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Lツインの基盤を作った、2台のベベルドゥカティ|1970~1980年代のイタリアンクラシックが集う、ラウンドミーティング②

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1973~1977 ドゥカティ750SS

1972年のイモラ200で、1-2フィニッシュを達成

イモラレプリカと呼ばれる750SSは、ドゥカティLツインの強さを決定づけたモデル。まったく同じではなかったものの、艶やかで独創的なカラーリングは、1972年のワークスレーサーを踏襲している。

1971年に750GTを市場に送り出したドゥカティは、翌1972年にスポーツ指向を高めた750S、そして1973年末に市販レーサー750SSの発売を開始している。ちなみにイタリアでは昔から、GT→S→SSという順序で同一車両の派生機種を展開するケースが多く、ドゥカティLツインもその手法を踏襲したのだ。もっとも、1973年3月にプロトタイプを発表した750SSの反響は相当に大きく、当初は25台前後を予定していた生産台数は、1975年以降のスクエアケースも含めると、最終的には約400台に跳ね上がった。その人気の背景にあったのは、1972年のイモラ200マイルにおける劇的な優勝だろう。

1973~1977年に生産された750SSには、エンジンカバーが丸味を帯びたラウンドケース:前期型と、角張ったデザインのスクエアケース:後期型の2種が存在。市場での人気は、前期型のほうが圧倒的に優勢。

1972年が初開催となったイモラ200マイルは、当初はアメリカで大人気を誇るデイトナ200マイルのヨーロッパ版、というコンセプトだった。もちろん当時の2輪メーカーは、このレースに並々ならぬ情熱を燃やし、MVアグスタ、モトグッツィ、ラベルダ、BSA/トライアンフは本格的なワークス態勢で参戦。ホンダ、スズキ、カワサキ、BMWは、セミワークスと言うべきマシンを投入していた。こういった状況下で、ビッグバイクのプロダクションレースではほとんど実績がないドゥカティに、期待する人はわずかしかいなかったのだが……。

ステアリングの慣性モーメントを最小限に抑えるため、スミスのスピード/タコメーターと各種警告灯はパネルを介してカウルにマウント。グラスファイバー製のガソリンタンクは、側面から残量が確認できる。

750GTをベースに開発した同社のLツインワークスレーサーは、3位以下に大差をつけて、1-2フィニッシュを飾ったのである。そのレーサーをできるだけ忠実に再現したレプリカの750SSが、世界中で注目を集めたのは当然のことだろう。誤解を恐れずに言うなら、当時の大排気量車のほとんどが、レーサーに仕立てるのにかなりのコストと労力を必要としたのに対して、750SSはノーマル状態のままで、“レースに勝てる”バイクだったのだ。

メーカーならではのエンジンチューニング

シングルシートカウルとセパレートハンドル&バックステップは、当時の大排気量車では画期的な装備。もっともドゥカティは1972年型750Sで、すでにその3点を採用していた。

流麗なデザインのハーフカウルや、耐久レースでの使用を想定した容量20Lのグラスファイバー製タンク、ダブルディスクのフロントブレーキなど、750SSは外観からレーサーとしての資質が伝わって来るモデルだった。とはいえ、このマシンで最も注目するべき要素は、エンジンに施された徹底的なメーカーチューニングだろう。

同時代のライバル勢の最高出力が、BMW R75/5:57ps、モトグッツィV7スポルト:52psだったことを考えると、750SSSの73psは驚異的。なお1973年のワークスレーサーは、85psを発揮したと言われている。

ボア×ストロークは750GT/Sと同じ80×74.4mmだったものの、既存のレーサーや単気筒車で実績を積んだデスモドロミック機構をLツインで初めて採用し、レース用カムシャフトやハイコンプピストンを導入した750SSは、750GT+13ps、750S+9psとなる、73ps/8800rpmをマーク。さらに言うなら、ロッカーアームやコンロッド、1次減速ギアなどは強度を高めた専用設計品で、吸排気ポートはスムーズ化が図られていた。言ってみれば750SSは、当時の日本車に当てはめるなら、CB750フォアにCR750レーサーキット、カワサキZ1にヨシムラパーツを組み込んだかのようなバイクだったのである。

キャブレターはデロルトPHFφ40mmで、マフラーはコンチ。バックステップはカスタムパーツを思わせる構成だ。ちなみに当時のベベルドゥカティのスタンドはセンターのみで、サイドスタンドは装備しない。

なお世界の大排気量車の流行に合わせる形で、1975年以降のドゥカティLツインの主軸は900ccになったのだが、750cc特有のエンジンフィーリングとハンドリングの軽さに惹かれるライダーは少なくなかったようで、750SSは以後も根強い人気を維持。中でも、1973~1974に生産されたラウンドケースのSSに憧れを抱くベベルマニアは、当時も現在も非常に多い。とはいえ昨今の中古車市場に750SSが出て来ることは、ほとんどないようだ。

フロント19インチ+シングルディスクだったGT/Sに対して、SSはフロント18インチ+ダブルディスクを採用。当初はリーディング式だったφ38mmフォークは、すぐにセンターアクスル式に改められた。

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