ハイブリッドスポーツの進化形がe:HEV RS
シビックに魅力的な新グレードが設定された。ハイブリッドのe:HEV RSである。

現行シビック(11代目)のデビューは2021年。まずは1.5L直4ターボエンジン搭載モデルからスタートした。
時系列でいうと
2021年9月 1.5L直列4気筒ターボモデル発売
2022年7月 2.0L e:HEVモデル追加
2022年9月 タイプR追加
2024年9月 1.5Lターボ+6速MTのRS追加
2026年6月 e:HEV RS追加
こうしてみるとホンダはシビックにたゆまぬ改良の手を入れてきていることがわかる。
さらに、シビックと基本骨格やe:HEVシステムを共有するプレリュードが2025年9月に発売されている。
シビックe:HEV RSのグランドコンセプトは「爽快CIVIC evo.」。従来のシビックe:HEVが持つ爽快な走りを、Honda S+ Shiftと専用シャシーによってさらに進化させる、という狙いである。端的に言えば、シビックe:HEVをベースに、ガソリンRSで培ったシャシー技術と、プレリュードで初採用したHonda S+ Shiftを組み合わせ、専用チューニングを施したモデルである。
シビックe:HEV RSは、S+Shiftの採用/RS専用サスペンション/D型ステアリングホイール+メタルパドルシフトで爽快シビックの走りの楽しさを磨き上げた。

RS専用サスペンションでは、ガソリンRSで培ったサスペンション技術を、e:HEVに合わせて仕立て直した。具体的にはe:HEVモデルに対してダンパー径のアップ、バルブ最適化/スプリング、スタビライザーの剛性アップ/ブッシュの剛性アップ/RS専用タイヤを採用する。
Dシェイプのステアリングホイール+メタルパドルシフトはプレリュードから移植された。












S+Shiftはプレリュードより”音”にパンチがある
そしてS+Shiftである。
プレリュードでS+Shiftの楽しさは体感済みだ。だが、シビックe:HEV RSではS+Shiftも進化しているという。いわばS+Shiftt ver.2である。

まずは操作方法だ。プレリュードよりシンプルになった。どのモード(SPORT/NORMAL/ECON/INDIVIDUAL)でも「S+Shift」のボタンを押すとモードは「SPORT」に切り替わる。再びボタンを押せば元のドライブモードに戻る。
そしてS+Shiftが生み出すサウンドも、低回転域では迫力、中回転域では軽快感、高回転域では伸び感が増している。エンジンサウンドを演出する領域もプレリュードから広がっている。サウンドの音量も大きくなった。これが良いのだ。

公道でなら、タイプRより楽しめるかも
さて、試乗だ。
正直、試乗前はシビックe:HEVにプレリュードと同じS+Shiftが載っただけだろうと思っていた。S+Shiftはハードウェアではなくソフトウェアの技術だから、お手軽なグレード追加なのかも、とも思っていた。そもそもベースのシビックe:HEVの出来がいい。そこからの伸びしろはあまりないのではないか、と。
でも、予想は良い意味で裏切られた。

なにしろ、S+Shiftのボタンを押してワインディングを走ると、心地よいエンジンサウンドが、ドライバーの気分を高揚させてくれる。いい音なのだ。最近は、アクティブサウンドによってエンジン音を演出するモデルも珍しくないが、シビックe:HEV RSのS+Shiftのサウンドは最高レベルにあることは間違いない。プレリュードよりも一段大きい音量だが、まったく問題ない(気持ちの良い音だしね)。
そして、脚の良さだ。箱根スカイラインの、道幅が狭くRの小さいコーナーをリズミカルに走る。本当に気持ちいい。硬すぎないサスペンションで乗り心地も悪くない。
シビック・ファミリーのスポーツモデルの頂点には、タイプRがある。もちろんタイプRは素晴らしい。FFスポーツの世界最高峰に位置する一台であることに異論はないだろう。しかし、生粋のスポーツドライビング愛好家でなければ、その性能は少々“過剰”でもある。公道ではタイムを計ることも、誰かと競うこともない。狭いワインディングには対向車も来る。多くのドライバーが求めているのは、絶対的な速さより、安心して気持ちよく走れることではないだろうか。
そうしたシチュエーションでは、タイプRよりもe:HEV RSの方が楽しめるかもしれない。
S+ Shiftボタンを押し、パドルを操作する。実際にギヤを変速しているわけではなく、あくまで疑似変速だが、エンジンは「フォン・フォン」と快音を奏でてくれる。気持ちいい!
タイプRより90mm狭い全幅1800mmのボディはワインディングで扱いやすい。数字にすれば片側45mmにすぎない。だが、狭いワインディングでは、この差が想像以上に大きい。
シビック・シリーズのベストバイは、これ
ということで、個人的な評価ではシビック・シリーズ(タイプR、プレリュードを含む)のベストバイは、このe:HEV RSとしたい。車両価格を考えてもこれがいい。
シビックe:HEV RS:車両価格 465万9600円
シビックRS(1.5Lターボ+6MT):車両価格 448万8000円
シビックe:HEV EX:車両価格 444万8400円
シビックタイプRレーシングブラックパッケージ:車両価格 617万9800円
プレリュード ベースグレード:車両価格 617万9800円
6速MTを搭載するガソリンRSとの価格差は17万1600円。性格も想定するユーザーも異なるが、絶対額としては意外なほど小さい。
e:HEV EXとの価格差は21万1200円。
e:HEV EXの装備をすべて引き継いだわけではなく、サンルーフを省くことで価格差を21万1200円に抑えている。この価格差なら選ぶべきはe:HEV RSだ。
ついでに言うばタイプRやプレリュードより約152万円も安いのだ。
またしても個人的な感想だが、プレリュードもここまで高性能なシャシーを与えず、このe:HEV RSに近い成り立ちで、500万円を切る価格で登場していたら、どうだっただろう。そんなプレリュードにも乗ってみたかった。

話が横道に逸れた。
ホンダ・シビックe:HEV RSは、走りが楽しいCセグカーの最右翼に躍り出た。ぜひ、一度ディーラーで試乗してみてほしい。
| グレード | シビック e:HEV RS | ||
| 全長 | 4560mm | ||
| 全幅 | 1800mm | ||
| 全高 | 1415mm | ||
| 室内長 | 1915mm | ||
| 室内幅 | 1545mm | ||
| 室内高 | 1145mm | ||
| 乗員人数(名) | 5 | ||
| ホイールベース | 2735mm | ||
| 最小回転半径 | 5.7m | ||
| 最低地上高 | 135mm | ||
| 車両重量 | 1470kg | ||
| エンジン種類 | 2.0L直列4気筒DOHC | ||
| エンジン最高出力 | 104kW(141PS)/6000rpm | ||
| エンジン最大トルク | 182Nm(18.6kgm)/4500rpm | ||
| 燃料(タンク容量) | レギュラーガソリン(40L) | ||
| モーター種類 | 交流同期電動機 | ||
| モーター最高出力 | 135kW(184PS)/5000-6000rpm | ||
| モーター最大トルク | 315Nm(32.1kgm)/0-2000rpm | ||
| バッテリー種類 | リチウムイオン電池 | ||
| 燃費(WLTCモード) | 24.0km/L | ||
| サスペンション | 前:ストラット 後:マルチリンク | ||
| ブレーキ | 前:ベンチレーテッドディスク 後:ディスク | ||
| タイヤサイズ | 235/40R18 | ||
| 価格 | 465万9600円 | ||
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