MotoGPの技術を注ぎ込んだフラッグシップモデル

ピアッジオグループジャパンは、アプリリアのフラッグシップスーパースポーツ「RSV4 Factory」の新型モデルを日本市場へ導入し、2026年7月14日から全国のアプリリア正規販売店で受注を開始した。国内入荷台数は12台限定で、出荷開始は同年8月を予定する。メーカー希望小売価格は363万円。カラーはFactory専用の「シェイクダウン・インディゴ」のみとなる。
RSV4は、レースで勝つことを目的に開発され、長年にわたって高い評価と数々の勝利を獲得してきたアプリリアを代表するモデルだ。過去にはRSV4をベースとしたマシンがMotoGP世界選手権に参戦した経歴も持ち、市販スーパーバイクの中でも特に濃厚なレーシングDNAを備えている。
新型RSV4 Factoryでは、MotoGPマシン由来の空力技術や新世代の電子制御システムを採用。排出ガス規制のEuro 5+に対応しながら最高出力を220HPへと高め、サーキットでの速さと公道での扱いやすさをさらに進化させた。
一体型ウィングレットで空力性能を大幅に向上

新型モデルで大きく変化したのが、MotoGPで蓄積したノウハウを反映したボディワークだ。フロントカウルには、2枚のウィング面を重ねた統合型ウィングレットを採用。風洞実験によって形状を煮詰め、ダウンフォースを増加させることで、高速走行時の安定性とコーナリング精度を向上させている。
新設計のフェアリングは、従来型と比較して空気抵抗係数を6%低減したほか、加速時のウィリー傾向も8%抑制。強力なエンジン性能を効率よく路面へ伝えるだけでなく、ライダーが高速域でも車体をコントロールしやすい特性を実現した。
また、空力性能だけでなく快適性にも配慮している。新型ラジエーターファンの採用や、燃料タンクとライダーの脚の間へ熱気が流れ込みにくい特殊形状のカウルにより、エンジンから伝わる熱を軽減。再設計されたテールセクションでは、リアウインカーにブレーキランプ機能を持たせ、ナンバープレートホルダーを取り外すだけでサーキット仕様へ変更しやすい構造とした。
コクピットには新グラフィックを採用した5インチカラーTFTディスプレイを装備。燃料インジケーターも追加され、必要な情報を直感的に確認できる。バックライト付きスイッチボックスや新設計のアルミ製トップブリッジ、Brembo製Hypureフロントキャリパーも採用された。
最高出力220HPを発揮する65度V型4気筒エンジン

パワーユニットには、排気量1099ccの水冷65度V型4気筒DOHCエンジンを搭載する。最高出力は220HP/1万3000rpm、最大トルクは127Nm/1万800rpmを発生。公道走行可能な市販スーパースポーツとして、世界トップクラスの性能を誇る。
Euro 5+規制への適合に伴い、52mm径スロットルボディと再設計されたエキゾーストシステムを採用。環境性能を高めながら従来以上の最高出力を実現した点は、アプリリアのエンジン開発力を象徴する部分といえる。
車体にはアルミニウム製ツインスパーフレームを採用し、足まわりはÖhlins製電子制御NIX倒立フォークとTTXモノショックで構成。セミアクティブサスペンション「Smart EC 2.0」により、走行状況やライダーの設定に合わせて減衰力を自動調整する。
ホイールは軽量鍛造アルミ製で、フロントに120/70ZR17、リアに200/55ZR17サイズのタイヤを装着。燃料を90%搭載した状態での車両重量は204kg、シート高は840mm、燃料タンク容量は18リットルとなっている。
ライダーの挙動を学習する予測型電子制御を搭載

新型RSV4 Factoryを特徴付けるもうひとつの要素が、適応型および予測型の電子制御システムだ。速度やバンク角、ギアポジション、スロットル開度などの情報をリアルタイムで解析し、車体の挙動が乱れる前に制御を介入させる。
新しいアプリリア・ウィリー・コントロールは、前輪が浮いてから抑え込むのではなく、ウィリーの発生を予測して滑らかに制御する。さらにライダーの操作特性を学習し、介入レベルを自動的に最適化する機能も備える。リアタイヤの横滑りを抑えるアプリリア・スライド・コントロールにも予測機能が採用された。
このほか、8段階調整式トラクションコントロール、3段階コーナリングABS、エンジンマップ、ローンチコントロール、ピットリミッター、クイックシフターなどを装備。GPSモジュールを利用したラップタイム記録や、コーナーごとにトラクションコントロール、ウィリーコントロール、サスペンション設定を自動変更する「Corner-by-Corner機能」も標準装備する。
第4世代のAprilia MIAを通じてスマートフォンとの接続にも対応し、走行データの記録や分析も可能だ。220馬力のV4エンジン、MotoGP由来の空力技術、そしてライダーの挙動まで学習する電子制御を組み合わせた新型RSV4 Factoryは、アプリリアが持つレース技術の到達点を示す一台となっている。
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