排気量400ccまでのバイクを運転できる「普通二輪(普通自動二輪)免許」。150ccクラス、250ccクラス、400ccクラスなど、幅広いカテゴリーがあり、車種も豊富。小型限定普通二輪免許で乗れる125ccクラスよりも、パワフルで余裕の走りを獲得し、高速道路も走行可能だから、行動範囲も大幅に広がるのがこの普通二輪免許なのである。 REPORT●北 秀昭(KITA Hideaki)

バイクの運転免許の種類

バイクの運転免許は1から7までの7種類。1(原付)とAT(オートマチック)限定のない2・4・6は、手動式クラッチ付ミッション車及びスクーターともに運転できるが、AT限定の3・5・7は、スクーターなどのクラッチなし車両のみ運転可能。

普通二輪免許 難易度★★☆ 取得可能な年齢:16歳

排気量400cc以下」のバイクを運転可能

『AT限定』と『限定なし』の2種類あり


水冷4気筒250ccエンジンを“復活”させた注目のNEWモデル「カワサキ Ninja ZX-25R」は普通二輪免許で運転可能。試乗インプレは写真をクリック!

「普通二輪(普通自動二輪)免許」は、排気量400cc以下のバイクを運転できる免許。かつては「中型二輪免許」という名称だったため、「中型二輪」「中型」「中免(チューメン)」とも呼ばれる。 国内では主に、150ccクラス、250ccクラス、400ccクラスの3カテゴリーがメイン。「小型限定普通二輪免許」で運転できる、125ccクラスと同様、時速30km/h制限がなく、アンダーパスの走行もOK。2段階右折義務もなく、タンデムシートやタンデムステップ等を備えた車両であれば、2人乗りも可能(ただし免許取得後1年未満の初心者は不可)。 「普通二輪免許」で運転できる125cc超のバイクのポイントは、125cc以下のバイクの走行が禁止されている「高速道路」や「自動車専用道路」の走行が可能なところ。行動範囲も広がるなど、ロングツーリングも得意だ。 10馬力前後の125ccクラスに比べ、250ccスポーツモデルや400ccクラスは、40馬力前後のパワフルなエンジンを搭載。また、排気量が大きくてパワーのある分、フレーム、ブレーキ、サスペンションのポテンシャルも高く、一般道はもちろん、高速道路や自動車専用道路でも余裕のある、安定した走りを発揮してくれる。 「普通二輪免許」は、「小型限定普通二輪免許」と同じく、スクーターなど、左手によるクラッチ操作なし車両のみ運転可能な『AT限定』と、手動式クラッチ付きミッション車及びスクーターなど、排気量400cc以下であれば、すべてのバイクを運転できる『限定なし』の2種類あり。 一般的に「ビッグスクーター以外に乗るつもりはない」というユーザーが、『AT限定』を選ぶ傾向にある。「チャンスがあれば、いろんなバイクに乗ってみたい」「将来的には大型二輪免許を取得したい」という人は、~400cc以下のすべてのバイクを運転できる『限定なし』を選んでおくほうがベターかも。

高速道路で2人乗り(タンデム)する時の「条件」とは?


写真は“ビッグスクーター”と呼ばれる250ccスクーター「ホンダ フォルツァ」。タンデムでハイウェイを走行中。

国内の高速道路や自動車専用道路は、125cc超のバイクであれば走行可能。また、 ・年齢が20歳以上の者 ・普通自動二輪もしくは大型自動二輪免許取得後の期間が、通算して3年以上の者(道路交通法第71条の4) であれば2人乗りも可能だ。 ※注:高速コーナーや急カーブが続く、東京都心の「首都高速道路」の中心部や、「大型自動二輪車及び普通自動二輪車二人乗り通行禁止」の道路標識のある道路では、ライダーの安全を確保するため、上記の条件を満たしている場合でも、2人乗りでの走行が禁止されている。

運転免許の取得方法は、「小型限定普通二輪免許」と同じく、 1:指定自動車教習所に通う 2:運転免許試験場で直接試験を受ける(一発試験とも呼ばれる) の2通り。

「普通二輪免許(~400ccまで運転可能)」取得までの流れ


「ホンダ CB400 SUPER FOUR」の教習車仕様。教官にも運転状況が一目で把握できる見やすい表示ランプ、破損や損傷を軽減させるエンジンガードやリアバンパーを装備。

1:指定自動車教習所を利用する

「普通自動車免許」を所有していれば、学科教習時間&費用も大幅に軽減!


「ホンダ CB400 SUPER FOUR」の教習車仕様。教官にも運転状況が一目で把握できる見やすい表示ランプ、破損や損傷を軽減させるエンジンガードやリアバンパーを装備。

普通二輪免許、小型限定普通二輪免許、大型二輪免許の3つは「自動二輪車」と呼ばれ、これらの免許を取得する人の多くは、指定自動車教習所に通学する。これが一般的だ。その理由は、 ・指定自動車教習所の卒業者は、試験場での厳しい実技試験が免除される ・指定自動車教習所は夜間教習もあるが、運転免許試験場での一発試験(下記参照)は夜間の試験がなく、昼間の仕事を持っている人には受験しづらい。 試験場での一発試験に比べ、教習所は確かにお金と時間はかかる。しかし時間の融通が利き、確実に免許が取れる。これこそが指定自動車教習所の最大の魅力だ。 普通二輪免許は、「普通自動車免許」を所有していれば、学科教習が1時限のみ。「小型限定普通二輪免許」所有の場合は、学科教習なし。また、「普通自動車免許」もしくは「小型限定普通二輪免許」所有ならば、運転免許試験場での学科試験は免除される。 「普通自動車免許」もしくは「小型限定普通二輪免許」を持っていない人は、教習所卒業後、運転免許試験場で筆記試験に挑戦。これに合格すれば、免許証が交付される。 なお、「とにかく早く免許が欲しい!」という人は、集中して教習が受けられる合宿免許もオススメ。「昼間は仕事があるから通えない」という人は、夜間教習を実施している教習所を探してみよう。

●指定自動車教習所の基本的な入校資格 ・年齢:満16歳以上(16歳の誕生日1ヶ月前から入校可能) ・視力:両眼で0.7以上(メガネ・コンタクト使用可能) ・色別:赤、青、黄色の識別ができること ・聴力:補聴器使用可能 ・運動能力:自動車等の運転に支障のないこと 注:各教習所により異なる場合あり

「普通二輪免許(~400cc)」教習所での教習時間


空欄=学科教習は免除

教習所での視力・聴力・運動能力などの適性検査で問題がなければ、「技能教習」と「学科教習」へと進む。 【技能教習】 ・1段階:「走る・曲がる・止まる」の基本操作を練習 ・2段階:ルールに従った基本走行や、危険を予測した運転を練習 ・卒業検定(指定自動車教習所での実技試験)で70点以上獲得すれば、教習所は卒業 【学科教習】 ・道路交通法や交通ルールを学習 ・「免許なし・原付のみ」は26時限だが、「普通自動車免許」所有者は1時限のみ ・「小型限定普通二輪免許」所有者は免除 卒業後、運転免許試験場で適正検査と学科試験を受け(※普通自動車免許もしくは小型限定普通二輪免許所有者は免除)、合格すれば、指定自動車教習所の卒業者は「技能教習」と「応急救護講習」が免除されるため、免許が交付される。

指定自動車教習所で「普通二輪免許」を取得する場合の費用

【教習費用】 ★免許なし / 原付免許所有の場合 限定なし:17万円前後~ AT限定:15万円前後~ ★普通自動車免許所有の場合 限定なし:10万円前後~ AT限定:8.5万円前後~ ★小型限定普通二輪免許所有の場合 限定なし:5万円前後~ AT限定:4.5万円前後~ ★AT小型限定普通二輪免許所有の場合 限定なし:6.5万円前後~ AT限定:5万円前後~ 注:上記料金はあくまでも目安です。各教習所、地域、個人の技量差による延長料金発生等により異なります。 【運転免許試験場(運転免許センター)での費用】 受験料:1,750円 交付手数料:2,050円 ◎合計 3,800円 注:上記費用は法令で定める標準額。地域により異なる場合があります。

2:試験場で直接受験する

“実力次第”で教習所よりも短期&格安で取得可能な、通称「一発試験」


排気量400ccのビッグスクーター「ホンダ シルバーウイング」の教習車仕様。AT限定の教習や実技試験に使用されている。

「自動二輪車」と呼ばれる、普通二輪免許、小型限定普通二輪免許、大型二輪免許の3つは、指定自動車教習所には通わず、運転免許試験場で直接技能試験を受ける、通称「―発試験」で取得することも可能。 「飛び込み試験」とも呼ばれる一発試験の特徴は、 1:独学等により、豊富な交通ルールの知識を獲得している 2:十分な運転テクニックを獲得したバイク経験者 3:免許の取り消しや失効により再取得する経験者 など、“ごく一部”の人が多いこと。一発試験の最大のメリットは、 ・指定自動車教習所に通うよりも、短期間で、しかも安く免許が取得できる可能性があること

一発試験は、平日の日中のみ実施


一発試験を受ける人(特にバイクビギナー)は、指定自動車教習所以外の教習所で練習後、数回挑戦し、晴れて合格というパターンが多いのも特徴。※写真はイメージ

一見、コストパフォーマンスに優れた一発試験だが、試験場での技能試験は、それなりの難関。走行コースは、試験直前に告知される場合がほとんど(昨今では動画サイトで公開されたノウハウを研究し、受験するのが定番)。 また、1つのミスが合否に直結するので、バイク経験者でも、1回で合格する人は稀。数回のチャレンジで、ようやく合格となるパターンが多いのも特徴だ。 一発試験は、平日の午前中や午後の早い時間に実施されており、夜間は行われていない。そのため、試験場での一発試験は、時間に余裕のある学生や、平日の昼間に仕事の休みが取りやすい人がチャレンジする傾向にある。

試験場で直接受験する場合の費用

【合格前(1回分の費用)】 受験料:2,600円 試験車使用料:1,450円 ◎合計:4,050円 【合格後】 交付手数料:2,050円 取得時講習料:12,000円 応急救護講習料:4,200円 ◎合計 18,250円 注:上記は法令で定める標準額。地域により異なる場合あり。

「普通二輪免許」取得時、運転免許試験場での申請手続きに必要なもの

一発試験に挑む時はもちろん、指定自動車教習所を卒業後も、運転免許証の取得には、必ず住民票のある各都道府県の「運転免許試験場(運転免許センター)」に行く必要がある。 運転免許証取得の申請に必要なものは、 ・本籍地が記載された住民票(発行後6ヶ月以内。コピー不可) ・顔写真(6ヶ月以内に撮影されたもの。サイズは縦30mm×横24mm) ・筆記用具(HB以上の鉛筆、消しゴム) ・認印 ・メガネやコンタクトレンズ(視力が弱い場合) 注:試験場で直接受験するは、事前に住民票のある「運転免許試験場(運転免許センター)」に問い合わせておくこと。『運転免許試験場』『運転免許センター』『東京/大阪/愛知(管轄の都道府県)』等のワードで検索。

「運転免許試験場」の適性試験とは?

一発試験に挑む時はもちろん、指定自動車教習所を卒業後も、「運転免許試験場」で行われる適性試験。実施するのは、下記の簡単な身体検査。公道を走行するために必要な事項を検査するもので、もしもこの検査で「不適性」とみなされた場合、免許交付は不可。 ・視力検査において、両目で0.5以上あること(メガネやコンタクトレンズ使用可能) ・聴力検査(補聴器使用可能) ・色彩識別検査(信号の青、赤、黄など) ・運動能力検査

運転免許試験場での「学科試験」の特徴

「普通二輪免許」を取得する場合、普通自動車免許や小型限定普通二輪免許を持っていれば、運転免許試験場での「学科試験」は免除される。 「運転免許は何も持っていない」「原付免許しか持っていない」という人は、指定自動車教習所卒業者&試験場で直接受験する人ともに、学科試験を受ける必要がある。

運転免許試験場での学科試験は、地域により問題の難易度に差あり!?

運転免許試験場での学科試験は、正しい交通ルールやマナーについての試験(マークシート式)。出題の形式は、 ・文章問題:90問→交通ルールを中心とした問題 ・イラスト問題:5問→イラストをみて答える危険予知の問題 試験時間は30分。95問中、90%以上の正解で合格となる。 学科試験は、各都道府県によって難易度が異なると言われる。具体的には、言い回しを変えて、わざと間違いやすくした「引っ掛け問題」を多用する地域があるのだ。 勉強方法としては、 ・教習所で配布された教科書や市販の問題集で勉強 これが鉄則。「勉強の仕方がよく分からない」という人は、教習所の教官、地元のバイクショップ、その地域で運転免許証を取得した受験経験者にアドバイスを乞うのもオススメだ。

「普通二輪免許」で乗れる、~400ccクラスの魅力!

ハイパワーエンジン&高性能な足周りで、余裕の走りを実現


写真右は4気筒250ccエンジン搭載のスーパースポーツ「カワサキ Ninja ZX-25R」。

・250cc&400ccスポーツモデルは、125ccクラスでは味わえない、パワフルかつスポーティな走りが体感できる ・250cc&400ccクラスはヘビーで存在感溢れる外観により、所有感も満点 ・街乗りだけでなく、ロングツーリングにも使える ・高速道路や自動車専用道路が利用できる ・2人乗りでの街乗りはもちろん、2人で遠出をしたい人にも最適(道交法により免許取得1年未満の初心者は不可)

「150ccクラス」は125cc並のコンパクトな車体


写真は人気の150ccスクーター「ホンダADV150」。詳しくは写真をクリック!

125ccクラス並のコンパクトな車体にハイパワーな150ccクラスのエンジンを搭載し、市街地走行から通勤まで活躍する万能選手。高速道路を走行できるのも魅力だが、100km/h以上の速度域での追い越しはさすがに苦手。

125ccクラスにはない豪華な装備


ポケットなどからキーを取り出さなくても、イグニションのON/OFF、ハンドルロック操作が可能となる「Honda SMART Keyシステム」を採用したホンダ フォルツァ。

豪奢な雰囲気のメーター周り、走りに応じて任意に設定できる変速コントロールンステム、シリンダーキーの差し込み操作を省いたキーレスシステムなど、普通二輪免許で運転できる中型モデルは、125ccクラスにはない豪華な装備を盛り込んだモテルが多数あり。

250ccや400ccのビッグスクーターは大容量の収納力


250ccスクーター「ホンダ フォルツァ」の大容量シート下スペース。

写真は「ホンダ フォルツァ」のシート下スペース。この通り、シート下はフルフェイスヘルメットが2個入る大容量。チェーンロックや雨具、A4サイズのビジネスバッグなども収納可能だ。 また、セパレータープレートを装備し、濡れた雨具とカバンを別々に収納したい時などに内部を仕切れるなど、使い勝手もこだわつているのが特徴。