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村上菜つみのバイクでカフェめぐり|タイから来たユニークなミニバイク、フェニックスエンジニアリング・ガンナー50 まるで走るバズーカ砲!?【東京・奥多摩ツーリング/番外編 フェニックスエンジニアリング・ガンナー50試乗記】

  • 2021/07/11
  • MotorFan編集部 村上菜つみ
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見た目は完全にオモチャでも、走ってみれば面白い!!

おもちゃのバズーカ砲を思わせる独特のボディデザインが目をひくガンナー50。この個性あふれるマシンは、タイのフェニックス・エンジニアリングが生み出し、世界に先駆けて日本で発売したユニークな原付バイクです。

REPORT●村上 菜つみ(MURAKAMI Natsumi)
PHOTO●高橋 克也(TAKAHASHI Katsuya)

問い合わせ
moto shopクロニクル●https://chronicle521.com/
GPX JAPAN●https://www.gpxjapan.co.jp/

フェニックスエンジニアリング・GUNNER50……225,500円(消費税込み)

全長1670mm、車両重量80kg。キュートなデザインが町ゆく男子のハートを片っ端から射抜いてしまいそうな小さな重火器です。

いちばんの特長はそのデザイン!! なんてわざわざ力を込めて言わなくても、どこかでガンナー50に似たバイクを見つけられる可能性すら感じさせない圧倒的な独創性ですよね。

オモチャっぽさとカッコよさを兼ね備えたデザインで話題をさらったガンナー50。
カラーバリエーションは計6種類。好みの色が選べるのが嬉しいですね。
ガンナー50のボディ形状がよくわかる真上からの写真。フューエルタンク・キャップの位置が車両ほぼ中央にあるのも、オモチャっぽい可愛らしさの演出に一役買っています。
リアからみたボディはこんな感じ。テールライトをパカッとはずすと小物入れになりそうな気もしますが、残念ながらそういう仕掛けはありませんでした。

フューエルタンクを内蔵した細いボディは、先端のヘッドライト部がわずかにふくらんでいるほかは、テールライトのある尾部まで、すとんとすっきりストレートで、まるでただのパイプのよう。きっと「ガンナー」の名は、砲身にも似たこのボディにちなんで付けられたものなのでしょう。でもガンナー50のデザインの特徴は、じつはそれだけではありません。

エンジンまわりは一切のカバーを排した究極のスカスカデザイン。キックペダルがついていますが、セルスターターもちゃんとありますからご安心を。
フルLEDのメーター。可愛いけれどしっかり機能的にデザインされています。

国産バイクを見慣れた目には違和感満載のフロントフォーク、パワーフィルターを思わせるインテークまわり、ガッツリむきだしのバッテリー、フレーム下に隠すように配置された小さなマフラーなど、どこか改造バイクみたいなヤンチャっぽさを感じさせる楽しいデザインが随所にちりばめられています。

ガンナー50のエンジンは3.3PSの扱いやすいミニマムパワー。低速寄りの出力特性で、くるくる楽しい乗り心地を実現しています。

ガンナー50のエンジンは49cc4ストローク空冷単気筒の3.3PS。けっしてパワフルとはいえないパワーユニットですが、実際に乗ってみると「あれ、意外と走る!」と驚かされました。

極端な上り坂でなければ、ワインディングもきっちりこなします。

4速ギアのローでめいっぱい引っ張って、ようやく法定速度の30km/hに手が届く程度のささやかな動力性能で、高回転域にも目立った伸びはありません。きつい上り坂ではトルクを食われ、全開にしていても少しずつスピードが鈍ってゆくこともしばしばです。それでも、よくできたエンジンだと感心したのは、何よりもその出足の良さのため。ガンナー50のエンジンは、低回転側に意外なほどたっぷりトルクが盛られていて、もしその気になれば、発進時にフロントをぽんぽん浮かせることだってできるほど。ましてふつうの街中ライディングくらいなら、まず不満を感じさせない元気なダッシュ力を誇ります。

フレーム下にコンパクトにまとめられたマフラー。なかなかパンチのきいたサウンドを奏でます。

そしてガンナー50のエンジンのもうひとつの魅力ポイントは、わくわくするようなエキゾーストノート。ライダー魂をくすぐる心地よいパルス感があり、実際にはたいしたスピードが出ない小さなバイクなのに、その音からは、こましゃくれた野性味すら感じられて、ぐぐっと気持ちが盛り上がってきます。

フロントはディスク径220mmのがっちりした油圧式シングルディスクブレーキ。リアは190mm径を採用しています。

フロントブレーキはタッチがとても硬く、レバー入力を強めていっても、なかなか利いてくる感じがありません。でも、ある点をこえて強く握り込むと、急激に制動力が高まり、まるでつんのめるように止まります。そのときは、ふわっと軽くリアが浮き上がり気味になるのがわかるほど。

ABSは装備されていないので、ブレーキング時はロックにとくに注意を。

いっぽうリアブレーキは、踏みはじめから利きすぎるほどよく利きますが、そのぶん不用意に強く踏むとロックしやすいので、操作には慣れと注意が必要です。前後とも、やや癖のあるブレーキなうえABSが装備されていません。ブレーキはなるべく丁寧に操作しましょう。

リッチなサスとはいえませんが、フラットダートなら楽しく走れます。
細身で小ぶりのガンナー50。身長164cmの私だと、軽く膝が曲がるくらいの足つきです。

ガンナー50のサスペンションはストロークが短く、初期動作がとても硬いため、乗り心地がいいとはいえません。とくにリアサスペンションはあまり動かず、ほぼリジットに近い動作感です。そのためギャップを拾うとパタパタと車体がはずむ傾向があり、路面変化には弱い面も。とはいっても、もともとハイペースで走るマシンではないので、とくに不安感はありません。

小さいくせにコーナリングは安定志向。ワインディングも気負わず楽しめます。

コーナリング特性は、小さなボディや小径タイヤからは想像できないほどしっとり落ち着いています。どんなポジションで乗っても、少しくらい荒っぽい操作をしても、ゆったり安定したコーナリングができるのがいいところ。
ただし左側へ深めにリーンすると、わりと簡単にサイドスタンド・マウントまわりを路面にこすってしまいます。それでも挙動が乱れるようなことはほとんどありませんが、可愛いガンナー50には、やっぱり優しく控えめなコーナリングがお似合いですよね。

ヤンチャかわいいガンナー50。バイク少年の夢を感じるマシンです。

ふわんとやさしいエンジンで、ちょこまか自在に走れるガンナー50。たいしたパワーもスピードもないけれど、その小さなボディには、ライダーの誰もが青春時代に感じたキラキラのバイクの喜びがぎっしり詰まっています。
もうずいぶん長く学校になんて行っていないのに、私も明日は学校をフケて、ガンナー50とふらっとどこかに遊びにいってしまいたくなりました。

ガンナー50 主要諸元

全長:1670mm
全幅:690mm
全高:1270mm
軸距:1150mm
最低地上高:105mm
シート高:802mm
乾燥重量:75kg
タンク容量:4.5L
エンジン形式:4ストロークSOHC空冷単気筒
ボア×ストローク:39mm×41.4mm
排気量:49.47cc
圧縮比:7.3:1
最高出力:2.4Kw/8000rpm
最大トルク:3Nm/7500rpm
始動方式:セル/キック
タイヤサイズ前・後:100/70-12・120/70-12
価格:225,500円(消費税込み)

村上 菜つみ

モデル・モータージャーナリスト。
ツーリング雑誌の編集部員を経て、フリーランスとして独立。
オートバイや車での気ままな一人旅を好み、各地のグルメや名湯をレポートし続けている。
月刊モトチャンプにて旅企画「ぶらり二輪散歩」連載中。
FB:https://www.facebook.com/natsumi0606/
Instagram:mi_natsu66

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