専用設計されたTトップをはじめ、カーボン製ボディパーツ、NISMO製サスペンションなど装備
日産「フェアレディZ」に、”懐かしの“Tバールーフ”が帰ってきた。

日産は米国アリゾナ州フェニックスで開催されたZファンの祭典「ZCON 2026」で、「Nissan Z Kaze(ゼット・カゼ)Concept」を世界初公開した。日産米国法人による正式発表は9月23日。現行Zをベースに、歴代モデルへのオマージュと1990年代のチューニング文化を融合させたコンセプトカーである。

最大の特徴は、現行Zのルーフを大胆に作り替え、2枚のガラスパネルを取り外せる「Tトップ」を採用したことだ。「Kaze」の名称は日本語の「風」に由来する。
歴代フェアレディZでは、S130型やZ31型、Z32型などに「Tバールーフ」が設定され、1980~90年代のZを象徴する装備のひとつとなっていた。
Z Kazeではルーフ中央のサポート部分を残し、その左右に脱着式のガラスパネルを装着。単に既存のルーフを切り取ったショーカーではなく、現行Zでオープンエアドライブを楽しめるよう専用設計されたTトップとなっている。
1990年代の「チューニングZ」を現代に再現
Z Kazeが振り返るのは、Tバールーフだけではない。もうひとつのテーマが、1990年代のチューニング文化である。
ボディカラーには鮮やかな「パシフィック・ティール」を採用。ベンチレーションを備えた軽量カーボンファイバー製ボンネットやワイドフェンダーに加え、カーボン製エアロキットを装着し、現行Zをより低く、ワイドに見せている。
足元を飾るのは往年の「NISMO LMGT2」だ。しかも復刻品ではない。すでに生産を終えているオリジナルを探し出し、このコンセプトのためにレストアしたというこだわりようである。
LMGT2は鍛造マルチピース構造の18インチで、フロントが10インチ幅、リアが11インチ幅。1990年代のチューニングカーを知るファンにとっては、Tバールーフと並んで見逃せないアイテムだ。
インテリアにはホワイトレザーのシートとカーボンファイバーのアクセントを採用。ヘッドレストにはBose Personal Plusスピーカーを組み込み、Tトップを外した状態でも音楽を楽しめるようにしている。
GReddy製パーツでV6ツインターボも強化
Z Kazeは、見た目だけのカスタムカーではない。
3.0L V6ツインターボエンジンには、日本のチューニングブランド「GReddy」のSUPREME SPエキゾースト、フロントマウント式インタークーラー、Airinxエアフィルターを投入。サスペンションにもNISMO製パーツが使用されている。
最高出力は公表されていない。北米仕様のフェアレディZは標準モデルが400hp、NISMOが420hpを発揮するが、GReddy製パーツを投入したZ Kazeがどこまで性能を高めているのかは明らかになっていない。なお、2027年型Z NISMOには6速MTも追加されている。
「TバールーフのZ」は復活するのか?
気になるのは、Z Kazeがこの1台だけで終わるのかという点である。
日産はZ Kazeを、社内のプロダクトプランナーやデザイナーが手掛けた「パッションプロジェクト」と説明しており、現時点で市販化の予定はない。
一方、その作り込みはコンセプトカーの域を超えるほど本格的だ。専用設計されたTトップをはじめ、カーボン製ボディパーツ、NISMO製サスペンション、GReddy製エンジンパーツ、さらにはオリジナルのLMGT2まで投入されている。
日産自身も、Z Kazeを歴代Zのオープントップモデルと1990年代のチューニング文化へのオマージュと位置づけている。
現行フェアレディZに設定されているボディはクーペのみだ。だからこそ、歴代Zで人気を集めたTバールーフを現行型でここまで本格的に復活させたZ Kazeの存在は興味深い。
今のところ市販車ではないが、Zファンからどのような反応が寄せられるのか。「屋根が開くフェアレディZ」の復活を期待させる1台である。















