ブランドの強みを生かした次世代SUV戦略の行方に注目

世界的なSUV人気は一時的なブームではなく、自動車市場の主流として定着しつつある。マツダもこうした流れを踏まえ、今後はコンパクトSUV市場がさらに拡大すると予測している。

マツダ CX 6e

その見解を示したのは、長安マツダ技術開発センターのゼネラルマネージャーを務める小澤裕史氏だ。オーストラリアの自動車メディア『CarSales』のインタビューで、「世界規模で見てもSUV市場の成長は今後も続き、そのなかでもコンパクトSUVセグメントが最も高い成長性を持つ」との見方を示している。

この発言からも、マツダがコンパクトSUVを今後の商品戦略における重要カテゴリーと位置付けていることが窺える。

マツダ CX-5

世界で高まるコンパクトSUV需要

SUV人気は北米だけでなく、欧州や中国、オーストラリアなど世界各地で続いている。なかでもコンパクトSUVは、取り回しやすいボディサイズと実用性を兼ね備えたカテゴリーとして高い支持を集めており、今後も市場拡大が期待されている。

その傾向は、電動セダン「Mazda6e」と、そのSUV版「CX-6e」に対する市場の反応にも表れている。オーストラリア市場では、同じプラットフォームを採用する2車種のうち、CX-6eがMazda6eを上回る予約を集めたとされ、SUV人気の高さを裏付ける結果となった。

また、同国では新車販売の6割以上をSUVが占める状況が続いており、こうした市場構造がマツダの商品企画にも大きな影響を与えている。

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SUVがブランドの中核へ

現在のマツダは、CX-3、CX-30、CX-5をはじめ、ラージ商品群のCX-60、CX-70、CX-80、CX-90まで幅広いSUVラインアップを展開している。一方で、乗用車はMazda2やMazda3、ロードスター(MX-5)などに集約されており、ブランド全体に占めるSUVの存在感は年々高まっている。

背景には世界市場での需要拡大だけでなく、高い収益性もある。SUVは各メーカーの商品戦略を支える重要カテゴリーとなっており、マツダも市場ニーズに合わせたラインアップ強化を進めていく方針だ。

次に強化されるのはコンパクトSUVか

小澤氏の発言で特に注目されるのが、「コンパクトSUVが最も成長する」という市場予測である。もちろん、このコメントが新型車の投入を示唆したものではない。現時点でマツダは新たなコンパクトSUVやCX-3後継モデルについて正式な発表を行なっていない。

しかし、コンパクトSUV市場を重要視する姿勢が明確になったことで、このカテゴリーの商品力強化を期待する声が高まるのも自然な流れだろう。世界市場で競争力を維持するためにも、このセグメントの充実は今後の商品戦略において重要なテーマとなりそうだ。

SUV人気が続く一方で、マツダは「走る歓び」をブランドの核として掲げ続けている。今後はSUVラインアップをさらに充実させながらも、人馬一体の走りや魂動デザインといったマツダらしさをどう進化させていくのかが注目される。

世界市場ではSUVが主役となる時代が続く見通しだ。そのなかでマツダがどのような商品戦略を描き、次の一手としてどのカテゴリーを強化していくのか。今回の小澤氏の発言は、その方向性を読み解くうえで興味深いヒントを示したと言えるだろう。