第1位「速度違反(40キロ未満)」22万4397件
今回紹介するのは、警察庁が発表した「令和7年(2025年)中の交通違反の取り締まり状況等について」という資料にあるデータだ。
それによると、2輪車、4輪車を問わず、2025年の1年間に、高速道路で実施された道路交通法違反の取締り件数は全体で32万7676件(二輪車に関連のないシートベルト装着義務9万5278件・チャイルドシート装着2675件を除く)。前年比で2万9165件の減少(-8.2%)だが、それでも1日で約897件の交通取締りが行われたことになる。

そして、なかでも、検挙数が22万4397件(全体の68.5%)で最多だった違反が、40キロ未満の「速度違反」だ。捕まった場合の罰則は以下の通りだ。
【速度超過(40キロ未満)の罰則(二輪車・高速道路の場合)】
・超過速度15km未満→反則金:7000円、違反点数:1点
・超過速度15km以上20km未満→反則金:9000円、違反点数:1点
・超過速度20km以上25未満→反則金:1万2000円、違反点数:2点
・超過速度25km以上30km未満→反則金:1万5000円、違反点数:3点
・超過速度30km以上35km未満→反則金:2万円、違反点数:3点
・超過速度35km以上40km未満→反則金:3万円、違反点数:3点
高速道路の速度違反は、法定速度100km/h(80km/hや120km/hなどの場所もある)を超えて捕まるケースだが、40キロ未満の超過は、つい「うっかりスピードを出しすぎた」といった場合も多い。高速道路では、スピード違反の取り締まりはかなり多いので、走行する際は十分に注意が必要だ。
第2位「通行帯違反」4万411件
高速道路の交通取締り件数のワースト2位は、検挙数4万411件(全体の12.3%)で「通行帯違反」がランクインした。
この違反で捕まることの多いのが、一番右側の車線をずっと走り続けていることだ。高速道路の一番右側の車線は、いわゆる「追い越し車線」。基本的に前を走る車両を追い越すために使うものだ。前車の追い越しを終えたら、すみやかに左側の走行車線に戻るルールとなっている。右の車線を延々と走り続けるのは交通違反に該当するのだ。
ただし、具体的に追い越し車線を何km以上走行すると違反になるという法律上の規定はない。そのため、検挙するか否かは取り締まる警察官の判断次第のようだが、一般的には2kmを目安にすることも多いといわれている。
なお、こうしたケースで捕まった場合は、車両通行帯違反となり罰則は以下の通りだ。
【車両通行帯違反の罰則(二輪車の場合)】
・反則金:6000円
・違反点数:1点

第3位「携帯電話使用等」2万2432件
これは、いわゆる「ながらスマホ」、運転中にスマートフォンや携帯電話などを手に持って通話したり、画面を注視・操作したりする交通違反だ。2025年には2万2432件(全体の6.8%)もの取り締まりが行われ第3位となった。
最近は、バイクでも、スマートフォンをスマホホルダーに固定してナビアプリなどを使うライダーが多いが、ホルダーに固定していても走行中の注視や操作は違反だ。もし検挙されると以下の罰則を科せられる。
【携帯電話使用等の罰則(二輪車の場合)】
・携帯電話使用等(保持):反則金1万5000円、違反点数3点
・携帯電話使用等(交通の危険):1年以下の拘禁刑または30万円以下の罰金、反則点数6点(一発免停)
上記のうち、「交通の危険」とは、携帯電話の使用などによって交通の危険を生じさせた場合を指す。たとえば、走行中にスマートフォンの画面を注視して前方の渋滞に気づかず、前車に追突するケースや、スマートフォンを操作しながら走行して車線を逸脱し、ほかの車両と衝突するケースなどが考えられる。
いわゆる反則金はなく、刑事罰(1年以下の拘禁刑または30万円以下の罰金)を科せられる。また、違反点数は6点で、前歴がなくても即座に免許停止処分だ。

ちなみに、通話に関しては、バイクの場合、インカムやイヤホンなどによるハンズフリー通話を行っていれば直ちに違反にはならない。ただし、周囲の音が聞こえなくなるほどの音量や注意力散漫な状態は「安全運転義務違反」などに問われる可能性もあるので注意したい。
【安全運転義務違反の罰則(二輪車の場合)】
・反則金:7000円
・違反点数:1点
第4位「速度違反(40キロ以上)」1万4619件
ワースト4位は、40キロ以上の速度違反で、2025年には1万4619件(全体の4.5%)の検挙数があった。
この場合、たとえば、法定速度100キロの高速道路であれば、140キロ以上というかなりの速度超過で走行したことになり、罰則は以下の通りとなる。
【速度超過(40キロ以上)の罰則(二輪車・高速道路の場合)】
・赤キップ(刑事罰の対象):6ヵ月以下の拘禁刑または10万円以下の罰金
・違反点数:50km/h未満6点・50km/h以上12点
高速道路の場合、40km/hオーバーで取締りを受けると、赤キップ(告知書の色が赤い)で一発免停(免許停止処分)というかなり重い罰則が科せられる(一般道では30km/h以上で赤キップ)。違反点数は、40km以上50km未満の速度超過で6点、50km以上の速度超過は12点。前歴がなくても6点で免停30日、12点では90日の免停だ。
また、この場合、反則金はない。これは刑事上の責任が問われるためだ。そのため、処罰はより重く、裁判を受けて、その結果によって罰金刑(場合によっては拘禁刑)を科せられる。この場合は「6ヵ月以下の拘禁刑または10万円以下の罰金」だ。

第5位:「故障表示」3716件
3716件(全体の1.1%)でワースト5位に入ったのは、「故障表示」(故障車両表示義務」違反だ。
これは、高速道路などを走行中に、事故や故障、ガス欠などのトラブルにより、路側帯にやむを得ず停車する場合に、必ず義務付けられている「三角停止板」の表示を怠った違反だ。
三角停止板は、四輪車の場合、トラブル時などで路側帯などに停止するときには表示が法的義務となっている。また、車両に積載することも義務付けされている。
一方、二輪車の場合も、実は、高速道路上で緊急停止などをする際は、表示することが法律上の義務となっている。そのため、停車中にもし設置していないとこの違反に該当することになる。罰則は以下の通りだ。
【故障車両表示義務違反の罰則(二輪車の場合)】
・反則金:二輪車6000円
・違反点数:1点
なお、二輪車の場合、表示義務は高速道路や自動車専用道路のみなので、一般道では不要だ。また、三角停止板を常に携帯する必要もない。あくまで、緊急停車時に必要なものなので、ツーリングなどで高速道路を走る予定があるときに携帯すればいいことになる。
三角停止板は、四輪車用だと大きくて、二輪車だと積載しづらい。そのため、最近は二輪車専用のコンパクトなタイプも一部のメーカーで販売されているので、そういったものを使うのも手だ。

ともあれ、高速道路での交通違反は、いずれも重大事故につながるリスクが高い行為だといえる。検挙の有無にかかわらず、日頃からルールを意識し、安全運転を徹底することが重要ではないだろうか。
