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世界中のメーカーとライダーのドギモを抜いたZ1/2は、カワサキ初の4ストだった。 ナニが凄いの?カワサキZ1/2、そのキーワードは「カワサキ初の4スト」。|旧車探訪記2-1

  • 2020/05/23
  • 中村友彦
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量産初の並列4気筒車という称号はホンダCB750フォアに譲ったものの、カワサキが1967年から本格的な開発に着手し、1973年に発売を開始したZ1/2は、世界中で爆発的なヒットモデルになった。もっとも、当時のカワサキは2ストを得意とするメーカーで、4ストに関する実績はほとんどなかったのだが、同社が初めて開発した4スト並列4気筒車は、当時の大排気量車の基準を大幅に上回る、圧倒的な動力性能を備えていたのだ。

REPORT●中村友彦(NAKAMURA Tomohiko)
PHOTO●富樫秀明(TOGASHI Hideaki)
取材協力●リアライズ ☎042-686-2504 http://mytec-realize.com/

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1970年前後にカワサキが販売した3台の世界最速車

ライバルとの相違点と日本独自のナナハン規制

ライター:中村友彦

1970年前後にカワサキが販売した3台の世界最速車

 日本での知名度はさておき、現在の東南アジアやヨーロッパには、2輪の生産を開始してまだ10年に満たない、小排気量が主軸の新興メーカーが数多く存在する。もしそういったメーカーが“世界最速のバイクを作る”と宣言したら、たとえ巨大企業の一部門で資金が潤沢にあったとしても、真に受ける人はいないだろう。“その前に、まずはミドルを作れば?”、“レースでの実績がないのに、何を夢みたいなことを”などと言う人がいるかもしれない。でも今から半世紀前のカワサキは、2輪に本腰を入れ始めてまだ数年で、レースでの実績はほとんどなく、自社開発車の最大排気量は350ccだったにも関わらず、ホンダ、ヤマハ、スズキの3社と、欧米の古豪を凌駕する、世界最速車を世に送り出したのである。

ブラックにペイントされた撮影車のZ2は、リアライズの手で当時風+αと言うべきカスタムが施されている。ただし外装や4本出しマフラーはSTDで、鉄リムのスポークホイールのサイズは純正と同じF:1.85×19/R:2.15×18。フロントブレーキも純正と同じシングルディスクだが、キャリパーはトキコ→APロッキードCP2696に変更。

 1970年前後の2輪の世界では、来るべき高速化時代を見据えた、革新的なビッグバイクが続々と登場していた。具体的な車名を挙げるなら、1968年:BSA/トライアンフ・ロケットⅢ/トライデント、1969年:BMW R75/5、ホンダCB750フォア、ヤマハXS-1、1970年:MVアグスタ750S、1971年:ドゥカティ750GT、1972年:スズキGT750、モトグッツィV7スポルトなどが、当時の各社の代表作である。そしてこれらと同様の姿勢で、カワサキは2スト並列3気筒の500SSを生み出し、1969年に発売。他社より少ない排気量でありながら、CB750フォアと並んで、世界最速の称号を初めて獲得したのだ。

 もっとも、本当に驚くべきはその後だった。新時代のビッグバイク発売後は、一息ついた感があった他メーカーとは異なり、カワサキは1972年に500SSの排気量拡大版となる750SS、1973年には4スト並列4気筒のZ1/2を発売し、いずれのモデルも世界最速車、あるいは国内最速車として、爆発的な人気を獲得。言ってみれば同社は、一の矢だけではなく、二の矢と三の矢を準備していたわけである。中でも三の矢となるZ1/2は、他メーカーにとっては驚きを通り越して、唖然や愕然だったに違いない。何と言ってもそれまでのカワサキは、ヤマハやスズキと同様に2ストを得意とするメーカーで、1964年に傘下に収めたメグロから継承したW1シリーズとSG系を除けば、自社開発の4ストは無かったのだから。

Z1/2と言ったら誰もが真っ先に思いうかべるのは、このカラーリングではないだろうか。カワサキの正式名称はキャンディトーンブラウンだが、マニアの間では、火の玉カラー、ファイヤボールなどと呼ばれている。

 もちろん、カワサキが初めてゼロから手がけた4ストに対して、デビュー時には疑念を抱いた人もいただろう。ただしZ1/2が搭載するエンジンは、量産初の並列4気筒として話題を呼んだCB750フォアを、見方によっては凌駕していたのだ。と言うのも、1960年代の世界GPで数々の栄冠を獲得したRCシリーズで、4スト多気筒車のノウハウを手中にしたホンダは、量産車に並列4気筒を搭載するにあたって、乗りやすさや静粛性、生産性などを考慮して、あえてSOHCヘッド、あえてプレーンメタル支持の一体鍛造クランク、あえてチェーン式の1次減速を採用した。でも動力性能と耐久性を徹底追求したZ1/2は、コストや生産性などを度外視して、DOHCヘッド、ボール/ニードルベアリング支持の組み立て式クランク、ギア式の1次減速を導入したのである。誤解を恐れずに言うなら、Z1/2のエンジンの構造は、ホンダのRCシリーズによく似ていたのだ。

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