すべてのコーナーで同じ荷重移動をしてしまう

「クリップまでブレーキを残す」あるいは最近は「ブレーキは残すな」ともいわれています。いずれも正解ですが、受講者の車載映像を見ていると、全コーナーで、いずれか一方の走り方で上手くいっていない傾向があります。
コーナーの車速域により、走り方を変える必要があります。そこで重要なのが、タイヤの縦と横を使う「意識の使いわけ」です。
Rがきつい低速コーナーは奥までタイヤを縦に使う

低速コーナー(約50㎞/h前後)では、進入でアンダーに、脱出では駆動輪が滑りやすい傾向。そこで、進入ではアンダー対策にブレーキを残し気味とし、荷重の縦方向(前荷重)を意識しましょう。
ただし、過剰な前荷重は逆にアンダーを誘発します。「わずかにブレーキペダルに足が乗っている」程度で十分過ぎることがあります。大切なのは前荷重の量をコントロールするという『縦の意識』 です。
脱出区間では、低速からだと加速力が強くなります。100㎞/h →150㎞/hに加速するより、50km/h →100㎞/hに加速するほうが短時間、つまり加速力が強くホイールスピンしやすい。
5、6速ギアでは雑なアクセル操作でもギクシャクしにくいですが1、2速では挙動が暴れますよね。速く走るには加速力を意識した『縦の意識』 が大切です。
クリッピングポイント(CP)付近までブレーキを残し、CP以降はアクセルで加速させます。そのためCP付近でスピードがボトムになり、大きくスピードが落ちた分だけ、その区間では舵角を大きく切っても反応します。そのためラインはV字に近くなります。
高速コーナーでは手前から横を意識して安定させる

高速コーナー(100~150km/h)ではアンダーというよりも、進入、脱出ともにオーバー傾向になりやすいでしょう。挙動を安定させるため縦方向にはあまり動かさず、『横の意識』 を強く持つことです。極端にいえば、コーナー手前で減速を終了し、荷重を横方向に移動させアクセル一定でコーナーをクリアするくらいがよいです。必然的に舵角は一定近くになり、ラインはU字になります。
あるある間違いが「縦横が逆になっている」
この縦横の誤解で受講者によく見られるのが、「低速コーナーでブレーキを完全に離して進入(横に意識)」していることです。前荷重が不足し、アンダーで向きが変わらず、脱出ではハンドルが戻せず加速できないパターンとなります。
縦の意識(前荷重)で向きをしっかり変え、CPからはハンドルを戻しつつ脱出する意識を持ちましょう。高速コーナーでの間違いは、「CP付近までブレーキを踏んでいる操作(縦に意識)」です。
ハイスピードの恐怖感によりCP付近までブレーキを踏み、前荷重が多い状況でコーナーリングするパターン。スピードを落としているのに、前荷重が残るため挙動が不安定で、恐怖感が増す悪循環に陥ります。
対処方法はコーナー手前で怖くないスピードまで減速し終え、ハンドルを切り始めるタイミングではブレーキは離すこと。アクセルは一定でスピードを維持したまま、コーナーを通過する意識を持つとよいでしょう。
講師
梅田 剛

「タイヤを縦に使おう」などはよくいわれるアドバイスだが、具体的にどう意識して活かせばいいのかを梅田講師が解説する。
