姿勢を記録可能で、シートとドアミラー、ステアリングの設定と記録ができる。設定する際は、運転席ドアのメモリーボタンにある設定(SET)を押し、該当するメモリーボタン(1、2、3のいずれか)を10秒以内に押すと完了する。

フランクの実寸は?

ほぼスクエアなフランク
ほぼスクエアなフランク

フロントラゲッジ(いわゆるフランク)をチェックすると、サイドステップに開閉スイッチがあり、容易に操作できる。フロントにあるラゲッジコンパートメントは、リッドを少し持ち上げて中央よりも少し左側、下側(ボディ側)にあるラッチ(レバー)を解除する。フロントエンジン車のボンネットを開けるように操作できる。リッドを開くと荷室内のライトが点灯する。

なお、リモコンキーでの操作も可能で、キーを携行してフロントのラゲッジに近づき、センサーエリア(手とセンサーエリアは最大約50mmまで対応)を手をかざすとボンネットのロックが解除される。後の手順は同じだ。

ポルシェ純正「RIMOWA × Porsche」のXLサイズも収まる
ポルシェ純正「RIMOWA × Porsche」のXLサイズも収まる

ほぼスクエアな形状になっているラゲッジは、実測で680mm、奥行き(前後長)は400mm、深さも約400mm(いずれも最も小さいカ所の最小値)。荷室容量は135Lとミニマムだが、約35L程度の機内持ち込みスーツケースなら2つ、約60〜70Lの中型スーツケースがひとつ収まる。ポルシェ純正「RIMOWA × Porsche」のXLサイズも収まる。

後席への大人の乗降、着座は非現実的

後席は完全な「2+2」レベルで、シートサイズも足元空間もミニマム
後席は完全な「2+2」レベルで、シートサイズも足元空間もミニマム

カブリオレの「2+2」の後席は、その名のとおり完全に非常用で、身長170cmの乗員だと膝を抱えるようになんとか座れる程度。足元、頭上空間がタイトなだけでなく、背もたれがほぼ直立していて、まともな乗車姿勢は取れない。「2+2」の後席の中でもかなり狭い方なのは間違いない。乗降性も考慮すると、手荷物置き場と割り切るのが正解だろう。

後席背もたれを倒すとフラットな荷物置き場になる
後席背もたれを倒すとフラットな荷物置き場になる

後席にISO-FIXのチャイルドシートの装着は可能だが、開口部も小さめなので、タイプによっては入らないかもしれない。純正のチャイルドシートやジュニアシートから選ぶのが現実的だろう。また、後席背もたれの前倒しも可能で、フラットなスペースになり、荷物置き場としての使い勝手を高めることもできる。

そのほかのポケッテリアは?

助手席前のグローブボックス
助手席前のグローブボックス

そのほか、ポケッテリアとしては、助手席前のグローブボックス、USB-Cポートが2つ、12Vソケットがひとつ備わるアームレスト下収納、カップホルダー2つ(助手席前はプッシュ格納式)、固定タイプのオープンドアポケット、シートバックポケットなどのほか、助手席足元に無償オプションのネット収納である助手席フットウェルストレージネットも用意されていた。

ポケッテリアは豊富とはいえないが、ひと昔前のスポーツカーのように飲み物1本、財布ひとつの置き場にも困ることはなく、スマホ連携や充電も可能になっている。ポルシェを代表するスポーツカーではあるものの、手荷物、小物の収納などからも大人2人での数泊のドライブを快適に過ごせるはずだ。

「ポルシェ911カレラカブリオレ」のコクピット操作性を徹底チェック[操作性編]【新車コクピット解説:01】

クルマの多機能化は、ときにコクピットの操作系をややこしくしてしまう。見た目のスマートさを重視してハード(物理)スイッチを減らそうとすると、センターディスプレイの階層が深くなったり、ステアリングスイッチなどでの操作が増えたりする。スイッチだらけになれば、メカ好きにはたまらないかもしれないが、操作性は悪化する。この連載では、最新モデルのコクピットの使い勝手に迫る。1回目は、992.1(前期)型の「ポルシェ911カレラ カブリオレ(右ハンドル)」を俎上に上げた。

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992.1型の911カレラ カブリオレ
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ポルシェ911カレラカブリオレのシートや収納など実用性チェック[実用性編]【新車コクピット解説:02】

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