ドライバーと家族が笑顔になれる上質な移動空間「ドライビングラウンジ」
ジャパンモビリティショー2025にて「DISCOVERー誰の真似もしないー」というブランドメッセージを掲げたレクサス。今後は、各車に「DISCOVER」に続く固有のテーマを付与して、体験価値を定義していくという。5月7日ににワールド・プレミアされた新型BEV3列シートSUVとなる新型TZには、「DISCOVER LIMITLESS」というテーマを設定した。これには、日常のルーティンから人々を解放し、新しい体験や冒険を可能にするという狙いが込められている。

このテーマを具現化するコンセプトが「Driving Lounge(ドライビングラウンジ)」である。快適に過ごせる空間とレクサスらしい走りを高次元で融合し、すべての乗員が笑顔になれる上質な移動空間を目指して開発された。

3列すべての乗員が心からくつろげる空間づくり
新型TZは全長5100mm、全幅1990mm、全高1705mmという堂々たる体躯を誇る。ホイールベースは3050mmだ。プラットフォームは専用開発のもので、低床・ロングホイールベースのパッケージングを採用し、広々とした室内空間を確保している。

くつろぎの環境を実現するため、シート構造にも独自の工夫が施された。フロントシートは分割構造と薄型化により、すっきりとした空間と座り心地を両立。助手席とセカンドシートには、レクサスのSUVとして初となるオットマンを設定。サードシートはソファのような座り心地を目指し、プラットフォームの最適化により十分なヘッドクリアランスと側方視界を確保している。
乗降性への配慮も細かく、アンダーボディを部分的に下げることでセカンドシートのレール締結部を低く配置し、サードシートへのスムーズなウォークインを実現。セカンドシートにチャイルドシートを設置した状態でもサードシートへアクセスできるスペースが確保されている。

静粛性の追求にも徹底して取り組んでいる。BEV特有のロードノイズや風切り音を抑えるため、ボディ骨格とパネルの共振周波数を意図的にずらす共振コントロールを実施した。さらに防音材や遮音材の最適配置、骨格内へのゴム系発泡充填材の採用、風切り音を低減する専用ミラーの開発などにより、レクサスのSUVモデルでトップレベルの静粛性を実現している。あわせて音の指向性にも着目し、後方からのノイズを抑制しつつ、座席ごとの会話明瞭度を定常AIで最適化することで、前後席でスムーズに会話を楽しめる環境を作り上げた。
利便性を高めるセンターコンソールは、下部に大型ストレージを設定したほか、リアコンソールには取り外し可能なフタを設置し、上段・下段の2wayでの使用を可能にした。さらにコンソール本体を取り外すことで、前後席間のウォークスルーも実現している。空調機構には新規構造の薄型センターレジスターを採用して、空調性能を犠牲にすることなく、すっきりとしたインストルメントパネルのデザインを実現。直接乗員を暖める輻射ヒーターをフロント席に、シートヒーターをサードシートを含む全席に装備することで、快適性と空調消費電力の低減を両立させている。

室内を彩る「センサリーコンシェルジュ」は、京都の嵯峨野の竹林をイメージした独自の香り「バンブーアコード」を用いたフレグランス、21スピーカーを最適配置したマーク・レビンソンオーディオシステムが奏でる音楽、選んだ音楽に連動して変化するイルミネーションが連動して、乗員をもてなす。また、世界最大調・最大面積のシェード開口を実現した大開口薄型可動パノラマルーフは、フロント/セカンドシートのみならず、サードシートの乗員にも開放感を提供する。また、助手席への配慮としてダブルモニターが設定されている点も特徴だ。

「味磨き」の集大成となる強靭なボディ
新型TZは、レクサス共通の乗り味「Lexus Driving Signature」を進化させるべく行なってきた「味磨き活動」の集大成とも言えるモデルだ。現時点でのボディの体土台作りに関する知見のすべてが織り込まれているという。アッパーボディには高剛性接着剤やレーザースクリューウェルディングに加え、乗員に近い部位には高減衰接着剤を塗布。さらにパノラマルーフまわりには高剛性ウレタン接着剤を塗布し、サイドと後端には接着剤を二重塗りする徹底ぶり。また、アンダーボディではフロアに2種類の構造用接着剤を採用している。
主要骨格には超高張力鋼板やホットスタンプ材、フードとバックドアにはアルミ材を採用し、剛性確保と軽量化を両立している。ツインフードロック構造の採用により、ステアリング操舵時の応答性と高速走行時の静粛性も高められた。

足まわりには、フロントにマクファーソンストラット式、リヤにマルチリンク式の専用サスペンションを採用した。ショックアブソーバーには減衰力の応答性を高める摺動部を採用し、ロッドガイドブッシュやピストンバンドの形状、オイルの材質・配合を緻密に改良。極微低速域での摩擦力を最適化することで、フラットな乗り心地と高いライントレース性を両立している。
新型TZの運動性能を支えるのがダイナミックリアステアリング(DRS)である。これは車速に応じて後輪を前輪と逆相・同相に最大4度転舵させるシステムで、低速域での取り回し性向上から、中速域でのリニアな操舵応答性、そして高速域での優れた車両安定性まで、さまざまなシーンに応じたフットワークを実現する。
ブレーキシステムは約2.6tのボディに対応すべく、フロントに対向6ピストンブレーキキャリパーを採用する。前後独立油圧制御により前後回生強調が可能な電子ブレーキ制御システムには「ブレーキ車両姿勢制御」を組み合わせ、ドライバーのペダル操作に応じて前後輪の制動力配分を最適化することで、減速から旋回へとシームレスにつながる安心感を実現している。
後席乗員の快適性を重視した「リアコンフォートモード」
駆動用電池は2種類を設定。スタンダードレンジ仕様は76.96kWh(104セル)、ロングレンジ仕様には95.82kWh(312セル)を採用する。駆動方式はAWDで、前後にそれぞれ167kWのモーターを搭載。目標航続距離は北米仕様で300マイル、日本仕様で620kmに設定されている。
充電インフラへの対応としては、片側にACとDCを並列配置した省スペースな「2-in-1電動開閉式充電リッド」をレクサスで初採用した。
四輪の駆動力を緻密に制御する「DIRECT4」は、走行状況に応じて前後モーターの駆動力を最適配分する。発進・直進加速時は前後の配分を60:40から0:100の間でコントロールして車両のピッチングを抑制。コーナリング時は80:20から20:80の間で制御し、コーナー進入時はフロント寄り、脱出時は各輪の荷重に応じた配分を行なうことで、スムーズな旋回フィーリングを実現する。

乗員の快適性を重視する新型TZで注目は、同乗者の快適性を重視した「リアコンフォートモード」だ。DRSによる横揺れ制御、電子ブレーキを活用したノーズダイブ抑制、そしてDIRECT4による加速時のピッチング抑制を高度に統合。これにより、ドライバーが意識せずとも、車両が揺すられにくい穏やかな挙動を実現している。
一方、運転を楽しみたいドライバーに向けては、仮想8段のギアをパドルシフトで操作できる「インタラクティブ・マニュアル・ドライブ」が用意された。マニュアルトランスミッションのような変速ショックを緻密に再現し、アクティブサウンドコントロール(ASC)と連携する。このASCは、和音の響きを重視する音楽的要素を新たに取り入れており、ドライバーのアクセル操作に応じて「力強さ」「躍動感」「収束感」を表現する異なるコード(和音)をつなげていく。BEVでありながら、聴覚でもクルマとの対話を楽しめるシステムだ。
機能美と空力性能を高次元で両立したデザイン
エクステリアは、レクサスのデザイン哲学「Provocative Simplicity」に基づき、造形美と空力性能の二律双生を追求している。フロントはスピンドルボディを幾何学グラフィックで構成し、L字のデイタイムランニングランプとターンランプを組み合わせた、ツインLシグネチャーランプで先進性を表現。リヤはルーフ後端を大胆に下げて空力性能を追求しつつ、キャビンを絞り込み、張り出したフェンダーと組み合わせることでワイドなスタンスを強調した。
空力性能の作り込みは、意匠開発段階からのCFD(数値流体力学)解析によって行なわれた。セミフラッシュタイプのドアハンドルの採用のほか、ガラスやウェザーストリップのわずかな段差までフラッシュサーフェイス化することで空気抵抗を低減。床下にはフルアンダーカバーを採用したうえで、ディンプル(くぼみ)の形状や、小型フィンの位置・本数・高さにまでこだわり抜き、車体下の空気の流れをコントロールしている。足まわりにおいても、ブレーキの冷却性能を確保しながらホイール側面の開口を最小化するなど乱気流の抑制を徹底。これらの努力により、新型TZのCd値0.27を実現した。

タイヤおよびホイールには、20インチと22インチを採用。22インチには、アウターリム部を中空化して空洞共鳴音を低減するノイズリダクションホイールを採用している。
サステナビリティと最新の安全・先進技術も網羅
最新のレクサス車らしく、サステナビリティの取り組みも徹底している。四国の竹材を用いた「フォージドバンブー」をオーナメント加飾やスマートキーの加飾に採用。インストルメントパネルやドアトリムの一部には「バンブーモノマテリアルフィルム」も用いられている。さらにインテリアには植物由来の「バイオウルトラスエード」、ルーフレールには製造工程のCO2削減に貢献する「リサイクルアルミ」用いるなど、循環型のクルマ作りを体現している。

安全面では、最新の「Lexus Safety System +」を搭載。一時停止、T字路、ラウンドアバウト、料金所などでのでの減速をサポートする地図情報連携機能やエコドライブモードを備えたレーダークルーズコントロールをはじめ、交差点の出会い頭に対応するプリクラッシュセーフティなどを備える。パノラミックビューモニターは新開発の3Dビューを採用し、画面のスワイプ操作で好きな視点から周囲を確認できるほか、クルマを透かした状態での視点移動にも対応した。
また、レクサス初採用となる車内置き去り検知システム「キャビンディテクションアラート」にも注目だ。60GHzミリ波レーダーを使用し、ブランケットを被って静かに寝ている幼児の微細な呼吸動作までも検知。異常時には車外へハザードランプと警報で知らせる仕組みを備えている。
| 車種 | レクサスTZ(プロトタイプ値) | ||
| 全長 | 5100mm | ||
| 全幅 | 1990mm | ||
| 全高 | 1705mm | ||
| ホイールベース | 3050mm | ||
| タイヤサイズ | 205/45R22・255/55R20 | ||
| 最小回転半径 | 5.4m | ||
| 車両重量 | 2630kg | ||
| 駆動方式 | 4WD | ||
| システム最高出力 | 300kW(407.8PS) | ||
| Fモーター最高出力 | 167kW(227PS) | ||
| Fモーター最大トルク | 268.6Nm(27.3kgm) | ||
| Rモーター種類/型式 | 交流同期電動機/2XM | ||
| Rモーター最高出力 | 167kW(227PS) | ||
| Rモーター最大トルク | 268.6Nm(27.3kgm) | ||
| 加速(0-100km/h) | 5.4秒 | ||
| バッテリー総電力量 | 95.82kWh | ||
| AC充電規格 | NACS TYPE1 TYPE2 GB/T | ||
| AC充電最大出力 | NACS:1kW/19kW TYPE2:22kW | ||
| DC充電規格 | NACS CHAdeMO CCS GB/T | ||
| 充電時間(150kW SOC 10-80%) | 約35分 | ||
| 航続距離 | 300km(北米)/620km(日本)/530km(欧州)/640km(中国) | ||
| 荷室容量 | 290L-2017L | ||
| トーイングキャパシティ | 3500lbs(北米)/1500kg(欧州) | ||
※スペックは地域/仕様によって異なります。
