危険な場所への侵入を避けることが命を守る第一歩

冠水した道路
運転中に大雨特別警報が発令されたときにはすでに深刻な状況になっていることを念頭におくべき。

2026年の夏は「令和8年8月千葉豪雨」をはじめとした大雨被害が多発し、なかにはレベル5 大雨特別警報が発令された地域も少なくなかった。

大雨特別警報が発令される状況は、すでに深刻な災害が起きているか、まさに起ころうとしている段階であるため、通常の運転判断では対応しきれない危険が道路上に生じている可能性がある。

冠水した道路
大雨特別警報発令時はすでに河川は氾濫し、危機的な状況が迫ってしまっている。

そこで知っておきたいのが、警視庁が示すレベル5発令時の具体的な行動要領である。

警視庁によれば、そもそもレベル5大雨特別警報は「安全な避難ができず命が危険な状況」であることを示すものであり、むやみに移動せず現在地より安全な場所へ移動することが求められるという。

くわえて、河川や用水路、冠水箇所には近づかないことも明記されている。

とくにアンダーパスや河川沿い、低い土地といった場所は、短時間で急激に道路冠水するリスクが高いとされるほか、視界不良にくわえて道路の冠水がみられる場所では先の状況が把握できないまま無理に進入してしまうと、身動きが取れなくなるおそれもある。

大雨の後
雨が弱まり、警報が解除された場合には速やかに命を守るために避難を行うべきだ。

したがって、少しでも危険を感じる場所には近づかず、迂回するかその場に留まって安全を確認する判断が欠かせない。

また、区市町村が警戒レベル4の避難指示を発令した際にはその時点までに必ず避難を完了させておくことも重要なポイントとして示されている。

浸水した道路の走行は危険!垂直避難と早期の備えが命を守る

緊急脱出用ハンマー
最悪の場合にはドアが開かなくなってしまう場合もあるため、そのときには緊急脱出用のハンマーを使用するべき。

では、実際に浸水がみられる道路に差しかかってしまった場合、どのように対応すればよいのだろうか。

警視庁によれば、わずか30センチメートル程度の浸水であっても、車が走行不能になる場合があり、もしも浸水した道路を走行してしまうとエンジンが停止するだけでなく、水圧の影響でドアが開かなくなることもあるとされている。

そのため、浸水した道路での車移動は避け、むやみな運転を控えることが求められる。

もし運転中に周囲の状況が悪化し安全な場所への移動が困難だと判断した場合は、車を離れて高台や浸水リスクのない建物の2階以上へ垂直避難することが望ましいといえそうだ。

くわえて、万が一車両が水没してドアが開かなくなる事態に備えて、脱出用ハンマーを車内のすぐ使える位置に常備しておくことも有効な対策とされている。

脱出用ハンマーはいざというときに手が届かない場所に置いていては意味がないため、日頃から配置場所を確認しておくことが大切だ。

避難
特別警報が出るときには、すでに安全な場所に避難していることが最も重要である。

なお、もっとも重要なのは、特別警報が発令される前の段階で早めに避難行動を取っておくことである。

このように、レベル5大雨特別警報は命に関わる切迫した状況を示すものであり、運転中であっても冷静な判断と早期避難の意識が欠かせないため、危険な場所への侵入は避け、浸水時は車を離れる判断を持つことを日頃から心がけるべきだろう。