ミドルスーパースポーツの完成度を高めたFactoryモデル

ピアッジオグループジャパンは、アプリリアのミドルウェイトスーパースポーツ「RS 660」に高性能装備を追加した新型「RS 660 Factory」を日本市場へ導入し、2026年7月14日から全国のアプリリア正規販売店で受注を開始した。国内入荷台数は12台限定で、出荷開始は同年8月頃を予定している。
メーカー希望小売価格は198万円。ボディカラーには、Factory専用となる鮮やかな「シェイクダウン・イエロー」が設定された。
RS 660は、アプリリアが世界選手権をはじめとするモータースポーツ活動で蓄積した技術を、公道で扱いやすいミドルクラスの車体へ落とし込んだモデルだ。装備重量183kgという軽量な車体と、充実した電子制御パッケージを組み合わせ、日常的なライディングからサーキット走行まで幅広く対応する。
新たに登場したRS 660 Factoryでは、最高出力を105HPへ高めたエンジン、新設計の空力ボディ、進化した電子制御に加え、前後にオーリンズ製サスペンションを標準装備。RS 660シリーズの中で、最もスポーティかつプレミアムな仕様に仕上げられた。
MotoGP由来のウィングレットを採用した新型フェアリング

新型RS 660 Factoryでは、フェアリングを全面的に再設計した。従来モデルが持つコンパクトでモダンな造形を継承しながら、アプリリアのMotoGP参戦で得られた空力技術を反映している。
フロントフェアリング下部には大型ウィングを配置し、その周囲に2つの小型エアロパーツを追加。通常は1000ccクラスのスーパーバイクに採用されるような空力装備をミドルクラスへ投入し、走行時の空気抵抗低減と高速安定性の向上を図った。
サイドフェアリングには、外側と内側のパネルを組み合わせたダブルレイヤー構造を継続採用。形状はCFDによる数値流体力学解析から風洞実験、公道およびサーキットでの実走テストを経て開発された。
空力性能の向上だけでなく、走行風からライダーを保護しながら、エンジンやラジエーターから発生する熱気を効率よく外部へ排出することも狙いとしている。これにより、高速走行時のパフォーマンスと、日常走行における快適性を両立させた。
メーターパネルには5インチのフルカラーTFTディスプレイを採用。画面の大型化に加え、輝度を高め、外光の映り込みを抑えることで視認性を向上させている。ハンドルスイッチもバックライト付きの新型へ変更され、夜間の操作性も高められた。
660cc並列2気筒エンジンは最高出力105HPへ

搭載されるエンジンは、排気量659ccの水冷並列2気筒DOHCユニットだ。従来の基本設計を受け継ぎながら、排出ガス規制のEuro 5+へ適合。スロットルボディ径を従来の48mmから52mmへ拡大することで、最高出力を100HPから105HP/1万400rpmへ向上させた。
最大トルクは70Nm/8400rpmを発生する。小型かつ軽量なエンジンは車体構造の一部を担う応力部材としても使用され、ステアリングヘッドとリア側でアルミニウム製ツインスパーフレームに固定されている。
この構造により、コンパクトで軽量ながら高い剛性を備える車体を実現。183kgの車両重量と組み合わせることで、ワインディングでは軽快な旋回性能を、サーキットでは正確なハンドリングを発揮する。
ブレーキシステムは、フロントに直径320mmのデュアルディスクとBrembo製ラジアルマウントキャリパー、リアに直径220mmディスクを装備する。タイヤサイズはフロントが120/70ZR17、リアが180/55ZR17。シート高は820mm、燃料タンク容量は15リットルとなっている。
前後オーリンズと充実した電子制御を標準装備

Factoryモデル最大の特徴となるのが、前後に採用されたオーリンズ製サスペンションだ。フロントには直径43mmのNIX30倒立フォーク、リアには別体式リザーバータンクを備えたSTX46モノショックを装着する。
前後ともに伸び側および圧側減衰力、スプリングプリロードを調整可能なフルアジャスタブル仕様となっており、ライダーの体格や走行環境、サーキットごとの特性に合わせて細かなセッティングが可能だ。
電子制御には、6軸IMUを核としたAPRCを搭載する。トラクションコントロール、ウィリーコントロール、エンジンブレーキ制御、複数のエンジンマップ、クルーズコントロール、アップ・ダウン対応クイックシフターなどを標準装備する。
新型では、停止状態からの加速を支援するローンチコントロールを追加。さらに、車体のバンク角や加速度、ピッチ、ヨーなどを検知し、旋回中のブレーキ制御を最適化するマルチマップ式コーナリングABSも備える。
初心者でも扱いやすい軽量な車体と制御技術を持ちながら、経験豊富なライダーには本格的なサーキットパフォーマンスを提供する新型RS 660 Factory。105HPエンジン、MotoGP由来のエアロダイナミクス、オーリンズ製足まわりを組み合わせた、RS 660シリーズの頂点に位置するモデルとなっている。
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