バリエーション拡充で魅力増 走りの完成度の高さも実感

初代が2000年に発売された後、07年と13年のフルモデルチェンジを経て、22年に現行4代目となったのが日産を代表するSUV、エクストレイル。その後、細かな仕様変更が行なわれた後、25年8月にはハイパフォーマンス・バージョン「エクストレイルNISMO」や〝タフギア〞感を強めた新グレード「ROCK CREEK」の追加設定と、内外装のリファインやインフォテインメントシステムの機能向上などを軸とするマイナーチェンジが行なわれて、現在に至っている。

エクステリア

マイナーチェンジを機に横桟調のフロントグリルやシグネチャーランプがデイタイムランニングランプとして点灯するヘッドライトを採用。「NISMO」には、さらに専用グリルや赤いアクセントが入ったエアロパーツも備わる。最小回転半径は5.4m。

定員5名の2列シートと定員7名の3列シートの2タイプを用意するものの、ホイールベースはともに2705㎜で違いはなく、基本となるボディは1種類。そこに搭載されるパワーユニットは日産がe-POWERと称するシリーズ方式のハイブリッドシステム1種類となるが、組み合わせる発電専用のエンジンが世界でも稀有な可変圧縮比機構を備えたターボ付き直列3気筒の1.5ℓユニットであることが大きな特徴となっている。

乗降性

そんなエクストレイルには前輪駆動と四輪駆動の2タイプが用意される。後者は前後ふたつの駆動用モーターと四輪のブレーキ力を統合制御することで低μ路走行時に高い駆動力を発揮する。それに加えて日常シーンでの自在なハンドリングや揺れの少ない乗り心地も実現させる高度なシャシー制御技術「e-4ORCE」の採用も見逃せない技術的ポイント。前後サスペンションはフロントがストラット式、リヤがマルチリンク式で駆動方式に関わらず形式上の違いは見られない。

インストルメントパネル

日産で国内初となるGoogle搭載のNissanConnectインフォテインメントシステムを採用。USB電源をType-Cに変更するなど、利便性を高めた。「NISMO」はレッドステッチ入りの加飾で特別感を演出する。

今回テストドライブを行なったのは四輪駆動の「G e-4ORCE(2列シート)」グレード。縦列駐車や並列駐車のサポートを行なうプロパイロットパーキングやヘッドアップディスプレイ、アドバンスドドライブアシストディスプレイ(12.3インチ)、内装の木目調フィニッシャーやリモコンオートバックドアなどを標準装備する上級仕様だ。

居住性

走り始めてまず感じたのは、静粛性の高さで、これは文句なしに特筆に値する仕上がり。エンジンが低い回転数から高トルクを発生する特性の持ち主であることに加え、ロードノイズなどの暗騒音が高まった場面においてエンジンを積極的に始動させる制御を行なうなど、開発陣が「エンジンを黒子的に使うのに腐心した」と語るとおり。ディスプレイの表示を目にしない限り始動に気が付かないほどなのは、ちょっとした驚きだった。長年にわたって日産が使い続けてきたe-POWERの技術が、いよいよ熟成されてきたことを実感させられる仕上がりだ。

うれしい装備

前席から後席までカバーする広大なパノラミックガラスルーフをオプション設定。電動シェードを開けると室内を明るく開放的に演出。サンルーフとして機能する前方部分のチルト&スライド機能も備わる。
Googleの搭載により目的地検索やエアコンの温度調整など、音声で完結できる操作が拡大。クルマと対話しながら運転する未来感覚を先取る。
マイナーチェンジ発表   25年8月21日 
月間販売台数      1612台(25年6月~11月平均)
WLTCモード燃費    19.4km/ℓ ※「S 」「X 」「G 」

ラゲッジルーム

試乗コースの関係で余り高いGを発するような走りにはトライができなかったものの、それでもタイトなターンからの脱出時にはアクセルを積極的に踏み込んでもアンダーステアが強まる感触はなく、後輪側にもきちんと駆動力を発してくれることで、高いドライビングの自在度が演じられていることを体感できた。今や国産SUVも数多く存在するが、その中にあっても多数の最新テクノロジーが確かにそれぞれの効果を発揮していると実感できる一台である。

※本稿は、モーターファン別冊 ニューモデル速報 統括シリーズ Vol.174「2026年 国産新型車のすべて」の再構成です。

http://motorfan-newmodel.com/integration/174/