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今日は何の日?

■ヴィッツにアイドルストップ搭載車を設定

2001年5月にアイドルストップを採用した初代トヨタ「ヴィッツ」

2001年(平成13)年5月10日、トヨタはコンパクトカー「ヴィッツ」に停車時のアイドルストップ機能を持つ“トヨタ・ストップアンドゴー・システム”を採用し発売した。アイドル時の無駄なガソリン消費を抑えるアイドルストップの効果によって、10-15モード燃費はベース車に対して7%向上した。

アイドルストップを国産車で初めて採用した4代目クラウン

1971年にデビューした4代目トヨタ「クラウン」
1971年にデビューした4代目トヨタ「クラウン」

アイドル時にエンジンを停止して燃費向上を図るアイドルストップシステムの発想は古くからあり、国産車で初めて採用したのは、1974年の4代目「クラウン」だった。4代目クラウンは、1971年2月にデビューして、その個性的なスタイリングから“クジラクラウン”の愛称で呼ばれていた。

EASS付きクラウンのEASS操作部

ただし、4代目クラウンはアイドルストップを新技術として大々的にアピールしたわけでなく、実験的な意味合いでオプション設定されたものだった。“EASS(Engine Automatic Stop and Start System)”と称するアイドルストップ機構は、2.0L&2.6L直6エンジンに搭載され、停車してギアがニュートラルで既定条件がクリアされた場合にエンジンを停止し、クラッチペダルを踏むと再始動するというものだった。

1978年にデビューした2代目トヨタ「スターレット」。1981年にアイドルストップ車を設定
スターレットのERSのシステム構成図
スターレットのERSのスイッチ
スターレットのメーター表示部

その後、EASSはクラウンや他のモデルに展開されなかったが、8年後の1981年に2代目「スターレット」により進化した“エコランシステム”の名で設定された。これも、5速MT車のみという限定な扱いで積極的にアピールして展開されることはなかった。

人気のコンパクトカーにアイドルストップ搭載車が登場

トヨタは、1999年1月にデビューして大ヒット中のコンパクトカー「ヴィッツ」に、アイドルストップ機能“トヨタ・ストップアンドゴー・システム“を採用したグレードを2001年5月のこの日に設定した。

2001年5月にアイドルストップを採用した初代トヨタ「ヴィッツ」

ヴィッツは新世代コンパクトカーとして登場し、従来のシンプルな2ボックスタイプではなく、丸みを帯びた欧州車風の3ドア/5ドアハッチバックスタイルを採用。当初のパワートレーンは、最高出力70ps/最大トルク9.7kgmを発揮する1.0L 直4 DOHC VVT-i(可変タイミング機構)エンジンと、5速MTおよび4速ATが組み合わされた。

アイドルストップが採用されたのは、1.0Lエンジンと5速MTの廉価仕様Bグレードで、3ドア/5ドアの「Bエコパッケージ」と「Bビジネスエコパッケージ」として設定された。

初代トヨタ「ヴィッツ」のコクピット

アイドルストップは信号などで停車した際、ドライバーがギアをニュートラルに入れてクラッチペダルから足を離すと、エンジンが自動停止。ニュートラルで再びクラッチを踏むとエンジンが再始動する。アイドルストップが不要な場合は、インパネ内に設けられたスイッチでシステムをオフにすることができた。

アイドルストップによる燃費低減効果は7%とされ、車両価格はパワーステアリングがオプション扱いとなる「Bエコパッケージ」が89.5万円(3ドア)/93.5万円(5ドア)、後席が分割可倒式の「Bビジネスエコパッケージ」は90.0万円(3ドア)/94.0万円(5ドア)だった。

近年、減少傾向のアイドルストップ採用車

アイドリングストップによる燃費低減効果は、クルマによっても異なるが走行パターンに大きく依存する。運転中にクルマのアイドル頻度が高いほど、エンジンが停止する時間が長くなるので効果が大きくなる。したがって、日常的に渋滞にハマったり、信号待ちが多い走行ではアイドルストップの燃費低減効果は大きく、逆にほとんどクルマが停止しないような郊外路や高速路の走行では効果は小さくなる。

アイドルストップの技術

一方でユーザーの経済性のメリットという観点でみれば、アイドルストップによるガソリン燃料費の低減分と、イニシャルコストとの上昇分との関係で決まってくる。イニシャルコスト上昇分とは、アイドルストップ装置分とバッテリーのコストアップ分である。再始動を繰り返すアイドルストップ搭載車のバッテリーは、耐久性能等を上げる必要があり、またバッテリーの交換頻度を上げることは避けられず、バッテリー費用が増えるのだ。

すなわち、燃費(CO₂)は低減するが、ユーザーの走り方によっては経済性メリットがない、あるいは損する場合もあるのだ。さらに、アイドルストップによる右折待ちなどのストレスや振動や音に対するストレスから、機能があってもアイドルストップしないように設定しているユーザーが多いという実情もある。

これらを考慮して、最近はアイドルストップを採用しないガソリン車が増え、公称燃費を比較的気にする軽自動車以外は減少傾向である。特に先行していたトヨタが、積極的に採用を見送っているのが注目だ。

・・・・・・・
アイドルストップ搭載車に初めて乗ると、再発進時にちゃんとエンジンが再始動するか心配になってしまうユーザーは多いのではないだろうか。右折待ちなら、なおさらだ。アイドルストップは、CO₂低減に貢献するが、経済性を重視するなら、自分の走行パターンを照らし合わせて有無を検討すべきである。
毎日が何かの記念日。今日がなにかの記念日になるかもしれない。

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