ロイヤルエンフィールドINT650は、ネオクラ界の価格破壊車だ。
- 2021/02/03
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MotorFan編集部
現時点での日本では、まだまだ浸透しているとは言い難いロイヤルエンフィールド。とはいえ、魅力的な2台の650cc並列2気筒車がラインアップに加わり、楽しめる体制が着々と整っていることを考えると、数年後には外車勢のベスト5に入っているのかもしれない?
REPORT●中村友彦(NAKAMURA Tomohiko)
PHOTO●佐藤恭央(YASUO Sato)
取材協力●ピーシーアイ http://www.pci-ltd.jp/
ロイヤルエンフィールド東京ショールーム http://www.royalenfield-tokyoshowroom.jp/
INT 650 Standard・・・776,000円
INT 650 Custom・・・795,000円
INT 650 Special・・・821,000円


日欧のメーカーに引けを取らない
ライバルと言うべきネオクラシックモデル、カワサキW800:101万2000円~、ドゥカティ・スクランブラー:106万円~、トライアンフ・ストリートツイン:107万円~、モトグッツィV7シリーズ:111万7600円~という事実を考えると、これはもう、とんでもなくお買い得!と言っていいんじゃないだろうか。

2輪業界の元祖インターセプター
さて、初っ端から熱い文章になってしまったが、今回試乗するINT650は、コンチネンタルGT650の兄弟車だ。この2台の相違点は、ハンドル、シート、ステップ、ガソリンタンクなどで、イギリスのハリスパフォーマンスが設計したダブルクレードルフレームや、前後18インチのスポークホイール、270度クランクの空冷並列2気筒エンジンなどは両者に共通。
こういった兄弟車の製作は、前述した日欧のネオクラシックモデルでも行われているのだけれど、コンチネンタルGT650とINT650の乗り味は、外観から想像する以上に異なっていた。
似て非なるキャラクターの兄弟車
オーソドックスではあるけれど、もしかしたらカフェレーサースタイルのコンチネンタルGT650のほうが親しみやすいかも……。それがINT650に対する僕の第一印象だった。

もちろん、コンチネタルGT650でツーリング、INT650でスポーツライディングが楽しめないわけではない。とはいえ、峠道でコーナーを攻めた際の接地感と一体感はコンチネンタルGT650、田舎道をのんびり流したときの充実感はINT650に、それぞれ軍配が上がる。だから購入時には、自分の好みをよく考える必要があるのだが、いずれもセミアップタイプのハンドルを装着したら、各車各様のいいとこ取りが出来そうな気配はある。
エンジン特性に感じた各車の特徴
もっともこの件については、同条件で比較試乗しないと把握できないし、INT650の高回転域の伸びが悪いとか、コンチネンタルGT650の低回転域がトロいわけではないので、そんなに気にする必要はないのかもしれないが、過去に試乗したネオクラシックモデルで、こういったエンジンの味付けの違いをあまり感じたことがない僕は、ロイヤルエンフィールドの真摯な姿勢に、しみじみ感心することになったのである。
昔ながらの感触を絶妙の塩梅で構築
なおエンジンと言ったら、昔ながらの感触を絶妙の塩梅で構築していることも、僕が同社の並列2気筒に感心した要素だ。と言うのも、まずかつてのインターセプター700/750を含めて、1960年代以前に基本設計が行われたミドル以上の並列2気筒は、高回転域で過大な振動を発するのが通例だった。

INT650とコンチネンタルGT650の場合は、高回転域をきっちり抑え込む一方で、低中回転域では適度な振動を残し、そのおかげで2気筒ならではの抑揚が十分に感じられるのである。おそらく開発陣は、クランクウェイトとバランサーの設定に関して、相当以上の試行錯誤を重ねたのだろう。いずれにしてもこの特性なら、旧車好きが乗っても、物足りなさを覚えることはなさそうだ。
楽しめる体制が着々と整っている

もちろん、今現在の日本のおけるロイヤルエンフィールドの販売台数は、日欧米の大メーカーにはまったく及ばないのだが、超が付くほど魅力的な2台の並列2気筒車がラインアップに加わり、楽しめる体制が着々と整っていることを考えると、数年後には外車勢のベスト5に入っているのかもしれない。
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