E36 AMG/E60 AMG
C36の兄貴分として

AMGとメルセデス・ベンツの初の共同開発車となる「C36」がセンセーショナルなデビューを飾り、好評を博す傍らで、AMGはW124型「Eクラス」をベースとしたC36の兄貴分たる「E36」を発表する。
AMG的にはAMG 3.4リッターの後継車ともいえるE36は、M104型直列6気筒DOHCのボア×ストロークを91mm×92.4mmに拡大し、3OM603型3.5リッターユニットのクランクシャフトを流用することで、排気量を3604ccへアップ。あわせてスカート部が短い、新しい鍛造ピストン、大径のインテーククロスオーバーパイプ、フリーフロー排気システム、独自のインテークカムシャフト、改良したエンジンコントロールユニットを採用するなど、数々の改良を加えることで最大出力272PS、最大トルク385Nmを発生した。ちなみにAMG合併後、このエンジンにはM104.992というメルセデス・ベンツの正式な型式が与えられている。
トランスミッションは、すでに722.5型5速ATが登場したタイミングではあったものの、従来と同じ722.3型4速ATが搭載されている。
合計200台を製造

もうひとつのE36の特徴は、主にフロントの軽量化が図られたことで、全体として約80kgのダイエットに成功。硬く締め上げられたサスペンション、25mm低くなった車高も相まって、軽快でスポーティーなハンドリングを実現していた。
さらにエクステリアではリップ付きフロントエアダム、低いリヤバンパー、AMGモノブロックIIホイールなど数々の専用パーツを装備。この状態でCd値はノーマルの0.34から0.25(4ドア)へ大幅に低減。0-100km/h加速7.2秒、最高速度は250km/h(紳士協定によりリミッターで制限)というパフォーマンスを発揮している。
1993年にデビューしたE36は、1996年までに68台のカブリオレ、55台のクーペ、20台のステーションワゴンを含む合計200台を製造。C36とともに、それまでのチューニングカーとは一線を画したメーカー純正コンプリートカーとして好評を得た。
アウトローでミステリアスな

さらに1993年にはスーパーサルーンの「E500」をベースとしたモンスター「E60」も登場している。こちらはベースとなったM119 E-50型V8エンジンのボアを拡大し、排気量を4973ccから5956ccへアップ。これにより最高出力は320PSから381PSに、最大トルクは470Nmから580Nmに向上しており、0-100km/h加速は5.4秒とアナウンスされている。またトランスミッションは4速ATのみの設定である。
当初の45台は顧客がベースとなるE500を持ち込み、3万4270ドイツマルクの追加費用を払うことで、6.0リッターV8ユニット、17インチEvo-IIホイール、剛性を高めたAMGチューニングサスペンション、そして角型のAMGエキゾーストからなるAMG テクニク・パケットを装着したE60として製造されたが、メルセデス合併後は最初から工場で「E60 AMG」として製造、販売されている。E500からコンバージョンされた個体の管理なども曖昧なため、その生産台数には諸説があるが、E60、E60 AMG合計で148台といわれている。
ある意味でE36、E60までが、どことなくアウトローでミステリアスな雰囲気を漂わせていた最後の世代のAMGといえるかもしれない。これ以降、AMGはメルセデス・ベンツの純正ハイパフォーマンスカーとしてのキャラクターを強くしていくことになる。

