D1GPの2026年シリーズも、DUNLOP勢は昨年と変わらない3台が出走する。広島トヨタ TEAMマッハ×DROO-Pは石川隼也が乗るGR86と松川和也が乗るトレノ(AE85)の2台体制、そしてURAS RACINGは野村圭市が乗るスカイライン(ER34)と、ドライバーも同じ顔ぶれだ。
石川が乗るGR86は、ラウンドゼロから仕様変更はない。松川が乗るトレノは昨シーズンから変更なしで開幕戦に臨んだ。いっぽう野村が乗るスカイラインは大きなモディファイを受けてきた。フロントサスペンションを、スカイライン本来のマルチリンク形式から、シルビアのストラット形式に変更してきたのだ。

このモディファイについて野村は「なんでもっと早くやらなかったんだろうと思うくらいいいです。スカイラインのフロントってちょっと突っ張るというか、ここでもうちょっとほしいな、という場面で裏切られることがときどきあるんですよ。そういうのがなくなって素直になった感じですね。ドリフトには向いていると思います」とのこと。

開催コースは常設のサーキットではなく、路面はそれほど荒れていないものの、うねりがある。路面や天候のコンディションを問わずに安定した性能を発揮するDUNLOPタイヤにとっては相性がよさそうだ。実際、野村と石川は金曜日の練習走行から好調で、確実に単走を通過できそうな得点を安定して出していた。公式練習日にはDUNLOP勢には大きなトラブルはなく、土曜日の本番を迎えることになった。
土曜日は第1戦の単走決勝からスタートする。DUNLOP勢の中では石川が最初に出走した。石川は練習では好調だったものの、本番は2本とも通過指定ゾーンを外し、減点を受けてしまった。結果的に単走順位は21位。通常なら単走敗退だが、このラウンドは24位まで追走進出となる方式だったため、かろうじて追走進出を決めた。
松川は点が伸びずに追走進出を逃したが、野村はゾーン途中外しの減点を受けつつも、高いベース点をとっていたので11位で単走を通過。難なく追走トーナメント進出を決めた。

追走ではまず石川がチェイサーに乗る畑中と対戦。1本目後追いの石川はコース前半では近いドリフトを見せたが、途中から後れをとり、最後はドリフトの維持がつらくなって離されてしまう。ここで石川車のEXマニホールドのウエストゲート取り付け部が割れていることが発覚。おそらく単走のときから排気漏れが起きていて本来のパワーが出ていなかったのだ。その場では直せないため石川は2本目をリタイヤ。ベスト24敗退となった。なおEXマニホールドの割れはこの日のうちに問題なく修理が済んだ。

野村はGR86に乗る下田と対戦。1本目は先行でいい走りをしたが、シグナルよりわずかに早くスタートしてしまったようでフライングをとられ、大きな減点。2本目は後追いから寄せることができず、やはりベスト24で敗退となった。野村は「ちょっと先行でカッコいい走りを意識しすぎて後追いまでにタイヤをかなり使い切っちゃってました」とのことだった。

翌日の日曜日には第2戦が行われた。コースは前日の第1戦と同様だ。Aグループで出走した石川は、1本目に失敗したものの、2本目はていねいなコントロールと高いアクセル開度を両立させて98.81点という高得点を獲得し、いったんはトップに立つ。その後3人に抜かれたものの、4番手で単走決勝を勝ち上がった。

この日にトラブルに見舞われたのは野村だった。単走1本目の進入でいい振りを見せたものの、コーナーではドリフトが苦しい様子で本来の走りができない。2本目もなんとかドリフトしたものの、点は伸びず29位で単走敗退となってしまった。原因はスロットル系のトラブルだった。なお松川は得点が伸びず、追走進出を逃した。
野村は「本番前のウォームアップのときにブーストがかからないなと思ったら、いきなり ハンチングが始まって、そこからもう本番はぜんぜんブーストがかからなくて、どうにもやりようがなかったです。ぜんぶ2速で走ったけど、やっぱりダメでしたね。
でも、このラウンドは自信も余裕もありました。今回、DUNLOPタイヤとこのコースはすごく相性がよかったと思います。初めてのコースで初めての路面だったけどいつでも安心して行けました。あと、今回はチームとマシン的に、追走のことまで考えてタイヤを使わないといけないような、次のステップに行けたと思うんですよ。なので、また作戦とかも練り直して、さらなるチーム力アップを目指して、トラブルも出ないようにして完璧なマシンで筑波には行きますので、引き続きよろしくお願いします」とコメントした。

単走を上位通過した石川は、追走ではベスト24をシードされ、ベスト16から出走。対戦相手は昨年のチャンピオン藤野だ。1本目先行の石川はいい走りを見せたものの藤野に終始近い距離でドリフトを合わせられ、大幅なリードを許す。2本目の後追いは加速区間で早めに横に並びすぎたのか、その後タイミングが合わず、コーナー飛び込みから近い距離を保って食らいつくことができず、ドリフトをうまく合わせることができない。後追いで逆転はならず、ここで敗退。石川のラウンド順位は11位だった。

石川は「加速もね、あれぐらい前で行かんと 3速入れたときに離されるんですよ。欲をいえば、もうちょっと後ろなんですけど、それってもう一か八かで。そうやって引いとって相手がもっと速かったら行かれるし。そこをピッタリっていうのが非常に難しいです。今日はその一か八かで失敗。コーナーではイン側入って追いついたけど、それはむこうが減速するとことこっちが追いつくところがちょうどマッチしたって感じで、ついたと思ったら離れるみたいな感じでしたね。今回はDUNLOPが得意な特設コースなんでいけるかと思ったんですけど、ちょっと今日はタイミングが合わんかったですね」とのことだった。

石川、野村ともに、レースウィークにわたって質の高い走りを繰り返していたが、本番ではちょっと歯車が合わずに上位進出を逃した。広島トヨタ TEAMマッハ×DROO-Pの松岡監督は、大会後こう語った。
「結果的にちょっと噛み合わなかった感じはあるけど、うわーってガッカリする感じでもない。2日間通じて、ぜんぜん戦えるなっていう感触はずっとあったし。
DUNLOPタイヤの能力も使いこなしてきて、タイヤマネージメントをするならそれなりにもたせられるけど、使い切っていいってなれば高い点が出せる。まぁ、ここは特設コースのわりにコースも長かったし、路面コンディションがよかったので、けっこうタフでしたけどね。でも、初めてのコースだけど、初日の1本目から神経質になる必要性は感じられない扱いやすさだったし、トップレベルで十分戦えるポテンシャルがあることも証明できた。
今回は、そんなに多くはないけどポイントを取れたのは大きいと思う。今年は本当に長い目で見ながら、シリーズランキングも視野に入れながらやるのがテーマなので。
まあ、これからね、筑波に向けて、けっこうやりますよ。もう最終型にするイメージでいいものづくめにしていくっていうか、けっこう大がかりなことをやるんで、期待してもらいたいと思います」。

2026グランツーリスモD1GPシリーズ次戦は6月27、28日に筑波サーキットで開催。去年は石川が準優勝したコースでもあるし、野村も走りの質が格段に上がっているので、DUNLOP勢には過去最高の成績を期待したい!







