マークの意味は原付一種との区別

排気量125ccや110ccなどの原付二種バイクには、フロントフェンダーの先端に「白い帯」、リアフェンダー付近の後方から見やすい場所に白い「△(三角)」のマークが付いている。これらは、原付一種バイクと区別するための識別マークである。

2026_honda_dio110_00
原付二種のフロントフェンダー先端にある白い「帯マーク」
Gentsuki2_01
原付二種のリヤフェンダーにある白い「三角マーク」

そもそも原動機付自転車には、50cc以下の原付一種(第一種原動機付自転車)と、50cc超〜125cc以下の原付二種(第二種原動機付自転車)に分かれているのはご存じの通り。

なお、2025年4月1日からは、排気量125cc以下で最高出力を4.0kW(5.4PS)以下に制御した「新基準原付」も追加されたが、これも原付一種に属する区分だ(原付二種のマーク自体は新基準原付導入のはるか前から存在するが……)。

そして、原付一種と原付二種では、車体の大きさやデザインなどにあまり差がないモデルも多い。

たとえば、ビジネスモデルのホンダ・スーパーカブには、原付一種の50cc版「スーパーカブ50」と、原付二種の110cc版「スーパーカブ110」が存在。また、50cc版は、2025年11月から適用された新排出ガス規制の影響で生産終了となったが、現在は110cc版をベースにした新基準原付の「スーパーカブ110ライト」が後継機種となっている。

ルックス的にかなり似ている3モデルだが、実際にボディサイズも以下のように大きな差はない。

【スーパーカブ50のボディサイズ】
全長1860mm×全幅695mm×全高1040mm

2022_honda_supercub50_06
ホンダ・スーパーカブ50

【スーパーカブ110のボディサイズ】
全長1860mm×全幅705mm×全高1040mm

2022_honda_supercub110_06
ホンダ・スーパーカブ110

【スーパーカブ110ライトのボディサイズ】
全長1860mm×全幅705mm×全高1040mm

2026_honda_supercub110lite_002b
ホンダ・スーパーカブ110ライト。フロントフェンダーの白い帯と、リアの三角マークがないことで、原付二種のスーパーカブ110と見た目で区別できる

スーパーカブ50とスーパーカブ110は、全幅のみ異なり、全長・全高は同一。スーパーカブ110とスーパーカブ110ライトはまったく同じサイズだ。また、これら3モデルは、車体色にも同じような色調の設定がある。

もちろん、バイクに詳しい人ならば、「最近のモデルなら、50と110でホイールのデザインやマフラーの色が違う」など、違いを見分けられるかもしれない。だが、そうした違いを誰もが把握しているとは限らない。バイクに詳しくなければ、街中でぱっと見ただけでは区別しづらいのが実情だ。

交通ルールの違いが導入の背景

一方で、原付一種と原付二種では、公道を走行する際の交通ルールに大きな違いがある。代表的な相違点は以下の通りだ。

【原付一種(新基準原付含む)の交通ルール例】
・最高速度(速度規制のない道路):30km/h
・2段階右折:必要
・2人乗り:不可

【原付二種の交通ルール例】
・最高速度(速度規制のない道路):60km/h
・2段階右折:不要
・2人乗り:可能

速度規制のない道路での最高速度は、原付一種が30km/hなのに対し、原付二種は60km/h。また、原付一種は2段階右折が必要だけれど、原付二種は不要。2人乗りも原付一種はNGなのに対し、原付二種はOKといった違いがある。

交通ルールに基づいて取り締まりを行う警察官にとっては、原付一種と原付二種を瞬時に見分けられないと支障が出る。たとえば、2段階右折。交差点で2段階右折をせずに曲がった原付バイクが、原付一種なのか原付二種なのかぱっと見て分からないと、違反したかどうかの判別もできないからだ。

そこで、主に国内のバイクメーカーが、ぱっと見て原付一種と原付二種を区別するために、自主的に付けたのが、白い三角や帯状のマークなのだ。

とくに、原付一種と原付二種では、先述したスーパーカブ・シリーズのように、デザインが似ていたり、同じモデル名をあえて共有しているモデルも多々ある。そのため、識別を容易にし、円滑かつ確実な取り締まりを行う目的で表示されているのが、これらのマークだといえる。

24792730_l
法定の最高速度や二段階右折など、原付一種と原付二種では交通ルールに違いも多い

剥がすと原付一種と間違われるケースも

では、これらマークを、見た目が悪いなどの理由で剥がしてしまうのは、違反となるのだろうか。

答えは、基本的に「ノー」。前述の通り、これらのマークは、あくまでメーカーの自主的な取り組みで、法律上の表示義務はない。剥がしても問題はないといえる。

とくに、リヤフェンダーにある三角マークは、現在、あまり重要性はなくなったといえる。原付一種か原付二種かの区別は、ナンバープレートの色で分かるからだ(原付1種は白色、原付2種は排気量50cc超90cc以下が黄色、90cc超125cc以下がピンク)。そもそもこれらマークは、ナンバーで区別できなかった時代に導入されたものであり、古い制度の名残という側面もある。

25469069_l2
90cc超〜125cc以下の原付二種はピンクのナンバー。一方、原付一種は白ナンバーなので、後方からの区別は可能だ

ただし現在でも、車両を前方から見た場合、原付一種か原付二種か判別しにくいモデルが存在する。先述したスーパーカブ・シリーズなどがその典型だ。

そのため、たとえばフロントフェンダーの白い帯を剥がした原付二種バイクが、30km/hを超える速度で走ったり、2段階右折をしなかった場合、それを見た警察官が原付一種と勘違いし、誤った取締りを行うケースもありうる。

2022_honda_supercub110_01b
フロントフェンダーの白い帯がないと、前から見て原付一種か原付二種か判別しにくいモデルもある。スーパーカブ・シリーズがその典型だ

もちろん、マークを剥がしても違反ではないので、法規を守って走っていれば最終的に問題はない。しかし、一度止められるくらいならいいが、何度も誤解を受ける可能性もあり、ちょっと面倒だ。そう考えると、三角マークや帯マークは、「かっこ悪いから絶対に嫌だ」などと思わない限り、剥がさないでおく方が無難ではないだろうか。