Porsche 911 GT3 Artisan Edition
江戸切子や藍染をイメージしたリバリー

ポルシェはたびたび地域限定となる珠玉の特別仕様車を発表する。昨年で言えば、ポルシェクラブ・オブ・アメリカの創立70周年を記念した「911クラブクーペ」。もしくはポルシェイタリアの設立40周年を記念した「911カレラ4 GTS“フェラガモエディション”」など。そしてこの潮流はいよいよ日本へ。それが「911 GT3 アルティザンエディション」である。
「Artisan」とは英語、ドイツ語で「職人」「熟練工」を意味する。その言葉通り、911 GT3が誇るサーキット由来のハイパフォーマンスに、日本の伝統工芸である江戸切子や藍染のエッセンスを融合。機械工学とクラフトマンシップという、2つの卓越した世界を結びつけた日本向けらしい限定車と言える。
手掛けたのはポルシェジャパンと、本国のパーソナライゼーション/カスタマイゼーション部門であるポルシェ・エクスクルーシブ・マニュファクチャーだ。特に印象的なのはホワイトとブルーで彩られたリパリーだろう。江戸切子と藍染からインスピレーションを得たというそれは、二面性をテーマに構成。ホワイトを基調にクラブブルーと淡いブルーのアクセントが施されるとともに、空気と時間の流れをイメージしたグラデーションパターンを採用。ハードコアな911 GT3をエレガントな雰囲気に仕立てている。
インテリアも特別な仕立てに

インテリアにも同じ世界観が貫かれる。シートはカーボン製の軽量バケットタイプで、その中央部分はホワイト×ブルーの鮮やかなグラデーションに。ヘッドレストには「GT3」のロゴと、切子をイメージしたグラフィックが描かれる。さらにトリムパネルや全体に施されるステッチもホワイトとブルーの組み合わせ。これは公道とサーキットという二面性を表現したものだという。さらにブラックのブラッシュドアルミニウム製ドアシルガードには「GT3 Artisan Edition」のロゴが。ドライバーは乗り込むたびに特別な空間に迎え入れられたと感じるだろう。

あの「マンタイキット」を標準装着
911 GT3のフラット6に変更はなく、4.0リッターの自然吸気エンジンは最高出力510PS、最大トルク450Nmを発生。だが、特筆すべきは「マンタイ・パフォーマンスキット」が標準装着されることだ。
1996年に設立されたマンタイレーシングは、耐久レースでの数々の勝利と卓越したエンジニアリングで知られ、現在はポルシェが51%の株を保有。モータースポーツにおけるワークスチームとしての側面を持つ。そんなマンタイが手掛けるパフォーマンスキットは、日常での使いやすさを維持しながらサーキットでの性能を極限まで追求。空力やシャシーコンポーネントは徹底したテストを経て検証され、ポルシェの基準に準拠した高い品質を誇る。

主な構成要素は、エアロダイナミクスパッケージ、アルミニウム製のショックボディとトップマウントを備えた4ウェイ調整式コイルオーバーサスペンション、ペダルフィールを向上させるステンレスメッシュブレーキラインなど。特にエアロダイナミクスパッケージは、最適化されたエアガイドエレメント、フロントリップおよびフラップ、カーボン製エアロディスク、リヤディフューザー、さらに大型エンドプレートを備えた強化カーボン製リヤウイングで構成され、高速域におけるダウンフォースと安定性を大幅に向上させるもの。これらはサーキット志向のディテールやマンタイならではのデザイン要素と相まって911 GT3のスタイリングに一層の緊張感をプラスしている。もちろんメーカーが正式に承認するパッケージとして、サーキットで実測可能なパフォーマンスの向上を約束する。なお、本キットは特別なトレーニングを受けたテクニシャンが在籍する正規販売店にて車両へ装着されるとのこと。究極の性能を実現するには高いインストール技術が必要なのだ。
この特別仕様車は30台限定。価格などについては続報を待ちたい。
REPORT/GENROQ
PHOTO/Porsche AG
MAGAZINE/GENROQ 2026年6月号
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