Audi Q7 /SQ7
モデル末期の2代目アウディQ7

2005年にデビューを果たした初代「アウディ Q7」は、「フォルクスワーゲン トゥアレグ」「ポルシェ カイエン」とプラットフォームを共有しながら、3mのロングホイールベース化により3列シートSUVとして誕生した。数多くのSUVをラインナップするアウディの中でもブランド初となるプレミアムSUVだ。
日本における現行型は、2016年3月発売の2代目で、すでに10年が経過している。先述したように、3代目の新型は2026年6月にワールドプレミアされていて、日本導入は2027年前半にも導入されるという見通しが多いようだ。
2024年10月のマイナーチェンジでどう変わった?

日本では、2024年10月にマイナーチェンジを受け、新デザインのシングルフレームグリルが目を惹く最新のデザイン言語に基づき、外観がリフレッシュされた。技術面では、アウディが積極的に採用している最新のライティングシステムを用意。HDマトリクスLEDヘッドライトが採用され、オプションでレーザーハイビーム、4タイプから選択できるデジタルデイタイムランニングライトを設定。リヤにも、デジタルOLEDリヤライト、4種類のライトデザインが用意されている。

加えて、Q7にオプション、SQ7に標準のオールホイールステアリング(AWS)により、低速域で後輪を前輪とは逆方向(逆位相)に最大5°切ることで最小回転半径が5.7mから5.3mまで0.4m小さくなる。高速域では後輪を前輪と同方向(同位相)になるため、快適性と車線変更時の安定性が向上する。全長5070×全幅1970×全高1700〜1735mmという巨体だが、この4輪操舵システムにより取り回し性と操縦安定性が高まることになる。
パワートレインとグレードラインナップ

パワートレインは、3.0リッターV6ディーゼルターボの「50 TDI(272PS)」、3.0リッターV6ガソリンターボと48Vマイルドハイブリッドの「55 TFSI(340PS)」、4.0リッターV8ツインターボの「SQ7(507PS)」を設定。全車にトルコン付ATの8速ティプトロニック、フルタイム4WDの「quattro」が組み合わされている。
2026年9月中旬時点のグレード展開は(主要諸元表による)、1083万円の「50 TDI quattro」、1116万円の「50 TDI quattroエアサスペンション装着車」、1139万円の「50 TDI quattro S line」、1158万円の「55 TFSI quattro S line(以下、55 TFSI)」、1518万円の「SQ7」となっている。
差額360万円の「55 TFSI quattro S line」と「SQ7」をチェック

迷いそうな2択はいくつかありそうだが、ここでは1158万円の55 TFSIと1518万円のSQ7を比べてみた。差額は360万円と大きいが、パワートレインと装備差で“元が取れるのか”が気になるところだ。
装備差の前に、当然ながらエンジンと動力性能が大きく異なる。55 TFSIは3.0リッターV6ガソリンターボを積み、最高出力250kW(340PS)、最大トルク500Nmを発揮する。0-100km/h加速は5.6秒でクリアする。4.0リッターV8ガソリンターボを搭載するSQ7は、最高出力373kW(507PS)、最大トルク770Nmに達する。0-100km/h加速は、4.1秒でスポーツカー顔負けのスペックだ。なお、最高速は両モデルともに250km/hで制限される。
車両重量は前者が2220kg、後者が2310kgと90kgの差がある。しかしSQ7の加速フィールは巨体をモノともしない圧巻のレベルであり、285/40R21タイヤ(55 TFSI quattro S lineは、285/45R20)とSアダプティブエアサスペンションによるスポーティで引き締まった乗り味もSQ7の特徴だ。フルサイズ級SUVであっても速さにいっさいの妥協はしたくないのであれば、SQ7一択だろう。
ライティングシステムもSQ7は最先端技術を搭載

エクステリアを見比べてみると、SQ7にはHDマトリクスLED、ダイナミックターンインディケーター、高速走行時に照射範囲を大幅に広げるレーザー照射機能付アウディレーザーライトと、最新のライティングシステムが標準装備されている(55 TFSIはオプション込み)。

そのほか、Sモデル伝統のアルミニウム調ミラーであるエクステリアミラーハウジング アルミニウムルック、Audi Sport専用意匠の5ツインスポークデザインの21インチアルミホイールもSQ7専用(55 TFSIは、20インチアルミホイールの5スポークタービンデザイン)となる。
インテリアは選択できるオプションも異なる

インテリアは、両モデルともにフロントにスポーツシートが標準装備。ただし、SQ7のシート表皮は、ダイナミカ/レザー(Sロゴ付)で、55 TFSIは、バルコナレザー(S lineロゴ付)になる。
SQ7には、Sスポーツシート(フロント)、バルコナレザー Sロゴ、シートベンチレーション マッサージ機能(フロント)、ローワーインテリアエレメンツ アーティフィシャルレザーのレザーシートパッケージが64万円でオプション設定されている。
55 TFSIには、Sスポーツシート(フロント)、バルコナレザー Sロゴ、シートベンチレーション マッサージ機能(フロント)、ローワーインテリアエレメンツ アーティフィシャルレザーのレザーシートパッケージが51万円で設定されている。

また、デコラティブパネルは、標準はどちらもレーシーなアルミパネルになるが、SQ7のみリアルカーボン(カーボンツイルマット)への変更も可能。メーター表示もSQ7は、バーチャルコックピットプラスになり、タコメーターを中央に配したSモデル専用のスポーティなグラフィック表示が追加される。スピーカーシステムも異なる。SQ7は、19スピーカーのBang & Olufsen 3Dサウンドシステムが標準で、55 TFSIは10スピーカーのアウディサウンドシステムが標準になる。
先進安全装備やセキュリティシステムの差は?

先進安全装備はほぼ同等だが、SQ7には車線維持機能と全車速追従式アダプティブクルーズコントロール(ACC)に加え、ドライバーの無反応時(急病など)に車両を安全に減速、停止させるエマージェンシーアシストも付く。そのほか、SQ7にはイモビライザーに加え、盗難警報装置とデッドロック機能付アドバンストキーも備わる。デッドロック機能とは、施錠時に車内側からドアロックを解除してドアを開けることをできなくすることで、不正侵入や盗難への対策を強化する機能。

パワートレインや装備を比べてみると、360万円の差額には説得力もあるが、SQ7の圧倒的な動力性能も含めて、当然ながら本当に必要なのか考えるのが肝要だろう。ちなみに360万円といえば「アウディA1 Sportback 25 TFSI advanced」の車両本体価格とぴったり同額だ。維持費は別にして、55 TFSI quattro S lineとA1 Sportback 25 TFSI advancedの2台持ちをする手もアリ!?かもしれない。

