ダイハツのみならず、トヨタの小型車に積まれる3気筒エンジンとしていまなお第一線の競争力を持つベテランユニットがKR型である。
KR型は、トヨタとダイハツの小型車用エンジンとしてダイハツが開発を主導し生まれた3気筒エンジン。当初から扱いやすい低速トルク重視の特性と低燃費を目指してロングストローク型の設定としている。重量増加を避けるためにバランスシャフトは備えておらず、振動対策はクランクシャフトのカウンターウエイト設定で行なう。 2016年のブーン/パッソ搭載時には吸気ポートのブランチを廃し完全分離の2ポート化、タンブルを強めることで急速燃焼を図る設計に改めた。それに伴いインジェクターは気筒あたり2本となり、さらに噴射孔を6から8に増やすことで微粒化を促進、良好な混合気の生成に寄与する。さらには吸排気バルブタイミングをミラーサイクルとし、ピストン冠面形状を吸気2ポート化に合わせて最適化、EGR量の追加などを施したことで圧縮比を従来の11.5から12.5まで高めている。

1KR-VET。重量の大きいコンパクトミニバン用のエンジンとして追加設定された。空冷式インタークーラーはエンジン上面に配置し配管長を短縮、1.5ℓ自然吸気並みのトルクを幅広い範囲で発生させつつ、自然吸気仕様に迫る低燃費を実現している。ターボ化に際しても燃料供給は直噴ではなくポート噴射式を継承。しかし圧縮比はレギュラーガソリンで9.5と、直噴ターボに迫るレベルを実現。コストの厳しい軽自動車での小排気量ターボに手慣れたダイハツの技術力を感じさせる。

自然吸気の1KR-FE型はブーン(トヨタ名パッソ)のほかに、2020年2月発売のトヨタ新型ヤリスにも継続搭載された。こちらはエアクリーナー位置の変更や空燃比の最適化などの改良が行なわれている。

冷却水経路はシリンダーボアと排気マニフォールドのクーリングを積極的に行なう設定。過給時の負圧でクランクケース内を掃気するなどの工夫も盛り込まれている。
■ 1KR-FE 気筒配列 直列3気筒 排気量 996cc 内径×行程 71.0×83.9mm 圧縮比 12.5 最高出力 51kW/6000rpm 最大トルク 92Nm/4400rpm 給気方式 自然吸気 カム配置 DOHC 吸気弁/排気弁数 2/2 バルブ駆動方式 直接駆動 燃料噴射方式 PFI ×2 VVT/VVL In/× (ブーン)
■ 1KR-VET 気筒配列 直列3気筒 排気量 996cc 内径×行程 71.0×83.9mm 圧縮比 9.5 最高出力 72kW/6000rpm 最大トルク 140Nm/2400-4000rpm 給気方式 ターボチャージャー カム配置 DOHC 吸気弁/排気弁数 2/2 バルブ駆動方式 直接駆動 燃料噴射方式 PFI ×2 VVT/VVL In/× (ロッキー)
