いすゞ自動車は2026年9月28日、中型観光バス『ガーラミオ』を一部改良し、同日から販売を開始した。今回の改良で最大のポイントとなるのが、6速ATの採用だ。
観光バスは一般的な乗用車とは異なり、車体が大きく、多数の乗客を乗せて走行するため、ドライバーには高度な運転操作が求められる。今回のガーラミオでは6速ATを採用することで運転操作性を高め、ドライバーの負担軽減を図っている。
特にATのクリープを活用できることが特徴で、バックでの駐車や渋滞路など、発進と停止を繰り返す状況では、アクセルを操作せずブレーキ操作だけで微速走行が可能となった。大型の車体を細かく動かす必要がある観光バスでは、こうした操作性の向上がドライバーの負担軽減につながる。また、変速操作が自動化されることで、乗客にとってもより快適な乗り心地を実現するとしている。
安全面でも新たな機能が盛り込まれた。そのひとつが“扉連動自動ニュートラルシステム”だ。乗客が乗り降りする際にドアを開けると、シフトレバーを操作しなくても自動的にギヤがニュートラルへ切り替わり、動力の伝達を遮断、同時にブレーキも保持して乗降中の誤発進を防止する。
さらに、パーキングブレーキをかけないまま運転席のシートベルトを外した場合には、警報音でドライバーに注意を促す“パーキングブレーキ引き忘れ警報”も新たに採用。観光バスならではの乗降時の安全性にも配慮した改良となっている。
燃費性能についても手が入れられている。アイドリングストップシステムを標準装備とし、燃費性能の向上がはかられている。観光バスは市街地での停車や信号待ちなど、アイドリング状態になる場面も多いため、こうした機能によって環境性能の向上を狙っている。
ドライバーが長時間運転することを考慮し、運転席も新設計。運転姿勢を保ちやすくするとともに、身体の左右をしっかり支えられるよう各部を見直し、操作性や座り心地を向上。さらに、シートと連動して移動するシート付インナーシートベルトを採用することで、シートポジションにかかわらずベルトのフィット性も高めている。
観光バス業界ではドライバーの負担軽減や安全運行が重要な課題となるなか、今回のガーラミオは日々の運行でドライバーが感じる負担を減らす方向へ改良されたモデルとなっている。乗客を運ぶ“移動手段”としてだけでなく、運行する側の使いやすさまで考えた中型観光バスへ進化したといえそうだ。
車両概要(代表車型)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 車名 | ガーラミオ |
| 届出型式 | 2WG-RR2AJDJ |
| 車型名称 | RR2AJDP-EXUDAPC-JF |
| 仕様 | M-I、段上床、折扉、9列 |
| エンジン | A05C〈A5-Ⅷ〉 |
| 最高出力 | 162kW(220PS) |
| トランスミッション | 6速AT |
| 乗車定員 | 45人 |
| 価格 | 2420万円(税込) |
上記の車両諸元・価格は、いすゞ自動車が2026年9月28日に公表した公式リリースに基づいています。
