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ライバル勢や現行車とは一線を画する、Z1/2ならではの常用域の楽しさと守備範囲の広さ┃旧車探訪記2-2 【インプレ】40年以上が経過した旧車なのに、カワサキZ1/2は懐が深すぎる。|旧車探訪記2-2

  • 2020/05/25
  • 中村友彦
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現役時代に絶賛されたのは、圧倒的な速さだった。とはいえ、現代の視点でZ1/2に接した場合、多くのライダーが心を惹かれるのは、流麗なデザインや日常域での操る楽しさではないだろうか。もちろん誕生から40年以上が経過した旧車だから、足まわりや操作系などに物足りなさを感じる人もいるのだが、この車両にはノーマル派からカスタム派まで、さまざまなユーザーを受け入れる、守備範囲の広さが備わっていたのだ。

REPORT●中村友彦(NAKAMURA Tomohiko)
PHOTO●富樫秀明(TOGASHI Hideaki)
取材協力●リアライズ ☎042-686-2504 http://mytec-realize.com/

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ノーマル派だけではなく、カスタム好きからも支持を獲得

どんな仕様でも満喫できる、ザッパーの資質

ライディングポジション(182cm/74kg)

Z2 ディティール解説

主要諸元

ライター:中村友彦

ノーマル派だけではなく、カスタム好きからも支持を獲得

 正確な台数を数えたわけではないけれど、1996年から二輪雑誌の仕事を始めた僕が、これまでに最も多くの原稿を書いた車両は、おそらく、Z1/2を含めたカワサキZシリーズである。1996年の時点ですでに旧車だったことを考えると、これはとんでもない話だが、歴史を振り返ったり、シリーズ全体を俯瞰したり、当時のライバルとの比較を行ったり、最新カスタムを紹介したりと、この機種は話題に事欠かない。もっとも、僕と同年代の同業者が同様の経験をしているかと言うと、必ずしもそんなことはないだろう。でもZシリーズの記事に対する需要は、他の旧車とはまったく異なっているのだ。

 いや、記事に対する需要と言うより、Zシリーズはオーナーやショップの接し方が、そもそも他の旧車とは違うのである。他の旧車の場合は、できるだけノーマルのスタイルと乗り味を維持、あるいは、気になる部分のみに手を加える、というのが一般的な接し方なのに、Zシリーズはそれだけではなく、現代の技術を投入したカスタムがごく普通になっている。具体的な話をするなら、足まわりに最新のアフターマーケットパーツを投入したり、フレームに剛性向上を目的とした補強を追加したり、エンジンの主要パーツや点火系を現代的な構成に変更したりという行為が、まったく珍しくないのである。

 そんな旧車が他にあるのかと言うと、ないわけではない。ホンダCBシリーズやスズキGS750/1000、GSX1100Sカタナ、ショベルヘッド以前のハーレー、ベベル時代のドゥカティ、OHVツインのトライアンフなどでも、同様の楽しみ方をしている人はいるだろう。とはいえ、守備範囲の広さと楽しみ方の多種多様さなら、Zシリーズはそれらを上回る資質を備えているのだ。

どんな仕様でも満喫できる、ザッパーの資質

 ノーマル車かカスタム車かはさておき、現代の視点でZ1/2に接したら、誰もが最初に感心するのは約半世紀が経過してもまったく色褪せない、流麗なデザインではないだろうか。2輪のデザインに関する話と言うと、最近はどうにも抽象的でわかりづらいことが多いけれど、この車両のデザインのテーマとなった3S、Slim、Sleek、Sexyは、誰も素直に納得できるに違いない。

 では実際に走っての印象はどうかと言うと、これはもちろん、ノーマル車とカスタム車で変わって来る。でも低中回転域で感じるエンジンの重厚さと力強さ、大排気量車らしらぬと言いたくなるほど軽快なハンドリングは、どんな仕様にも共通する感触で、誤解を恐れずに言うならZ1/2は、近年の大排気量並列4気筒車より常用域が楽しく、操る手応えが感じやすい。もっともそういった感触は同時代のライバル車、ホンダCB750フォアやスズキGS750/1000などでも味わうことができるのだが、抑揚に富んでいると言うのか、乗り手の操作に対する反応がドラマチックと言うのか、Z1/2の楽しさは格別な気がする。このバイクの開発陣が、当時の大排気量車の命題だった高速安定性よりも、ザッパー(風を切る音=ZAPから生まれた俗語)としての資質を追求したのは有名な話で、Z1/2の乗り味はとにかく快活なのだ。

 ただし、その快活さを満喫するべく、ワインディングロードに出かけると……。ノーマル車は旧態然とした足まわりに、そこはかとない不満を感じることがある。だからカスタムという意識が芽生えて来るのだが、このあたりの考え方は乗り手によって異なるようで、僕自身はブレーキの利きが甘くても前後ショックの吸収性がいまひとつでも、それはそれでという意識で走って行けるのだが、さらにレベルが高い走りを目指したくなる気持ちはわからないでもない。と言うか、これまでに試乗したフルカスタム仕様のZ1/2で、僕はノーマルとは次元が異なる運動性に何度も感動しているのだ。あら、何だか話がノーマルvsカスタムみたいな展開になって来たけれど、ノーマルはノーマルで十分に楽しく、それでいてカスタム意欲がそそられるからこそ、この車両は旧車の世界で屈指の人気を獲得しているのだと思う。改めて考えると他の旧車では、そもそもノーマルvsカスタムなんていう話をする機会がめったにないのだから。

 そのあたりを踏まえての話だが、今回試乗したリアライズのZ2は、僕としてはかなりグッと来る乗り味だった。SOHCエンジニアリングの鍛造ピストンを投入したショートストローク指向のエンジン(69×58mm)は、Z2:64×58mmより力強さが増しているだけではなく、Z1:66×66mmより中~高回転域の伸びがシャープに感じられるし、フロントブレーキや前後ショックを刷新した効果で、ワインディングロードでのアベレージスピードは明らかに上がっている。とはいえ、この車両のキャラクターはあくまでもノーマル+αなのだ。タイヤサイズはノーマルと同じF:1.85×19/R:2.15×18だから、車体の動きはどんな場面でも軽快だし、マフラーはノーマルの4本出しなので、Z1/2ならではの重厚な排気音と低重心感はきっちり維持されている。前述したように、僕はZ1/2対してノンポリで、ノーマルもフルカスタムもアリと思っているのだが、経験や趣向や技量に関係なく、誰もが気軽にZ1/2本来の資質を楽しめるという意味では、リアライズのZ2はひとつの理想形、と言いたくなる特性を備えていたのだ。

ライディングポジション(182cm/74kg)

ハンドルとシートを現代のアフターマーケット製に換装した試乗車のライポジは、ミドル以下?と言いたくなるほどコンパクト。快適性をあまり犠牲にすることなく、こういうカスタムができることも、Z1/2の魅力のひとつである。なおノーマルのライポジは、当時の定番だった殿様的で、シートはかなりの肉厚を確保しているため、足つき性はあまり良好ではない。

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