「ID.4」に代わる「ID.ティグアン」

フォルクスワーゲンが開発を進める新型EVクロスオーバー「ID.ティグアン」のプロトタイプが、アルプスでのテスト走行中に目撃された。

フォルクスワーゲン ID.ティグアン 市販型プロトタイプ スパイショット

車体には現行「ID.4」を思わせるカモフラージュが施されているが、その中身は単なるマイナーチェンジではない。新型はデザインからプラットフォーム、パワートレインまで全面刷新される見込みで、実質的なフルモデルチェンジとなる可能性が高い。

フォルクスワーゲン ID.ティグアン 市販型プロトタイプ スパイショット

現行「ID.4」はVWの電動化戦略を支えてきた世界戦略車だが、北米では2026年4月にテネシー州チャタヌーガ工場での生産を終了した。同社は在庫車で当面の需要をカバーするとしており、その後継として投入されるのが「ID.ティグアン」とみられている。

フォクスワーゲン ID.4

エクステリアやインテリアに加えメカニズムも大幅刷新

フロントには完全に閉じたグリルを採用し、新世代「ID.2」や改良型「ID.3」に通じる最新デザインへ進化する見込みだ。新設計バンパーには空力性能を高める大型エアカーテンを採用し、ロワインテークもハニカムメッシュから水平バー基調へ変更される。センター部には最新運転支援システム用とみられるセンサーモジュールも確認できる。

フォルクスワーゲン ID.ティグアン 市販型プロトタイプ スパイショット

サイドビューも見た目以上に変更点は多い。ドアは新設計となり、ショルダーラインはより水平基調へ変更。従来とは異なる形状のドアハンドルを採用するほか、サイドクラッディングもシンプルなデザインとなる。リヤクォーターウインドウやCピラーも見直され、全体のプロポーションにも変化が加えられている。

フォルクスワーゲン ID.ティグアン 市販型プロトタイプ スパイショット

リヤではテールゲートやバンパー、ディフューザーを刷新。テールランプは偽装されているものの、新世代IDシリーズ共通となる横一文字のシグネチャーライトが採用される可能性が高い。

フォルクスワーゲン ID.ティグアン 市販型プロトタイプ スパイショット

インテリアも大幅な刷新が予想される。新設計ダッシュボードをはじめ、インフォテインメントシステムの大型化、新デザインのステアリングホイール、スイッチ類の見直しなどが行われ、質感の向上にも期待が集まる。

最大の進化は、新世代EVプラットフォーム『「MEB+」の採用である。バッテリーは58kWhと79kWhの2種類が設定され、急速充電性能は最大183kWまで向上するとみられる。新世代モーターとの組み合わせにより、動力性能だけでなく効率や航続距離も大きく改善される見通しだ。

近年、VWはEV戦略を見直し、より商品力の高いモデルへの集中を進めている。「ID.ティグアン」はその中心的な役割を担うモデルとなる可能性が高く、車名こそティグアンを名乗るものの、中身は従来の『ID.4』を大きく超える新世代EVへと進化することになりそうだ。