昭和の憧れを令和の感性でアップデート!

SNSと先輩たちから学んだ、令和流街道レーサー!
富士グランチャンピオンレースに憧れた若者たちが、シャコタン、オーバーフェンダー、大型ウイング、そして派手なカラーリングで愛車を飾った“街道レーサー”。70〜80年代のストリートを熱狂させたこのカルチャーを、令和の時代に本気で楽しんでいる若者がいる。
そのオーナーこそ、平成生まれの24歳・Sさんだ。

「小さい頃はカウンタックやパンテーラのようなスーパーカーに憧れていました。でも近所で見かける街道レーサーも強烈にカッコ良くて。免許を取った18歳の時、“スーパーカーは無理でも街道レーサーなら自分の手で作れる”と思ったんです」。
リーゼントにサンダルという、愛車に負けないインパクトのあるスタイルで現れたSさん。その姿からも、街道レーサーに対する本気度が伝わってくる。

当初は60系マークIIを探していたものの、すでに当時からタマ数は少なく価格も高騰。そんな中、先輩の紹介で出会ったのが現在のGX71チェイサーだった。
若いオーナーの街道レーサーと聞くと、完成された車両を購入して乗っているイメージを持つ人もいるかもしれない。しかし、それは大きな誤解だ。

購入時のチェイサーは、バネカットでローダウンされた程度のほぼノーマル車。そこから板金塗装の仕事で培った技術と環境を武器に、約6年という歳月をかけて理想のスタイルを自ら作り上げてきた。その進化の過程は、まさに“足し算”の連続だった。



クラウン用グリルの流用やメッキパーツの追加から始まり、ホワイト×ピンクのエアロ仕様、ワインレッドの大型ウイング仕様を経て、現在は240ZG用オーバーフェンダーをベースとしたワイドボディへと進化している。


細部を見ていく。フロントにはヤマト製フェンダースポイラーとバンパーを装着し、ボンネットにはヒロ製S130用スクープとS130純正ダクトを融合。

リヤフェンダーはKP47用オーバーフェンダーをベースに大胆なワークス仕様へ加工し、さらにリヤドアをスムージングすることで、まるで2ドア車のようなシルエットを実現している。


リヤまわりでは、SA22C用イムサタイプを加工したベースにGTウイングを組み合わせたダブルウイング仕様を採用。トランザムテールも違和感なく溶け込み、唯一無二の存在感を放っている。
「基本はひらめきと足し算ですね。240ZGのオーバーフェンダーを付けた時に“この横が寂しいな”と思ってサイドダクトを追加したんです。でもラインを引いてドアを切ったあとに、『これ、ちゃんとリヤウインドウ開くのかな?』って不安になりました(笑)」。
そんな自由奔放な発想こそ、街道レーサーならではの魅力と言えるだろう。

一方で、時代感を決定づける部分には徹底的にこだわる。ホイールは復刻品ではなく当時モノのSSRマークIを選択。サイズはフロント10J、リヤ12Jという迫力の設定で、タイヤにはアドバンレインの225/525-14を組み合わせている。

インテリアにはパナソニックVZ505のヘッドユニットやクラリオンのレベルインジケーターを装備。当初は高価だったこともあり1セットのみ装着していたが、当時を知る母親から「昔はみんなもっと付けていた。1個しかないなら付けない方がマシ」と言われ、最終的には3セットへと増設したというエピソードも実に面白い。

昭和を知らない世代だからこそ、当時の雑誌やイベント、そして先輩たちから知識を吸収し、自分なりの解釈で街道レーサー文化を表現する。
「次はリヤウイングの延長とか、ケーニッヒみたいなブリスターフェンダーもやってみたいですね」。
やりたいことは、まだまだ尽きない。
昭和の街道レーサー、平成生まれのオーナー、そして令和の技術とセンス。3つの時代が交差して生まれたこのGX71チェイサーは、これからも“足し算”を続けながら進化していく。
