アウディが開発を進めているとみられる新型高性能SUV、SQ3のプロトタイプが、初めてカメラに捉えられた。2025年に欧州で発表された第3世代のQ3をベースに、最高出力333ps級の2.0L ターボエンジンを搭載する可能性が浮上している。

これまでQ3シリーズには、高性能モデルとしてRS Q3が存在したが、“S”を冠するSQ3は設定されてこなかった。今回目撃された開発車両が市販化されれば、Q3シリーズ初のSモデルとなる。

従来のRS Q3は、最高出力400psを発揮する2.5L 直列5気筒ターボエンジンを搭載した高性能SUVだった。しかし、同モデルは2024年に生産を終了。現行の第3世代Q3には、今のところ後継モデルが用意されていない。
今回のプロトタイプで注目されるのは、リヤバンパー下部に配置された左右4本出しのエキゾーストパイプだ。
従来のRS Q3が大型の楕円形テールパイプを採用していたのに対し、開発車両には現行S3と共通する丸型の4本出しマフラーが装着されている。この特徴から、RS Q3の後継ではなく、新たなSQ3として開発されている可能性が高い。
エクステリアも通常のQ3とは異なる仕上がりだ。フロントにはスポーティなパターンを採用した大型シングルフレームグリルを配置し、バンパーの開口部も強調。グロスブラックの加飾を各部に取り入れることで、高性能モデルらしい精悍な表情を演出している。
ただし、今回の開発車両は市販仕様に近い外観を備えているものの、最終的なデザインや専用装備については明らかになっていない。
パワートレインには、フォルクスワーゲングループが展開する2.0L 直列4気筒ターボエンジン、EA888型の高出力仕様が有力視されている。
同じMQB Evoプラットフォームを採用するクプラ フォーメンターには、最高出力333psを発揮する2.0L ターボが設定されている。アウディ S3やフォルクスワーゲン ゴルフRにも同系統のエンジンが搭載されており、SQ3でもこれらの技術を活用する可能性がある。
予想される最高出力は333ps前後。従来のRS Q3が発揮した400psには及ばないものの、通常のQ3を大きく上回る動力性能が期待される。
トランスミッションには7速デュアルクラッチ式ATを組み合わせ、駆動方式はquattro四輪駆動システムを採用する見通しだ。
さらに、左右後輪への駆動力配分を積極的に制御するトルクベクタリング機構や、ドリフトモードの採用も予想されている。ただし、これらの装備については現段階で確認されていない。
動力性能については、0-100km/h加速4.8秒前後という予測もある。これは同系統のパワートレインを搭載するフォーメンターの性能を参考にした数値で、正式な目標値ではない。
ライバルとして想定されるのが、BMW X1 M35i xDriveだ。同モデルは最高出力316psを発揮する2.0L 直列4気筒ターボエンジンを搭載し、四輪駆動システムと組み合わせている。
SQ3が予想どおり333ps級のエンジンを採用すれば、出力面ではX1 M35iを上回ることになる。コンパクトSUVでありながら本格的なスポーツ性能を求めるユーザーにとって、新たな選択肢となりそうだ。
価格については正式な情報がないものの、米国市場では6万ドル(約900万円)を下回る水準になるとの予想がある。
従来のRS Q3よりも価格を抑えながら、S3に近い動力性能を備えるモデルとして位置付けられる可能性がある。
一方、気になるのはRS Q3の復活だ。
アウディは現在もRS3に2.5L 直列5気筒ターボを搭載しているが、欧州では排出ガス規制への対応が課題となっている。直列5気筒エンジンを電動化技術と組み合わせて存続させる可能性も取り沙汰されているものの、次世代RS Q3の開発について正式な発表はない。
そのため、SQ3が今後のQ3シリーズにおける最上級スポーツモデルとなる可能性も考えられる。
日本では2026年5月19日に新型Q3およびQ3スポーツバックが発売された。国内仕様には最高出力150psの1.5L ターボと、204psの2.0L ターボが設定されており、価格は550万円からとなっている。
今回のSQ3が市販化されれば、日本市場でも高性能コンパクトSUVの選択肢が広がることになる。ただし、現時点ではSQ3そのものが正式発表されておらず、日本導入の有無や発売時期も明らかになっていない。
アウディが初めて設定する可能性のあるSQ3。今後は333ps級エンジンの採用とともに、RS Q3の後継モデルが別途用意されるのかが注目される。










