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イギリスの名門バイクメーカー「ノートン(Norton)」が会社存続の危機。

  • 2020/02/02
  • MotorFan編集部 北 秀昭
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「ノートン コマンド― 961 カフェレーサー」をベースにした50周年記念モデル「50th アニバーサリーエディション」。写真はオプション装着車。

イギリスの公共放送局「BBC(英国放送協会)」を始め、複数の英国メディアが、130年以上の歴史を持つイギリスのバイクメーカー『ノートン(Norton)』が、税金滞納等により存続の危機にあると報道。ノートンは2008年、財政危機に陥ったが、見事に再建。その後も着実に業績を回復し、2019年には新工場の開設計画を発表したばかりだが……。一連の報道に加え、伝統の英国バイクメーカー「ノートン(Norton)」の人気モデルや、ヒストリーも併せてレポートします。
REPORT●北 秀昭(KITA Hideaki)

破産申告?倒産?“走る高級品”ノートンのブランドは、今後どうなる……

ノートンの各モデルは、レトロで味のある外観がポイント。写真は「50th アニバーサリーエディション」のベースモデルである「コマンド― 961 カフェレーサー」。
 イギリスの「BBC(英国放送協会)」によると、英国有数のバイクメーカー『ノートン(Norton)』が、多額の税金未払いに対する、政府の清算命令に直面していると報道された。

 ノートンでは、キャッスルドニントン工場に、約100名を雇用中。会計管理者のリー・カーサー氏は、BBCのインタビューに、「我々は、債権者の利益を保護すること。また、関係するすべての人々の苦痛を最小限にする必要がある。そのためには、迅速かつ適切な戦略を決定し、実行することが大切だ」と述べた。

 1898年、バーミンガムで設立されたノートンは、世界的にも名を馳せる、英国を代表するオートバイブランドの1つ。1902年にバイクの製造を開始し、間もなく一般公道を使った歴史ある『マン島TTレース』に参戦するようになった。

 ノートンでは、「コマンドー」「ドミネーター」など、数々の人気モデルを排出。1980年代には、英国の警察車両としても採用された。また、ジェームズ・ボンドが活躍するスパイアクション映画『007』を始め、多数の作品にも登場するなど、世界各国で愛されるブランドに成長した。

 ノートンは2008年、財政危機に陥ったが、起業家で不動産開発業者でもある、現ノートンCEOのスチュアート・ガーナー氏(※注1)によって復活。ガーナー氏は2019年5月、「弊社は着実に業績を上げており、新しい工場の建設・稼働も計画している」と述べた。

 しかし2020年1月、ガーナー氏は地元の新聞『Birmingham Live』に、「ノートンは税務当局に多額の税金を支払う義務があるがあり、これを清算しなければならない」と、ノートンの厳しい財政状況を語った。

 海外はもちろん、国内でも“高級ブランド”として知られるノートンだが、財政難に伴い、破産・倒産、最悪の場合はブランド自体が無くなる可能性もある。

 なお、2020年2月1日、イギリスは、正式にEUを離脱。国際的にも経済状況が注目される英国だが、これらも併せ、ノートンの今後の展開に注目したい。

※注1:スチュアート・ガーナー氏は2009年、米国の「ボンネヴィル・ソルトフラッツ」にて、ロータリーエンジン搭載の「NRV588」に乗り、ロータリーエンジン搭載バイクで最速180マイルの世界記録を樹立した。

別名・走る芸術品!ノートンが誇るカフェレーサー「コマンド― 961 カフェレーサー」をベースにした50周年記念モデル

ノートン コマンド― 961 カフェレーサー 50th アニバーサリーエディション(イギリス)……364万6500円

Norton Commando 961 Cafe Racer 50th Anniversary Edition(UK)

写真はオプション装着車。

☆主要スペック ※日本仕様車

【エンジン】
●エンジン形式:
EURO4 4ストロークOHV 2バルブ並列2気筒
油圧プッシュロッド式バルブアクチュエーター
ドライサンプ、 3ベアリングクランプ、 バランサーシャフト
●内径×行程 : 88mm×79mm
●排気量 : 961cc
●シリンダー数 : 2
●冷却方式 : 空冷/油冷
●最大出力 : 52.9kw / 7,500rpm
●最大トルク : 67Nm / 6,500rpm
●パワーウエイトレシオ : 0.22kw
●ガソリンタンク : 15 L
●始動方式 : セル
●サスペンション : 前後OHLINS
●ギアボックス : コンスタントメッシュ5速
●アドバンスブレーキシステム : ABS
●乾燥重量 : 236kg
●タイヤサイズ : F120/70×17インチ  R180/55×17インチ

【車体サイズ】
●全長 : 2055mm
●全幅 : 680mm
●全高 : 1125mm
●ホイールベース : 1415mm

【主な特別装備】
●50th Anniversary ディテール
●オーリンズ フロント Roadholder フォーク
●カーボンフロントフェンダー
●バーエンドミラー
●カーボンフライスクリーン
●シリアルナンバー

【特別記念付属品】
●Nortonレーシングスタンド
●ショートタイプサイレンサー(公道使用不可)
●Norton ロゴ入りバイクカバー

車両本体価格:364万6500円(税込)
英国 Norton Motorcycles 日本正規輸入総代理店 ピーシーアイ株式会社 http://www.norton-motorcycles.jp/

イギリスのバイクメーカー「ノートン(Norton)」が3分で分かる!

栄光の130年をプレイバック【ノートン・ヒストリー 】

1989年 設立。1902年にはバイクの製造に参入

 1898 年、ノートンはジェームズ・ランズダウン・ノートンによって設立。当初はバイクと自転車の部品を取り扱う会社だったが、数年後の1902年、フランスとスイスからエンジンを調達してバイクの製造に参入。1908 年には、自社製エンジンを搭載するバイクの生産をスタート。当時の単気筒サイドバルブエンジンは、1950 年代まで、バイクエンジンの主流として受け継がれていった。

1907年 マン島TTレースなどで優勝

 1907年の「第1回マン島TTレース」では、レム・フォウラーが2気筒クラスを制覇。この時から、レース界では“ノートン伝説”がスタート。その後もブルックランドを始めとする欧州各地のレースを、次々に制覇。パフォーマンスと信頼性を誇る、本格派オンロードバイクとレースバイクのメーカーとして知名度を上げた。

 1930年代半ばまで、ノートンは年間4000台近くのオンロードバイクと、レース用バイクを製造。マン島TTレースでは、通算10勝を挙げ、1930年から7年間に参戦したグランプリレースでは、92戦78勝の偉業を達成。

 第二次世界大戦中は、レースから撤退し、オンロードバイクの製造に専念。英国陸軍用バイクの1/4近く(10万台以上)を供給した。

1925年 レースに強い「フェザーベッドフレーム」を開発

 ノートンは「フェザーベッドフレーム」を開発。これは、マン島のコーナーをスムーズに曲がれるように設計された軽量で強靭なフレーム。1952年までライダーとして活躍したジェフ・デューク氏は、フェザーベッドフレーム採用車で、350cc&500ccクラスの世界タイトルを獲得。大英帝国勲章を受賞した。

 1961年に開催されたアールズコートモーターショーでは、ノートンの代名詞ともいえる人気モデル「コマンド―」を発表。このモデルは、その後、10数年に渡って製造され、累計5万台を売り上げた。

1970年 景気が後退。リーズナブルな外国車との競争が激化

 1970年代、タバコ会社のジョン・プレイヤーから援助を受けてレースに参戦。また、「ノートンガールズ」キャンペーンを展開し、「コマンド―」でも成功を収めた。

 しかし景気が後退し、価格が安くて壊れない外国車との競争が激化。ノートンを始め、イギリスのバイク産業は衰退の一途を辿り、1976 年には倒産寸前の状態に。「コマンド―」の製造も終了となった。

1992年 レース界へ復帰

 再びタバコ会社のジョン・プレイヤーの支援を受け、レース界への復帰を果たしたノートンは、1989年、スティーブ・スプレイ氏を擁して「英国スーパーバイク選手権」に参戦。オールブラックの「ノートン JPS」で見事勝利。同選手権では、1994年にも「ダッカムス・ノートン」に乗ったイアン・シンプソン氏が英国タイトルを獲得した。

 1992年には、スティーブ・ヒスロップ氏の乗るオールホワイトの「ABUS ノートン」が、日本のヤマハを破り、マン島シニアTTを制覇。マン島レースでの英国製バイクによる勝利は、ほぼ30 年ぶりとなった。

2009年 米国ボンネヴィルで世界記録を樹立

 米国の「ボンネヴィル・ソルトフラッツ」にて、ロータリーエンジン搭載の「NRV588」に乗った同社CEOのスチュアート・ガーナー氏により、ロータリーエンジン搭載バイクで最速180マイルの世界記録を樹立。

 2012年には、新型のレース用モデル「SG1」で、20年ぶりに「マン島TTレース」の本戦に復帰した。

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