車両価格や搭載スペースを考えれば、登録車向けe:HEVをそのまま持ち込むのは困難か?

軽自動車のフルモデルチェンジでは、世代交代を機にデザインを大きく変えるケースも珍しくない。しかし、ホンダ「N-ONE」は、その常識があまり当てはまらないクルマである。

ホンダ N-ONE

2012年に登場した初代は、丸型ヘッドライトとスクエアなフォルムを特徴とし、ホンダ初の量産軽乗用車「N360」から続くデザイン思想を現代的に表現したモデルだった。

ホンダ N-ONE 次期型 予想CG

2020年11月に登場した現行2代目もフルモデルチェンジでありながら、外観は初代のイメージを色濃く継承した。ホンダ自身も開発時に「あえて外観を変えない」ことにこだわり、「丸・四角・台形」を基本とするタイムレスなデザインを磨き上げている。現時点で次期N-ONEについて正式発表はないが、現行型が2020年登場であることを考えると、2028年前後に世代交代すれば約8年ぶりの全面刷新となる。

今回、入手した情報をもとに制作した予想CGでも、N-ONEらしさを残すことを前提とした。丸型LEDヘッドライトやボクシーなシルエットは維持しながら、フロントマスクやフェンダーまわりを刷新。ひと目でN-ONEと分かるスタイルを崩さず、新世代モデルらしい表情を加えている。

こうした「変えない進化」は、電動化モデルにも受け継がれている。2025年9月に発売された軽乗用EV「N-ONE e:」も、N360から続く親しみやすいデザインやM・M思想を継承し、一充電走行距離はWLTCモード295kmを実現した。

さらに2026年5月には、N-ONE e:をベースとする小型EV「Super-ONE」も発売。こちらは全幅を拡大して軽自動車規格を超えたAセグメントモデルで、専用の「BOOSTモード」や仮想有段シフト制御などを採用し、EVでありながら走りの楽しさを前面に押し出している。

となると、次期N-ONEでむしろ気になるのはエンジン車の行方だ。現在は自然吸気エンジンとターボエンジンを設定する一方、電動モデルとしてN-ONE e:も存在する。次期型のパワートレーンについて公式情報はなく、軽自動車へのe:HEV搭載も発表されていない。車両価格や搭載スペースを考えれば、登録車向けe:HEVをそのまま持ち込むのも簡単ではない。ガソリンエンジンを継続して効率を高めるのか、それともN-ONE e:を含めて商品体系そのものを見直すのかが焦点となる。

もうひとつ注目したいのが「RS」である。現行N-ONE RSは2025年11月の商品改良で6速MT専用グレードとなった。電動化が進むなか、あえてCVTをなくして6速MTに一本化したことは、「操る楽しさ」というRSのキャラクターをより明確にした変更といえる。一方、Super-ONEではEVならではの方法でドライビングの楽しさを追求している。次期型でも6速MTのRSが残るのか、それとも電動スポーツとの役割分担が進むのかは大きな見どころだ。

装備面では、現行N-ONEが2025年11月の商品改良で前方パーキングセンサーと7インチTFT液晶メーターを全グレードに標準装備した。次期型ではHonda SENSINGを中心とした安全運転支援機能やコネクテッド機能の進化も予想される。ただし、装備を増やしすぎればN-ONEが持つシンプルさや価格とのバランスが崩れる。N-BOXとは異なる立ち位置を考えても、豪華さを競うより、必要な装備を押さえながら軽さや運転の楽しさを磨く方がN-ONEには似合う。

2028年前後にフルモデルチェンジが実現すれば、現行型から約8年ぶりの世代交代となる。丸型ヘッドライトやスクエアなフォルムは変えず、中身を大きく進化させる…。

初代から現行型、N-ONE e:まで続いてきた流れを考えれば、次期型もその考え方を踏襲する可能性は高い。むしろ注目したいのは、6速MTのRSを残すのか、ガソリン車とN-ONE e:をどう棲み分けるのかという商品構成の方である。