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「ホンダGB350/S」の鋼管セミダブルクレードルフレーム、ABS付足周り等を解説

  • 2021/04/04
  • MotorFan編集部 北 秀昭
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写真はホンダGB350 S(パールディープマッドグレー)。

ホンダは空冷4ストロークOHC単気筒348ccエンジンを搭載した新型ロードスポーツモデル・GB350を2021年4月22日(木)に、GB350 Sを2021年7月15日(木)にHonda Dreamより発売。ここでは鋼管セミダブルクレードルフレームやABS付きの足周りを解説。
REPORT●北 秀昭(KITA Hideaki)

国内発売決定のNEWビッグシングル・ホンダGB350/S|外観と機能を解説

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ホンダGB350 S(パールディープマッドグレー)

スポーツ系のGB350 Sは、リアホイールを18インチから17インチに小径化し、リアタイヤは130mmから150mmにワイド化

 GB350はホイールベース1,440mm、キャスター27°30′、トレール120mm、フロントフォークオフセット量45mmとし、クルーズ時のリラックス感や、ビッグバイクに引けをとらない車格を実現。

 また、左右43°に設定したハンドル切れ角により、最小回転半径2.3mを実現して、市街地での機動性を獲得。さらにツーリングなどでの長距離走行を念頭に、フロント19インチ、リア18インチホイールを組み合わせ。安心感のある特性に仕上げられている。

 一方GB350 Sは、GB350のディメンションをベースに、より積極的な走りをイメージさせるスタイルを演出。リアホイールをGB350の18インチから17インチに小径化し、積極的な走りに応じたグリップ特性と高い安定感を両立する、よりワイドなラジアルタイヤを採用。リアタイヤサイズを、130/70-18から150/70-17に変更している。

 また、ライダーが荷重入力しやすく、同時により深いバンク角を確保するため、GB350よりもメインステップ位置を後方上部に配置。さらにハンドル位置を低く、遠く、絞り角を浅く設定した。

 これらにより、標準的なネイキッドスポーツのライディングポジションの範疇に収めつつ、前後フェンダーの軽量化などにより、マス集中化を図った軽快な外観イメージ通り、よりコーナリングを楽しみたくなる運動性能も備えている。

GB350(キャンディークロモスフィアレッド)。リアホイールは18インチ。
GB350 S(ガンメタルブラックメタリック)。リアホイールは17インチ。

鋼管セミダブルクレードル式フレームを採用

 穏やかな操縦フィールをもたらすために、フレームは鋼管セミダブルクレードル式を採用。これまで多くのモデルに採用されてきたスタンダードなフレーム形式ながら、開発に際しては、最新のCAEによる構造解析や振動解析を導入。Hondaの豊富な知見を基にしたシミュレーションによって、動的な荷重に対する各部の変形過渡特性を総合的にコントロールすることで、狙い通りのライディングフィールを実現した。

 同フレームは、チェーンラインの内側にピボットを設定した幅の狭いインナーピボット構造により、スチールのしなやかさを最大限に引き出しながら、縦、横、ねじれ剛性をバランスさせることで安心感を確保。

 操縦面では、エンジンを低い位置に搭載することで、完成車重心を低く抑えながら前後方向の搭載位置をアジャストしてフロント分担荷重を最適化。併せてハンドルグリップとヒップポイント間の距離を短く設定することにより、腰を据えてハンドル操作が可能な、落ち着いたフィールを提供している。

鋼管セミダブルクレードル式フレーム(CGイメージ)。

 エンジンハンガーは、エンジン重心を囲む4箇所に設定。エンジン締結位置とヘッドパイプ間の距離を長くとることで、前輪からの荷重入力に対して広いエリアでフレームを最適にしならせることを可能とし、穏やかな運動性能に寄与している。

 これらにより、完成車の一様なロール特性につなげ、コーナリング時には車体質量の手応えを感じながら。「ため」のある操縦性を獲得するとともに、各場面での安心感ある乗り味に仕上げられている。

ヘッドパイプ~エンジンハンガーの配置図。

スイングアームと前後サスペンションのポイント

 スイングアームは、幅方向を詰めたフレームピボットの外側左右に軸受けを配置し、別体のアルミ鋳造ステップブラケットと共締めする合理的な構造。

 丸断面鋼管のフレームに対し、スイングアームには、より高剛性の60mm×30mm角断面鋼管を採用することで変形を抑え、力強いトルクを駆動力として、無駄なく路面に伝達。

 また、路面からの入力とクッション反力を効率的に受けられる形状の鍛造製エンドピースを組み合わせ、スッキリした外観にも寄与。剛性を高めたスイングアームにより、リアクッションの作動性を向上させ、快適なライディングフィールを実現。

 サスペンションは、前後ともコンベンショナルな形式を採用。セミダブルクレードルフレームと前後タイヤサイズとの外観ボリュームや配置のバランスをとりながら、前後とも120mmのストローク量を確保し快適な乗り心地を獲得。

 フロントフォークは大型モデルと同等の、大径Φ41mmインナーパイプを採用し、車両の存在感に大きく寄与するとともに、剛性を高めることで路面からの外力によるしなりを低減し、クッション作動性をアップ。

 リアクッションはダンパー内部に窒素ガスを加圧封入することにより、応答性の高いダンピング性能を獲得。

前後ディスクブレーキは、専用セッティングの前後独立制御ABSを標準装備

GB350のフロント周り。フロントフォーク・ボトムケースやフェンダーはマットブラック仕上げ。Φ310mmシングルディスク・ブレーキの油圧キャリパーはNISSIN製ピンスライド式。タイヤは19インチ・チューブレスのダンロップ製アローマックスGT601を履く。
 GB350シリーズは、フロントΦ310mm、リアΦ240mmの、クラス最大径( Honda調べ。2021年3月現在350ccクラス)となるシングルディスクブレーキを採用。

 ブレーキパッドには、長寿命の摩擦材を採用。また、フロントブレーキには新規設計の高剛性キャリパーボディーを選択する事で、液圧損失を抑制。

GB350のリア周り。程良くアップされたテーパー形状2重管構造の右出し1本マフラー。リアブレーキローターはΦ240mm。
 さらにGB350シリーズ専用セッティングの前後独立制御ABSを標準装備。液圧をコントロールするモジュレーターを、リアブレーキホースを直接締め付けられる位置に配置することで、リアブレーキパイプを廃止したコンパクトなシステムを実現している。

 これらにより、幅広い走行環境と車速において余裕ある制動力、安心の操作フィールと車速コントロール性能を獲得。

軽快なY字型放射状の14本スポークホイールを装備

 GB350のホイールは、アルミGDCによるフロント19インチ、リア18インチを採用。車体ボリュームをしっかり支え、安定感と軽快感をバランスさせたY字型放射状の14本スポークの外観にデザイン。

 穏やかなフィールを提供するしなやかなフレームの特性に対し、Y字スポークのハブ側リブ幅や高さなど、細部に渡るチューニングを施し、剛性バランスを最適化。

 また、細身のスポークで構成された伸びやかなデザインを際立たせるため、大径フロントブレーキディスクに対してABSのパルサーリングを最小化。さらに軽快な印象を獲得している。

GB350の足周り。

 GB350 SはGB350シリーズ共通のデザインとしながら、リアホイールを17インチに小径化。また、リアタイヤは130/70-18から150/70-17にワイド化。ショートフェンダーと相まって、軽快感を強調し、タフでワイルドなスタイルに仕上げている。

GB350 Sの足周り。

チェーン&スプロケットのポイント

 ドライブチェーンは高い静粛性と、メンテナンスサイクルの長さを特徴とするシールチェーンを専用開発。ドリブンスプロケットは噛み込みを防ぐため、従来のプレス製別体リングに変えて、スイングアーム側のエンドピースに設けられた突起(特許出願中)により、同様の機能を持たせ軽量化とスッキリした外観に寄与。

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