〝所有する喜び〞を提供する上質感のある装備が充実

まるで小さなクラウンのごときルックス。これがマイナーチェンジを受けた2代目アクアと言われて少々驚きを隠せなかった。初代からこれまで、比較的大きなお目目で親しみやすい顔をしていたのに、グッとクールな印象になったからだ。元々デビュー時から、プリウスの妹版みたいなイメージが強かったので、プリウスに近くなったと言ってもいいのかもしれないが、なんとなくイメージはクラウンである。そう言えるくらいに、質感とクラス感を上げてきたのは見事と言うしかない。

エクステリア

直近のマイナーチェンジでハンマーヘッド顔へ変身したが、後ろ姿ではリヤゲートにピアノブラックのガーニッシュが追加された程度。小型車と思えないほどワイド感を強調するテールレンズなどは従来のイメージを残している。最小回転半径は5.2m。

これは「手に届く先進性をもった、人に寄り添うハイブリッドカー」という初代から継続した根幹のテーマは変えずに「このクルマをもつことのワクワク感を提供したかった」という今回の試みからきている。いわゆるタクシーではなく愛車作戦だ。そして実際に、トヨタのフラッグシップであるセンチュリーや、大人気のアルファードと同じ機能が盛り込まれているというのが、これまたスゴイのだ。

乗降性

その装備とは「スムーズストップ」。俗に言う、〝カックンブレーキ〞防止機能である。停止線でブレーキを踏むとき、最後にヒョイッと力を抜かないとカックンとなってしまうが、この抜き加減というのが意外と難しい。これを機械的にスムーズにやってくれるのである。これにより得られる効果は、同乗者の不快感防止や、クルマ酔い防止だ。お陰様で運転上手に見えること請け合いである。ちなみにアクアの主な舞台は、ストップ&ゴーが多い街中ということで、実際にスムーズストップが稼働する機会は、断然アルファードよりも多いらしい。

インストルメントパネル

7インチのディスプレイを中央に配したメーターと、最上級グレードに標準装備の10.5インチのディスプレイオーディオが最新デジタルコクピットを実現。視界は広めだがノーズ位置は把握しづらい。

そんなうれしい装備もそうなのだが、今回のマイナーチェンジでのいちばんのトピックスは、全体的にスムーズさが増したということだと、個人的には思っている。2代目アクアはTNGA-Bプラットフォームを使っており、ボディ剛性も高いため、サスペンションやパワーステアリングのチューニングに使える余白が大きいのだ。さらに、蓄電池が使える範囲を広げたため、より積極的にモーターを使うことができるようになったのも、大きなポイントになってくる。

居住性

これらを活かして、エンジンとモーターのつなぎ目をスムーズにし、足まわりやパワーステアリングの適合を煮詰めたことで、スムーズさがより際立ってきたということなのだ。わかりやすく言うと熟成である。さらにオススメしやすいクルマになったと言っていい大きな進化だ。ただし、カタログ数値でボディ全長は若干拡大しているものの、それはあくまで外装部分で、パッケージングが変わったわけではない。もっと広い荷室が欲しいという要望がある方は、別車種を選んだ方がいいだろう。今の時代、燃費の良いクルマはいくらでもある。

うれしい装備

後席のセンターアームレストは上級の「Z」、「G」グレードに標準装備される。ふたり分のドリンクホルダーが備わっているのは便利だ。左右2名が肘
を掛けても十分なサイズと剛性感があるのもうれしい。
フロントアームレストの下は、深さ20㎝のコンソールボックスとなっている。内側にはアクセサリーソケットも備わり、電源を取ることも可能。
マイナーチェンジ発表   25年9月1日 
月間販売台数      4746台(25年6月~11月平均)
WLTCモード燃費    33.6km/ℓ

ラゲッジルーム

とは言えアクアの場合、2011年のデビュー時から、このクラスでダントツの実燃費の良さがある。その上でトヨタのフラッグシップに盛り込まれる装備が投入され、コストパフォーマンスがメチャクチャ高い、小さな高級車なのだ。HEV百花繚乱のご時世でも、アクアが選ばれ続ける意味はここにしっかりとある。

※本稿は、モーターファン別冊 ニューモデル速報 統括シリーズ Vol.174「2026年 国産新型車のすべて」の再構成です。

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