今回の『全日本模型ホビーショー』でも様々な新製品や開発中の製品がお目見えしたが、中には「え、こんな物が…」と唖然とさせられるアイテムも少なくない。そんなマニアックなアイテムをセレクトしてお届けしよう。
■前代未聞のデフの模型! / タミヤ 楽しい工作シリーズ(ユニット) No.272デファレンシャルギヤユニット

プラモデルやRC、ミニ四駆でおなじみのタミヤだが、実はもう一つベストセラー・シリーズがある。それが『楽しい工作シリーズ』だ。学生の夏休みの工作に重宝するのはもちろん、3年ほど前に同シリーズの『歩いて泳ぐアヒル工作セット』を応用して缶ビールを冷やす方法がネットで紹介がされるや大人にも人気になるなど、地味ながらも息が長いシリーズだ。
その『楽しい工作シリーズ』から2026年12月に発売予定の新製品として発表されたのが『デファレンシャルギヤユニット』。価格は990円(本体価格900円)。

カーマニアには今さら説明する必要は無いだろうが、デファレンシャルギヤとは、カーブを曲がる際に内側と外側のタイヤで生じる回転速度の違いを調整するためのギヤ。一般に「デフ」と略されて呼ばれる。『デファレンシャルギヤユニット』は、そのデファレンシャルギヤの仕組みを、組み立てながら体感できる工作用ユニットだ。RCカー用の組み込み部品ではなく、れっきとした一個の商品だ。おそらく「デファレンシャルギヤの模型」は前代未聞だろう。
本製品では、内部に組み込まれたベベルギヤの動きを確認できるよう、ケースを透明にしているのが特徴。入力軸を回転させると左右の出力軸が同じ方向に回転し、さらに片側の出力軸を止めると、反対側の出力軸のスピードが上がるというデファレンシャルギヤ特有の動きを目で確認できる。

左右のタイヤにパワーを伝えるのは金属製の3mm六角シャフト。内部ギヤには低摩擦樹脂が採用され、六角シャフト50mmが3本、ビス類、グリスなどもセットされている。入力側と出力側のギヤ比は3.17:1だ。同シリーズの『4輪駆動車工作基本セット』や『ミニモーター多段ギヤボックス(12速)』などと組み合わせて模型自動車工作に応用できる。
デファレンシャルギヤは今ひとつ動きが理解し難い自動車部品だけに、こういう製品は教育現場でも役立つのではないだろうか。
■激レア韓国車が登場! / アカデミー 1/24 ポニーⅡ ピックアップ

このところ世界的に存在感を増しつつある韓国の模型メーカー、アカデミー。その日本輸入販売代理店であるインターアライドのブースに展示されていたのが、『1/24 ポニーⅡ ピックアップ』(発売時期未定・予価5940円/税込)だ。

1967年に設立された韓国のヒョンデ・モーター(現代自動車)は、当初フォード・コルティナのノックダウン生産をしていたメーカーだが、初めて独自モデルの開発・生産に乗り出したのが1975年のポニーだ。これは韓国にとって初の国産車でもあった。これもまたマニアには有名な話だが、ポニーは日本の三菱自動車の技術協力とノウハウ提供によってできたクルマで、初代ランサーを基にしていた。ポニーⅡは1982年に登場した2代目モデルだが、正直なところモデルチェンジと言うよりフェイスリフト版。そのピックアップトラック・バージョンが、このポニーⅡ ピックアップである。
アカデミーにとっては自国のクルマということで、現在までに1975年の初代ポニーをはじめ、2022年に登場した大型セダンのグレンジャーの7代目モデル(GN7型)、2023年に登場したSUVのサンタフェの5代目モデル(MX5型)などがカーモデルとしてラインアップされている。中でもグレンジャーやサンタフェは接着剤を使用せず組み立てられ、複数の成型色で構成されているため塗装もほぼ不要なMCP(マルチカラーパーツ)モデルだ。ちなみにこれらのアカデミーの韓国車のキットはアマゾンやインターアライドの通販サイト(https://shopping-interallied.com/)でも購入可能だ。
日本では珍しい韓国車、なおかつピックアップトラックというのはマニアックにも程があるキットと言えるだろう。
■超リアルな“普通の人”でミニカーが実車化! / takeda 高詳細フルカラー 3Dプリント フィギュアシリーズ

最近では模型業界でも当然となった感のある3Dスキャナーや3Dプリンター。その利用の究極とも言えるのが、takeda(タケダ)の『高詳細フルカラー 3Dプリント フィギュアシリーズ』だ。
実在の人物データを3Dスキャナーで取り込み、高詳細フルカラー3Dプリンターで製作されたフィギュアだ。実在の人物をそのままデータ化しているので、今までに見たことのないほどリアルなフィギュアとなっており、ミニカーの横に置くだけで、アッという間に実車と見紛うものとなる。
基本的には建築模型や鉄道模型の標準的なスケールで展開しているが、『トミカ』などのミニカーで標準となっている1/64スケール版もいくつかリリースされている。『ビジネスマン』『女性カジュアル』『男性カジュアル』など一般人のフィギュアは各3体セットで2420円(税込)、『レースアンバサダー』シリーズは3種類、各3体セットで2860円(税込)。一般人の立ち姿の『ジオラマ人形 3Dカラー 10Aセット』および着座姿勢の『座った人』は各10体セットで各4730円(税込)となっている。

また、takedaでは、ミニカーの国際標準サイズである1/43スケールの製品も作りたいとの意向を持っており、ブースで試作品を展示していた。同社によれば、どんなスケールのフィギュアでも製造可能だが「少量生産なのでニーズ次第」とのこと。また、ハンドメイドに近い製造工程のため必然的に売価設定が比較的高価になってしまうので、その面でも悩んでいるという。
また、同社では、イラストレーター・W2 STUDIO☆わたりともゆき氏のペーパークラフト作品を一般販売化した『ペーパークラフトジオラマ SCALE 1/64』をリリース。組み立て簡単でミニカー映えするディスプレイだ。全3種各1100円(税込)となっている。
■どこまで小さくするの? / APECAR 1/43 ミニRCドリフトカー

オヤジ世代が子どもの頃に比べれば、トイラジコンまで裾野を広げれば、RCカーは金額的にも身近なものになっているが、やはり残る最大の問題はスペースだろう。1/10や1/12スケールといった標準的な電動RCカーで十分に遊ぶためには、やはりそれなりの広さの場所が必要となる。
その解決策の一つとして「RCカーを小さくする」というアイデアがある。しかし、車体を小さくすればメカニズムを搭載するスペースが削られ、また、メカニズムも簡略化したものにならざるを得ない。ゆえに小さくて本格的なRCカーの実現は難しいというのが従来の常識だった。だが、現代では、技術の大幅な進化により、「小さくて本格的なRCカー」は実現不可能なものではなくなっている。ハイテックマルチプレックスジャパンが輸入販売を行なうAPECARの『1/43 ミニRCドリフトカー』シリーズがその一つだ。

ミニカーの国際標準スケールとして知られる1/43スケールという小さな車体でありながら、本格的なRCメカニズムを搭載。スロットル/ステアリングのフルプロポーショナルが繊細な操作にも正確に反応し、室内でも思い通りのドライビングが可能。4WD駆動が生む高いトラクションにより狭いスペースでもスピンしにくく、驚くほどスムーズで綺麗なドリフト走行が可能だ。また、車体姿勢を自動補正するジャイロを搭載し、低速から高速まで安定してカウンターを維持できる高いドリフト制御性能を誇る。さらにLEDライトが装備されて走行中の存在感を高め、暗所でも視認性を確保しつつスケールモデルとしてのリアリティを演出するという心憎い配慮もある。手のひらサイズでも本気のドリフト性能を誇り、圧倒的な走りを見せてくれるのだ。ちょっと気分転換に…と部屋の中で走らせても十分に満足感が得られることだろう。
まずはトヨタ公式ライセンス承認により、1/43RCカーとは思えない精密造形と特有のボリューム感を再現した『スープラ』『スープラ Valkyrie Edition』と『AE86 トレノ』が11月発売予定で予価各8690円(税込)。
だが、これだけではない。『トミカ』よりさらに小さなサイズに本格的RCメカニズムを搭載した『1/76 ターボレーシング オンロードカー』シリーズ(11月発売予定・予価2万350円/税込)や、さらに小さな『1/87 フォルクスワーゲン ビートル/バス』(発売日未定・予価各2万9700円/税込)も待機中だ。
■80年代コンセプトバイクとして見ると面白い / ハセガワ 1/12 『機甲創世記モスピーダ』 VR-052F モスピーダ “スティック”

現在、1980年代のアニメ作品の再評価ブームだそうで、1983年に放映されたSFアニメ『機甲創世記モスピーダ』の主役メカ、アーマーサイクル VR-052Fモスピーダを、実在するバイクモデルとして、バイクモデルの標準的なスケールである1/12でハセガワがモデル化したものが『1/12 『機甲創世記モスピーダ』 VR-052F モスピーダ “スティック”』(12月中旬発売予定・予価4950円/税込)だ。
「コンセプトは実在するバイクのスケールモデルを組み立てているような感覚が楽しめる構成」だそうで、架空の複合水素燃料“HBT”を用いた架空のHBT セラミック タービン・エンジン(98hp / 16000rpm)により駆動されるオートバイを、アニメのメカニックデザイナーである荒巻伸志氏の全面監修のもと、新規設定を加えて再構築。内部メカニズムに至るまでモデル化し、バイクモデルとしてのディテール表現を追求している。 有名な『AKIRA』の“金田のバイク”同様に、ある意味、「80年代のコンセプトバイク」の一つとして、“カタナ”とか“TECH21”などと目や耳にすると思わず昂ってしまうカーモデル・ファンも楽しめる1台かもしれない。














