Ferrari 499P

レースをリードしていたトヨタにトラブル

レース残り10分の段階で首位を走行していたトヨタTR010 ハイブリッド7号車にトラブル。フェラーリ 499P 50号車 が勝利を手にした。
レース残り10分の段階で首位を走行していたトヨタTR010 ハイブリッド7号車にトラブル。フェラーリ 499P 50号車が勝利を手にした。

米国テキサス州オースティンのサーキット・オブ・ジ・アメリカズを舞台に、9月5〜6日にかけてWEC第5戦ローン・スター・ル・マンが開催された。「フェラーリ 499P」がサーキット・オブ・ジ・アメリカズとの相性の良さを証明し、フォコ、モリーナ、ニールセンがドライブする50号車が、フェラーリ勢今シーズン初のトップフィニッシュを果たした。

50号車はレースを通じて上位を走行し続け、レース残り10分の段階でトップを走行していた「トヨタTR010 ハイブリッド」7号車(マイク・コンウェイ、小林可夢偉、ニック・デ・フリース)がテクニカルトラブルによってリタイアしたことで、トップに立つと、そのまま勝利を手にしている。

2位には「キャデラック・Vシリーズ.R」38号車(アール・バンバー、セバスチャン・ボーデ、ジャック・エイトケン)、3位には「アルピーヌ A424」35号車(アントニオ・フェリックス・ダ・コスタ、シャルル・ミレッシ、フェルディナント・ハプスブルク)が入っている。

フェラーリの耐久レース部門を率いるアントネッロ・コレッタは、シーズン初勝利を受けて次のように喜びを語った。

「ドラマが相次ぐ、非常に波乱に満ちたレースを終え、今シーズン初勝利を手にすることができました。最初の3時間は、499P 51号車が優勝圏内にあるように思えました。残念ながら、ピットストップを終えてコースに復帰する際にトラブルが発生し、そこからのレースは非常に難しい展開となりました」

「今回は少しばかりの幸運にも助けられました。50号車に対してわずかなリードしかなかったとはいえ、トヨタが優勝をほぼ手中に収めていましたから。最終的には、これまで常に我々が主役を演じてきたこのサーキットで、素晴らしい結果を手にすることができました。我々はこの結果に満足すべきでしょう。チームが決して諦めず、常に可能な限り最高の結果を持ち帰ろうと努力していることの証明です」

同タイムながらも51号車がポールポジションを獲得

499P 50号車のジョビナッツィが、キャデラックの38号車のエイトケンと同じトップタイムをマーク。先に記録した51号車がポールポジションを手にした。
499P 50号車のジョビナッツィが、キャデラックの38号車と同じトップタイムをマーク。先に記録した51号車がポールポジションを手にした。

9月5日に行われた予選は、空に雲ひとつなく、気温、路面温度ともに絶好のコンディションのもとで行われた。フェラーリ 499P 50号車をドライブするニールセンが1分52秒020を記録し、トップタイムをマーク。チームメイトの51号車(アレッサンドロ・ピエール・グイディ、ジェームス・カラド、アントニオ・ジョヴィナッツィ)はジョビナッツィがアタックを担当し、ニールセンからわずか0秒085差の3番手につける。

サテライトチームのAFコルセの499P 83号車(イェ・イーフェイ、ロバート・クビサ、フィリップ・ハンソン)はクビサが1分53秒043を記録し、14番手でセッションを終えた。クビサは「それまでのセッションと比べてグリップが不足していた」と振り返り、ハイパーポールへの進出を逃した。

トップ10マシンが参加するハイパーポールは、ドラマチックな展開となり、100分の1秒単位の僅差で決着した。最初のアタックでジョビナッツィが1分52秒445を記録。これが最終的にセッションの最速タイムとなったが、その直後、キャデラックの38号車をドライブするジャック・エイトケンが、1000分の1秒まで完全に同タイムのラップを叩き出す。

この場合、先にそのタイムを記録したドライバーにグリッド上位のポジションが与えられるため、51号車がポールポジションを獲得。ポールポジションによって総合ランキングに加えられる1ポイントも、51号車のクルーに与えられた。4台のマシンがわずか0秒05差以内にひしめくなか、50号車はトップから0秒4差で、決勝は5番グリッドからスタートすることになった。

終盤にアルピーヌをオーバーテイク

フェラーリ 499P 50号車がが、WEC第5戦ローン・スター・ル・マンで勝利を飾った。
レース終盤、50号車が前を行くアルピーヌをオーバーテイク。この後、トヨタがリタイアしたことで、勝利を引き寄せた。

6日の決勝レースは、スタート直後からフェラーリAFコルセ勢が素晴らしいスピードを披露。フェラーリ 499P 51号車のジョビナッツィがスタートから2時間にわたって首位をキープした。一方、499P 50号車のモリーナはダブルスティント作戦を選び、一時トップに立った。

51号車は2回目のピットストップを行った際、トラック復帰のタイミングでトラブルが発生。大きく順位を下げてしまう。一方、50号車はいったん表彰台圏外まで順位を落としたものの、再び順位を上げて表彰台まであと一歩の位置まで浮上してみせる。

最後のバーチャルセーフティカー(VSC)が解除されると、残り45分間でレースが再開された。この時点で各車のタイム差はなくなり、50号車は3番手、51号車は13番手につける。50号車のニールセンは2番手につけていたアルピーヌ35号車をオーバーテイクすると、残り10分の段階でトヨタ8号車がトラブルからリタイア。今シーズン初勝利をフェラーリに持ち帰ることになった。

様々なトラブルやセーフティカー導入の不運にも見舞われた51号車は11位。83号車もレース序盤にいくつかの接触に見舞われ、13位で6時間のレースを終えている。待望のシーズン初勝利を手にした50号車のフォコは、次のように喜びを語った。

「今日は戦略をマネジメントするのが本当に難しいレースとなったけれども、チーム全員が素晴らしい仕事をしてくれたことで、その努力が報われました。ミゲルとニクラスにも、コース上で素晴らしいパフォーマンスを見せてくれました。彼らのおかげで素晴らしい勝利を手にすることができました」

「私自身、スタートからフィニッシュまでプッシュし続けました。途中、我々にとって本当に厳しい展開になりましたが、最後まで諦めませんでした。あらためて今回の結果を本当にうれしく思います。表彰台の最上段に戻ることを待ち続けていましたが、ついにそれを実現することができたのです」

WEC「第5戦ローン・スター・ル・マン」を動画でチェック!

フェラーリは、イタリアのモンツァ・サーキットにおいて、499P改良型のテストを実施した。

「来年を見据えて」WECで今シーズン未勝利「フェラーリ499P」がモンツァで改良型のテストを実施

世界耐久選手権(WEC)にワークス参戦するフェラーリは、イタリアのモンツァ・サーキットにおいて、改良型「499P」のテストを実施した。カモフラージュ偽装が施された499Pは、ワークスドライバーによって精力的に周回を重ねている。