温度管理に気を遣い 新型車もベストな調子に

MCR デモカーGR86

■GR86 カップカーベース

■フジツボ EPU

■カップカー標準空冷式オイルクーラー

■クスコ L.S.D. type-MZ

■セラメタ 令和クラッチ 

■トラスト  大容量デフカバー

■MCR リアメンバーカラー

■テイン スーパーレーシング

■クスコ リアアーム

■ENDLESS ブレーキキャリパー F MONO4(ローターφ340) R MONO4r(ローターφ330) 

■TRD デフマウント

■BBS RE-V7(18×9.0J inset45)

■PILOT SPORT 5(255/35R18)

■ホイールスペーサー F 20㎜ R 5㎜

エンジン性能がグンと上がり、富士スピードウェイでも相応の速さで周回できる。GR86/BRZは、MCRがサーキットで遊べるベース車として推すクルマだ。

それだけに、MCRはコレと決めたクルマの研究、探求に熱心だ。デモカーを走らせ、ロガーも駆使し、実際と数値の両面から追求する。GR86で走りを楽しむためには、FA24エンジンに変に負担を掛けずに、リスクも抑えて楽しみたい。

エンジンオイルは規定量を入れる。冷却水も、設定量に気を使う。カスタマー仕様では、バッフルプレートやオイルクーラーの追加も行っている。

デモカーのエンジンはノーマル。カップカーなので、純正で空冷式オイルクーラーが付く。走る人には、オイルパンにバッフルプレートなどの追加を薦める。

次に、駆動系だ。サーキットでの周回で厳しくなるのは、デフの油温。デモカーは、シンプルに大容量のデフカバーを組み合わせる。スポーツ走行枠30分をフルに目いっぱい全開するのでなければ、初めはこれで賄える。

ミッションについては、新型の6速MTの特性に合わせられた純正オイルで、操作感を保たせている。ブレーキ系は、純正システムにパッド強化でも、温度管理ができればOK。

ただし、頻繁なメンテナンスを想うと、放熱性に優れるローターに換えたい。ビッグキャリパー化するのが最善である。

Check Point:エンジンオイル レベルゲージの表裏でオイル量が違う!?

FA24エンジンとの相性からオイルはニスモ モチュールの0W-30を選んでいる。入れる量は、レベルゲージのHIレベルが目安で規定量だ。ただし、その規定量にするにも手間を掛ける。

エンジンを温め、停止してからは自主基準とする時間が経って、オイルパンのオイル量が安定したタイミングで調整する。その際はレベルゲージでの確認にも気を遣う。レベルゲージの表と裏、いずれで見るか。MCRでは裏側だ。愛車で比べてほしい。

表側
裏側

FA24エンジンのオイルレベルゲージは、先端が最終的にオイルパン側へ斜めに入り込む。だからレベルゲージの表側(左)と裏側(右)では、液面は裏側で見るほうが高くなる。MCRでは裏面を規準にHIにする。

MCRがFA24エンジンに選ぶのがニスモ モチュールの0W-30。FA20のレース用エンジンを製作する中で、内部のコンデションから選択を見極めた。

Check Point:冷却系 リザーブタンクの冷却水は冷えた状態で下限に合わせる

FA24エンジンには、冷却水のエア抜き用のホールが設けられている。写真がその部分のアップ。場所はバルクヘッド側で、純正タワーバー左方のバーエンドが留まる付近だ。プラスチックのプラスネジで栓がしてある。

冷却水のエア抜きをきちんと正確にやるには、かなりの時間を要する。MCRでも1日では終わらせない。それができたとして、MCRではリザーブタンクの水量は冷えた状態でLO付近に合わせる。

GR86系のリザーブタンクは、よく見ると縦に細くて長い。走ってエンジンが温まると、冷却水のレベルが上がり始める。

仮に冷間でMAXまで入れると、その形状もあってサーキット走行ではリザーブタンクの上部、キャップ裏の貫通穴とキャップの間から縦Gが強まったときに冷却水の一部が外に流れる。いろいろ試みて、レベルはLO付近が適切と見た。

パーツ代が安価なラジエーターキャップ。何年も使わずに1年に1回は新品へ交換しよう。加圧がおかしくなって、気づかずにハードな走行をすると、大きなトラブルにもつながりかねない。

冷却水のリザーブタンクは縦に細くて長い。キャップを外し、車両前方側を見ると貫通穴がある。冷却水のレベルの合わせ方によっては、サーキット走行では、ここから冷却水が外に流れ出る。

MCRが使うクーラントはケミテックのPG55RC。原液で入れるタイプだ。性能がよく、冷却の安定が見込め、ライフも通常のクーラントとほぼ同等という。

Check Point:クラッチ クラッチフルードは縦G対応に満タン

クラッチフルードは沸いて噴き出すことはない。なのでボディ周辺は痛めにくいが、蓋を開けたときの漏れ防止に、念のためリザーブタンク用のカバーなどを被せておくのも方法だ。

MCRならではの秘訣。クラッチフルードは規定量より多く、リザーブタンクのMAXより上まで、いっぱいといえるほど入れている。それが安定したペダル操作に効くという。

なぜなら加速・減速で縦Gが出たときに、リザーブタンク内でフルードの油面が偏って、エアを噛み込むケースがあるからだ。先代ZN6の時分に最初ハマって、原因を追究した結果である。スーパー耐久の実戦でも、そうやってクラッチフルードへのエアの混入を回避した。

Check Point:駆動系 デフの油温は上がりがち 周回には対策が必要

デモカーのデフ部。黒い部分はノーマルのデフケースで、後部側が変更したGReddyの大容量 デフカバー。アルミ鋳物 製で、デフクーラー取り付け用のサービスホールも付いている。

ZN6/ZC6と同じく、スポーツ走行ではデフオイルの油温が上がりがち。理想はデフオイルクーラーの追加だが、デモカーの仕様なら富士のレーシングコースで、30分のスポーツ走行枠をクーリングを考えながら走れば楽しめる。

対策しているのは、GReddyの大容量デフカバー装着だ。純正のオイル容量は約1.2ℓだが、1.9ℓまで増える。フィンも備わる。使うオイルはニスモの75W-140。L.S.D.内部やリングギアなどの状態も良好に保てている。

デフクーラーのデータも取った。マフラーは左シングル出しで、空いたバンパー右側下部にZN6同様にコアを置いたが冷却効果は少なかった。台上で風を送って、車体下部の空気の流れを調べ、導き出した位置が右の写真。ZN8とZN6では、コアが冷える位置が異なる。

Check Point:ブレーキ 周回できて速度も高い だからブレーキはつらい

ブレーキを適正に使って走行できているか。パッドの選択や、ライフの維持など、エキスパートに診てもらうのがいちばん。MCRのカスタマーはサーモペイントやラベルも活用している

スポーツ走行での周回で、いきやすいのがブレーキ系。自身のドライビングで、どんな温度域でブレーキを使っているか把握しよう。サーモペイントやサーモラベルを使えば瞭然だ。

そして、純正キャリパーを無用に壊さないために、かなりローター温度が上がった状態でピットに戻り、すぐクルマを停止したままにしないこと。停止直後のローター温度が400℃でキャリパーが150℃とする。するとローターの熱でキャリパー温度が上昇し、シールなどやっつけられる。ピットに戻る前のクーリング走行が大事だ。

ローターにサーモペイントを塗り、キャリパーにはサーモラベルを貼ると、ブレーキが達した温度域が把握できる。

Check Point:トランスミッション ミッションオイルはシフトフィールに効く純正品

75Wの純正ミッションオイルは1ℓ缶のみの販売。メーカーがGR86/BRZの開発で改良を施した6速MTに合わせて、低温から高温まで操作しやすいシフト荷重になるようつくられている

ミッションオイルは純正を使っている。明らかに入りがよく、温度が上がってもシフトフィールが安定している。車両の慣らしを終えて、ミッションオイルを純正から換えたときの比較で、純正オイルの特徴に気づいたそうだ。

GR86以外に、Zなどにも入れている。参考にミッションオイルクーラーの取り付けもテストしており、GR86では空気の流れから、コアがフロアトンネル近くでは冷えにくく、フロントバンパー内に配置して効果が確認できた。


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