E36 AMG/ E50 AMG/ E55 AMG
W210型「Eクラス」をベースとして

W124型の後を継ぐミディアムクラスとして1995年に発売されたW210型「Eクラス」。特徴的な4灯のヘッドライトは、ブルーノ・サッコのもとでチーフデザイナーを務めたスティーブ・マッティンによるもので、1993年に公開されたクーペコンセプトをモチーフとしたものであった。
あわせて全長4800mm、全幅1800mm、ホイールベース2835mmに拡大したシャシーも一新され、サスペンションもフロントダブルウイッシュボーン、リヤマルチリンクの組み合わせに変更。またステアリング形式も長年使われてきたボールナット式からラックアンドピニオン式へと変わり、ハンドリングも大きく向上している。
また世界初のドア内蔵式サイドエアバッグを装着したほか、トラクションコントロール(ASR)、スタビリティコントロール(ESP)といった電子デバイスも投入されるなど、アクティブ&パッシブセーフティー性能にさらなる注力が注がれているのもW210型の特徴といえる。
エンジンは2.0リッター直列4気筒から直列5気筒ディーゼルまで幅広く用意されていたが、AMGでは1996年に排気量を3.6リッターに拡大した「C36」と同じM104型直列6気筒DOHCを搭載した「E36」をリリース。3.2リッターの「E320」に対し60PS増の280PSを発生するE36は、0-100km/h加速6.7秒を記録したが、販売は欧州市場がメインで、1997年までに400台弱が製造されただけだった。
5.0リッターV8搭載のE50

1996年初頭、彼らはE36に続き「E50」セダンとワゴンを発売する。これは「E420」に搭載されていたM119型V8DOHC32バルブをベースに、ボアを94mm、ストロークを89mmとすることで排気量を5.0リッターへと拡大したM119.985ユニットで、最高出力347PS、最大トルク481Nmを発生。5速AT(オプションで6速ATも用意)を介して0-100km/h加速6.2秒。リミッター解除時の最高速度270km/hというパフォーマンスを誇った。
シャシーではハイパワー化に備えてブレーキは「SL500」のベンチレーテッドディスクブレーキが流用されたほか、ツインエキゾーストシステムもW140型「Sクラス」のものを流用。もちろん専用にセッティングされたサスペンション、定番のアルミ合金製AMGⅡモノブロック18インチホイールなどが奢られていた。
E36同様、E50も北米輸出は行われず、ヨーロッパと日本を含むごく一部の地域での販売となり、1997年までに2870台が生産されたといわれている。
また1996年にはM119ユニットの排気量を6.0リッターに拡大した381PSの「E60」、さらに排気量を6.3リッターと拡大した405PSの「E60 6.3」もごく少数作られ、販売されている。ちなみにE60の0-100km/h加速は5.1秒、E60 6.3の0-100km/h加速は5秒フラットという俊足ぶりであった。
4WDモデルも投入

1998年、E50に代わって新たに5.4リッターユニットを搭載した「AMG E55」が登場する。V8はDOHCではなく、自然吸気SOHC24バルブのM113.980型ユニットとなるが、最高出力は354PS、最大トルクは530Nmへ大幅にアップ。トランスミッションは5速ATのみの設定で、0-100km/h加速も5.4秒に向上している。
そして1999年には4輪駆動の「E55 4MATIC」が登場。車両重量が増加したものの、4WDならではの高いトラクションを誇り、0-100km/h加速も5.8秒という数値を残している。
待望の北米輸出も開始されたE55は、2000年に機関系はそのままにW210にあわせてマイナーチェンジを敢行。結局、2002年までに2WD、4WD合わせて約1万2000台が販売され、アファルターバッハでその大部分が製造された最後のAMGとして有終の美を飾ることとなったのである。

