FL5用  KW V3 Clubsport (for Semi-Slick)
KW V3 Clubsport (for Semi-Slick) 試乗車両Spec

タイヤ  ADVAN A052  265/35R18
ホイール ADVAN Racing RZⅢ  18×9.5J Inset45
ブレーキパッド DIXCEL Zタイプ


ドイツ本国で生まれたV3 Clubsport

FL5用V3  Clubsportはサーキットでの性能を重んじながら、ストリートにも対応する。TRACK PERFORMANCEの本格モデルである。開発はKWの本拠ドイツで行われた。

実車を高次元シミュレーションシステム・7ポストリグに載せ、ベンチ上で走行データを綿密に取得し、実走テストも重ねている。

その成果により、最適量のピッチングにロールと基本要素はもちろんのこと、V3  Clubsportがフロントの操舵・駆動輪とリアの追従輪を路面へ強く持続的に押し続ける。これで、つねに高いグリップ感をドライバーに伝える。

ゆえにサスとボディ側がリンクする走りができ、ドライビングも楽になる。これはこのサスキットの大きな特長という。

FL5は、ハイパワーエンジンのFFで車両重量もそれなりにある。それを踏まえて、FL5用V3  Clubsportの機構に注目したい。

ストラット形状のフロントダンパーは剛性と機能性を確保するために、単筒タイプの倒立式になっていて、別体式のタンクも備える。KWのレース用キット譲りの格別な仕様だ。

リアはマルチリンク式のため、ストローク量の確保にも効く複筒式のダンパーが選ばれている。理にかなった組み合わせといえる。そして、減衰力調整は前後ともに2wayタイプだ。伸び、縮みの減衰特性を個別に細かく合わせ込める。


日本の最新タイヤ/サーキットに合わせたV3 Clubsport(for Semi-Slick)

このFL5用V3  Clubsportの最新トピックは、KWの本国製仕様をベースにKW AUTOMOTIVE JAPAN がセッティングしたV3 Clubsport(for Semi-Slick)がラインアップに加わったこと。

バネレートも高められ、国産のハイグリップラジアル、S(セミスリック)タイヤ装着で日本のサーキットにおいて最良のパフォーマンスを発揮する。

コンプリートパッケージのARTA GT FL5、さらにレーシングドライバー土屋圭市のマイカーでの評価も経て仕上がった。


フロント
リア

本国ドイツ仕様のV3 Clubsport をベースにKW AUTOMOTIVE JAPANがセッティングをした仕様。バネレートは前後12㎏/㎜。車高ダウン量は20~30mm。べースとなった本国製標準V3  ClubsportはF:8㎏/㎜、R:7㎏/㎜。車高ダウン量が10~30mm。

ストラット式のフロントはキャンバー調整式アッパーマウントが標準装備。調整幅は最大で約3度30分。デモカーは2度50分にセットされていた。なお、メッシュホースはダンパー本体と別体式タンクをつなぐダンパーオイルの流路。


フロント減衰力調整部

バンプ側
リバウンド側

減衰力調整は伸び側(リバウンド)が16段階、縮み側(バンプ)が12段階で個別に調節できる。フロントの調整ダイヤルは倒立式なので伸び側はダンパー下部に、縮み側はダンパー上部とつながる別体タンクにつく。


リア減衰力調整部

バンプ側
リバウンド側

リアダンパーは復筒式だから取り付けが正立。減衰力調整のダイヤルは伸び側がダンパー上部に、縮み側がダンパー下部にある。


インプレ走行時の車高と空気圧

FL5で速く周回を重ねられる。いいタイムも狙える。そんな2way減衰力調整式のセッティングを、本庄サーキットで探った。

デモカーの車高はノーマルより30mmダウン。もちろん車検もOK。タイヤはA052の265/35R18を履いている(内圧は1.6㎏/㎠スタート)。ドライバーは木下みつひろ。そのコメントをもとに、KW AUTOMOTIVE JAPANの天野恭兵さんが減衰力調整の段数を変更していく。

ちなみに予備知識として2wayの減衰力調整は、おもに縮み側でグリップや応答性を決め、クルマ全体の動きは伸び側でまとめるのが活用のコツという。


テスト&インプレッション①
減衰力調整  KWのサーキット基準値で走行
フロント バンプ側5段戻し リバウンド側7段戻し
リア バンプ側4段戻し リバウンド側4段戻し
(減衰力調整は数字が小さいほど強くハードになる)

木下みつひろ コメント
初めに減衰力調整の段数を、KWのサーキット用基準値にセットして走行した。

「タイヤが路面の変化にしっかり追従し、捉えてくれる。タイヤに荷重が載って、狙ったとおりに旋回できる。ピッチングの動きが適切で、コーナーに積極的に飛び込んでもリアの姿勢は安定していた。クルマが曲がらないと思うような場面はなかった。

ただし、細かくいうと路面のアンジュレーションに対して、フロントダンパーの動き始めが少し強い。つねに車体が上下に微動している。それが消えたら、もっと乗りやすくなる」

KW AUTOMOTIVE JAPAN  天野恭兵さん
「スプリングの振動が一回で、早く収束していない、と理解しました。次の走行ではセッティングとして、前後の伸び側の減衰力を気持ち強くします。リアについては、ほんの少しですが挙動をオーバーステア方向に合わせます」


テスト&インプレッション②
減衰力調整
フロント バンプ側5段戻し リバウンド側5段戻し
リア バンプ側5段戻し リバウンド側3段戻し

木下みつひろ コメント
減衰力は前後の伸び側を強め、縮み側はリアのみ弱めた。

「もうフロントの微動は気にならない。さらに接地感が上がって、タイヤに掛かる荷重が増えた。バネレートが前後12㎏/㎜と高く、減衰力も強め。でもコーナーでハンドルを切り初め、切り足したときまで、ちゃんとクルマが応えて曲がってくれる。だから、アンダーステアを起こさない。

KWのキットは、サスを硬くしても軟らかくしてもコーナーの奥までグリップが、すこぶるよく続くのが特徴。タイヤに掛かる荷重の大小に関わらず、きちっとコーナリングができる。

煮詰めに加速でのリアの沈み込みをできるだけ抑えて、もっとフロントのトラクションを高めたい。いまはアクセルを踏む早さに合わせて、リアも多く沈む。収まれば、早くハンドルが戻せて、FFの優位性、FL5のよさが一段と活かせるはずだ」

KW AUTOMOTIVE JAPAN  天野恭兵さん
「より旋回がしやすい、狙った結果になりました。リクエストにあったリアの沈みを抑えるには、リアの縮み側の減衰力を強くせずに、伸び側でクルマ全体の動きを考えながら合わせます。

理由は、2way式の減衰力調整は縮み側の調整ではロースピード(低速域)の調節がおもになります。強くすると初期のグリップ感が増して、たしかに収まった雰囲気は出ます。しかし、挙動がアンダーステア方向にもなりやすい。木下さんが乗りこなして、セッティングの次元が上がる。

もう縮み側の減衰力調整がロースピード、ハイスピード (高速域)の別に合わせられる3way式の仕様も欲しくなります。3wayでは縮み側は低速域の減衰力を適度にして、高速域のみ強くすれば、2way以上に加速での姿勢が決まります」


テスト&インプレッション③
減衰力調整
フロント バンプ側3段戻し リバウンド側5段戻し
リア バンプ側5段戻し リバウンド側1段戻し

木下みつひろ コメント
「バネレートとタイヤの特性にマッチしている。タイヤを新品に換えた?  と錯覚するほど。操作へのレスポンスとグリップがグンと上がった。コーナーでは高いGが掛かって、体がシートからずれて、フルバケットシートが欲しくなったくらい。

課題のリアの沈みも収まって、ハンドルを早く真っすぐにでき、加速が乗る。さきほどの話にも通じるけど、一般にはこういう車高調キットでダンパーの減衰力を強くすると、タイヤは滑る方向に行きやすい。

KWのダンパーは独特で、逆にまず起こらない。たしかに伝わってくるインフォメーションから、サスには硬さがある。でも、サーキットを速く走る、タイムを狙うなら、いまのセッティングが僕の中ではいちばんだ」

KW AUTOMOTIVE JAPAN  天野恭兵さんのまとめ
「とにかく4輪の接地の強さと持続性。木下さんには、FL5用V3 ClubsportとともにKWのダンパーの特徴を明らかに感じていただけました。

伸び側16段、縮み側12段の減衰力調整も1段、2段とクリックした分だけ、木下さんが求めた、走りがよい方向に変化。

KW製のダンパーは独自の構造から、わずかなストロークの領域や微低速領域から、しっかり減衰力が立ち上がる。減衰力を強めに調整しても、高速のストローク域での減衰力に影響が出にくい。コメントがすべての性能を現わしています」


7月17日までキャンペーン価格

愛車のFL5にV3 Clubsport(for Semi-Slic )を備えたカスタマーは、今回のテスト&インプッションをマニュアル代わりにセッティングを試してほしい。このサスキットの価格は90万円(税込み99万円)だが、2026年7月17日まではキャンペーン価格、税込み87万7800円(本体79万8000円)で購入できる。


KW AUTOMOTIVE JAPAN  https://www.kwsuspensions.jp/