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回す必要のない逞しい底力、英国スポーツバイクとはまさにコレ。|トライアンフ・T120 Bud Ekins

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トライアンフを象徴するボンネビル、その最高峰に位置するのがT120。1200ccのバーチカルツインエンジンを搭載するオーソドックスなロードスポーツ車。同社の中でも非常に多くのバリエーションを展開しているが、その中で明るいツートーンの特別なカラーリングを誇るモデルがBud Ekinsである。

REPORT●近田 茂(CHIKATA Shigeru)
PHOTO●徳永 茂(TOKUNAGA Shigeru)
取材協力●トライアンフ モーターサイクル ジャパン

ホワイト&レッド

トライアンフ・T120 Bud Ekins ....... 1,567,500円

FUSION WHITE & AMP / AEGEAN BLUE(ボンネビル T120.......1,589,600円)
JET BLACK (ボンネビル T120 Black.......1,550,000円)
ホワイト&シルバー(ボンネビル T120 DIAMOND EDITION.......1,567,500円)
マットストームグレー(全世界1,400台の限定生産車・ボンネビル T120 ACE.......1,597,000円)
Bud Ekins(右)とスティーブマックイーン。バドは、映画「大脱走」の撮影に協力したスタントマンだ。
T120 Bud Ekinsは赤タンクに白マーク。T100 Bud Ekinsとは逆転パターンのカラーリングだ。
白フェンダーに赤マークがT120 Bud Ekinsの証。

 このBUD EKINS (バド・イーキンス)はボンネビルT120の特別仕様車である。以前にT100 BUD EKINSのインプレ記事は掲載済み。T100は900ccエンジンを搭載するが今回のT120は同ブランド最高峰の1200ccエンジンを搭載している。
 T120はトライアンフを象徴する主力ブランドに相応しく品揃えがとても豊富。標準モデルに4種類のカラーバリエーションを用意。車体&エンジンのほとんどがブラックアウトされたボンネビルT120 BLACKは2種。そして特別限定仕様としてはACEやエンジンのクランクケースカバー等がピカピカに磨き上げられたDIAMOND EDITIONもある。

 BUD EKINS とは、アメリカはハリウッド映画のスタントマンとして活躍。1950年代半ばに活躍したモトクロスやバハ等のデザート系オフロードのレーシングライダーとしても知られ、モーターサイクルの陸上スピード世界記録も樹立したスターレーサーだ。
 当時、彼の活躍がトライアンフ製品のポテンシャルと知名度の向上に大きく貢献したことは言うまでもなく、後にトライアンフディーラー経営でも大成功を納めている。
 映画スター “スティーブマックイーン” の親友でもあり、ヒット作のひとつ「大脱走」の撮影で魅せた国境線間際でのジャンプシーンは、トライアンフTR6 Trophyを駆ってスタンントを務めた彼の演技だそう。
 今回の試乗車は、トライアンフと縁の深いそんなレジェンドライダーにリスペクトを込めて命名された特別仕様車と言うわけだ。

 爽快で明るいカルフォルニアのイメージを込めた赤と白のツートーンカラーは、色分けがT100と逆パターン。白いフロントフェンダーを持つのがT120なので簡単に見分けることができる。
 ニーグリップラバーの存在が懐かしい燃料タンクは、サイドが白でトップが赤。その中央には白のハンドペイントでカリフォルニア「フラインググローブ」が描かれている。フェンダートップにも同じマークが赤色ペイントで描かれた他、サイドカバーにもそのネーミングが記されているのである。
 もちろん基本的にはボンネビルT120そのもの。1959年型ボンネビルの風格を漂よわすスタイルの中に最新のテクノロジーが融合されている。スチールのダブルクレードルに見られるフレームワークを始め、オーソドックスな前後サスペンションにスポークホイールの採用等、まさにネオレトロ感覚一杯のブリティッシュ・スポーツバイクである。
 搭載エンジンはボア・ストロークが97.6mm×80mmと言うショートストロークタイプ。1,200ccの水冷2気筒はSOHCで気筒当たり4バルブを駆動し、80ps/6,550rpmの最高出力を発揮する。
 注目すべきは、105Nmの最大トルクを3,100rpmという中速域で発生していると言う所にある。つまり実用的な中低速域で豊かなトルクが発生している事を意味し、ゆとりの大きな乗り味が期待できるのである。

実用域でとても豊かなトルクフィーリングが心地よい。

 試乗車に跨がると、流石1.2Lマシン。いかにも重量車らしいズッシリと重い手応えを直感する。直ぐに“鉄馬”という表現が頭に浮かんだ程、実際のサイズや重量値以上に立派な雰囲気と堂々としたフィーリング。
 足つき性は問題なく、停止時に不安は無いのだが、取りまわし等の扱いは少々慎重になる。メインスタンドを立てる時の扱いもそれなりに重かった。
 ただ、クラッチ操作が軽いのを始め、操縦感覚や各操作性は至って親しみやすい。車重の重さも走り出してしまうと落ち着きのある乗り味として好感触。
 フロント18、リヤ17インチの鉄リムスポークホイールにはピレリ製のスポーツコンプが装着されていたが、それも程良く落ち着いた安定感を演出。
 コーナーへの進入はキチンとスローインを励行し、バイクを倒し込んで少しのあいだ保舵しつつ優しくパワーONを加えて行くと、頭に描いた通りのラインを安定してトレースしてくれる。
 バイクがバンクして起き上がるまでの挙動に伴う落ち着きや、僅かながら感じられる操舵トルクの大きさに、昨今のスポーツ系バイクとの違いを感じつつもライダーとマシンとがきちんと意思疎通しながら曲がっていくシーンは懐かしくもあり、気持ち良くもある感覚だった。

 何より素晴らしいのは、270°クランクと図太い中低速トルクから発揮される実に逞しい駆動特性にある。トルクは強力だが、スロットルレスポンスには穏やかさが伴い、とても扱いやすい。
 さらに乱暴な表現をするとトップに入れたまま、右手ひとつでどこでもオートマチッック感覚で走り切れる程フレキシビリティに富んでいる。
 レッドゾーンは7,000rpmからだが、普通は6,000rpmまですら回す気にならないし、また回す必要のない逞しい底力に溢れているのである。
 ちなみにローギヤでエンジンを5,000rpm回した時の速度は62km/h。そして6速トップギヤ100km/hクルージング時のエンジン回転数は2,750rpmだった。仮に120km/hクルージングなら3,300rpmと言う低さ。
 バイクとしては、極めてゆとりのある快適なクルージング性能が楽しめるわけだ。
 前述の操縦性も、直ぐに馴染めるレベルだし、コーナーでバイクを倒し込み、そして起き上がって行く時、切り返しも含めて挙動に落ち着きがある。直進安定性もしっかりしていた。
 その操縦性は、図太くも穏やかで優しい出力特性とも相性が良く、市街地から郊外、高速まで乗り心地も快適だった。
 それはとても大人びた乗り味。明るいカラーリングと共に、天気のイイ日にどこかへフラッと出掛けてみたくなる。走り始めてしまうと、そのまま予定外の泊まりツーリングに出掛けて見たくなるような、優雅なモデルなのである。

足つき性チェック(身長168cm)

シート高は785mm。ご覧の通り、両足はベッタリと楽に地面を捉えることができる。この時ステップが脛に触れる感じ、ライディングポジションは至って標準的で上体が起きた自然体で乗れる。

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