VOSSEN HFX-2
THX&CO GX550

東海岸生まれの美ホイール

ふかふかの砂地をモノともせず、真砂を巻き上げながら、GX550が海辺へ向かって走っていく。オフロードヴィークルとしての本領発揮だ。大地を鷲掴みにするBFグッドリッチ・オールテレーンT/A KO3があれば鬼に金棒だろう。この地球上のどこへでもいきたくなる。

つい見惚れてしまうのは、圧倒的な動力性能だけではない。世界が認めるタフギアながらも、過度に泥臭くない。海岸線をまるでランウェイのように軽やかに駆けていく姿には、プレミアムSUVならではのエレガンスが宿る。

この性能と世界観は、ホイールの恩恵でもある。装着されるのはVOSSEN(ヴォッセ)のハイブリッドフォージド「HFX-2」だ。アメリカ東海岸のマイアミで生まれたヴォッセは、2026年で創業20周年を迎えた。まるで宝石か芸術品かと見間違うように美しい造形や、世界中のビルダーと手を取り合って突き詰める攻めたマッチング、なにより絶対的安心感を備え、いまや世界に名だたるハイブランドとして認められる。

実際、欧州やアメリカはおろか、日本を含むアジア、南米、アフリカに至るまで世界100ヵ国以上で販売される。だからこそ厳しい環境下で酷使されることを想定したモノづくりを貫く。ドイツの工業規格「TUV」の承認を絶対として、強度や剛性、長期的な信頼耐久性を追求する。

ハイブリッドフォージドはキャストホイールのリム部を鍛えながら引き伸ばすフローフォーミング製法を採用するシリーズだ。価格的敷居を下げながらも、攻めたサイズ設定や多彩な色味などヴォッセらしい芸術性は継承される。

5ホールと6ホールでデザインを変更

もちろん、肝心かなめの“性能”には抜かりはない。そんな作品が支えるからこそ、タフギアながらもどこか色気を醸し出すのだろう。5ホールと6ホールではスポークレイアウトそのものを変更し、まるでGX550に採用されるP.C.D.6×139.7への専用設計のような2×6スポークとした。天面は極限までシャープに、縦断面の厚さを含めた設計の妙技によって、GX550を完璧に支える。

THX&COのセンスが光るシックなコーディネート

先に触れたBFグットリッチを履くことを想定してサイズは22インチにとどめ、色味もグロスブラックで落とし込む。このシックなコーディネートを成立させたのはTHX&COだ。肉厚なLT285/55R22を収めるため、フロントにはオールグラウンド製スプリングを投入した。クリアランスを稼ぎながら、前下がり傾向にある純正のセッティングを水平に導くためだ。ホイールを含めて絶対的な安心感を持つ足もとを武器に、ドロップラックスのルーフラックを背負い、アウトドアの可能性を広げてもいる。これらのコーディネートによってHFX-2はより輝きを増す。

もともとヴォッセは、レクサスやインフィニティ、ホンダなどJDM勢からの支持を受けて、その名を世界へ広げた。そう考えれば、このGX550との組み合わせは、寄せては返す波のような原点回帰である。しかし、その波は昔とは比べものにならないくらい大きくなり、これからも世界中を飲み込もうとしている。海岸で砂を纏ったHFX-2は、過酷な環境すら美しさへと昇華するヴォッセの矜持を、静かに訴えかけていた。

REPORT/中三川大地(Daichi NAKAMIGAWA)
PHOTO/山本佳吾(Keigo YAMAMOTO)
MAGAZINE/GENROQ 2026年9月号

【PRICE LIST】
●完成品
17~24インチ:13万2000円~22万5500円

●オーダー品
19~24インチ:15万4000円~24万7500円

※別途、グローバルコストサーチャージが必要となります。

【問い合わせ】
VOSSEN WHEELS JAPAN(モンデラジャパン)
TEL 053-523-6388
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【取材協力】
THX&CO
TEL 076-255-0719
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