走り込んで見えた弱点を確実に鍛え上げる

Kansai SERVICE GR Yaris(Gen1)の仕様

■HKS コールドエアインテークフルキット/メタルキャタライザー/スーパーターボマフラー/オイルクーラー/Rタイプインタークーラー

■motecプラグインECU

■CUSCO L.S.D. type-RS

■Project μ HC+R3/ブレーキローター

■HKS HIPERMAX SP Kansaiエディション

■ADVAN Racing RG-4 18×9.5J inset 45

■ADVAN A052 255/35R18

■Kansaiフロントタワーバー/カーボンフロントリップ/カーボンフロントカナード/カーボンサイドステップ/リアゲートスポイラー


初期モデルでも比較的新しく、経年劣化が絡むリフレッシュポイントは少ないといってよいGRヤリス(取材当時)。

ただし、3気筒ターボで大パワーを発揮する4WDはそのパフォーマンスの高さゆえに、ブレーキやクーリングなどが厳しい環境にさらされている。

コンディションが良好な現状に甘えてしまうのではなく、先手を打つ形で各部を鍛え上げてワンランク上の走りを楽しむべきというのが、GRヤリスで精力的に走り込んできたカンサイサービスの見解だ。

速さや安定感を引き出すためのメンテポイントは多岐にわたるが、まずはスポーツ走行で避けられないのが熱問題。

中でも油温に関しては、オイルクーラーの装着だけでよしとするのではなく、低粘度のエンジンオイルを、季節や走行ステージに合わせて粘度変更していくなど、配慮を施すと、安心が一層高まる。

また、優れたトラクション性能を発揮する機械式L.S.D.だが、スポーツ走行時にリアL.S.D.がブローするケースがある。これはオイル容量の少なさだけではなく、リア寄りの効きのセッティングが起因していると考えられる。

まずは最適な油脂類の選択から取り組みつつ、4WDターボのパッケージの底上げに確実につながるチューニングを施していきたい。


迷わず取り組むべきクーリング性能の引き上げ

GRヤリスM/C後のメーカーオプションにサブラジエーターを備えたクーリングパッケージが用意された。このことからもわかるように、走りを楽しむにはクーリング強化が必須。

スポーツ走行に欠かせないオイルクーラーだけでなく、攻め込んでいくと厳しくなる吸気温度を下げるインタークーラーも早期に投入しておきたい。


パフォーマンス追求よりも安定性重視で効率アップ

RCグレードのデモカーはモーテック制御にして、G16Eのポテンシャルを探っている。しかし、ノーマル+αでも十分な性能が発揮できるため、安定性重視のパワーアップが最優先とのこと。

オープンタイプもテストしたうえでのエアクリーナーのオススメは、フレッシュエアを確保してピックアップも向上するコールドエアインテークフルキットでの吸気環境最適化だ。

タイトなエンジンルームは熱がこもりやすいため、オープンタイプのエアクリーナーだと吸気温度が高くなる。HKSのコールドエアインテークフルキットはフレッシュエアの安定供給が可能。


ミニサーキットの連続周回はフロントブレーキに注意

2ピース仕様の純正ローター(左)は肉厚が薄いこともあって、ブレーキを多用した連続周回で簡単に熱歪みを起こしてしまう。

一度ジャダーが発生するとローター交換しかないが、純正品は高額なので1ピースローターに換えてしまうのがオススメだ。Kansaiサービスではブレーキシステムをクーリングするエアガイドも開発予定(取材当時)。

高速サーキットなら問題は生じないが、ミニサーキットでブレーキを多用して連続周回しているとフロントブレーキのジャダーが発生しやすい。

これは肉厚が薄いローターが熱歪みを起こすためで、パッドチョイスでは解決できない弱点だ。純正ローターの新品交換は高額なので、リーズナブルな1ピースローターでリフレッシュしたい。

また、リアブレーキの効きを引き上げていくとロック時にチェックランプが点灯して4WD制御に影響する点にも注意したい。

実践データに基づいた油脂類の粘度変更

チューニングを進めるだけでなくサーキット走行などで極限領域に挑むRCでは走行データをつねにロギング。その車両データをもとに油脂類の粘度変更が必要と判断した。
単に粘度を変えるだけでなく、極限域でクルマを守る性能が発揮できているか見極めて油脂類を厳選。カスタマー車両の仕様や走り方に応じて最適なものを提案していく。

メーカー指定の粘度に準じて選択しがちな油脂類。しかし、カンサイサービスではデモカーの走行データを参考にして、走行ステージや仕様、季節に応じてフレキシブルな粘度の変更を推奨。

たとえば、エンジンオイルなら、夏場は5W-40や10W-50、冬場は0W-40を選択。クルマを守りながら、その時期に最適なパフォーマンスを発揮させるメンテナンスこそ、GRヤリスを安心して楽しむ秘訣と考えている。


機械式L.S.D.の投入時は リアのセッティングに注意

外観だけを見ても、明らかにケース容量が少ないGRヤリスのリアデフ。粘度の吟味も重要だが、効きを抑制するセッティングとすれば油温上昇は確実に抑えられる。
カンサイサービスでは4WDの決め手は機械式L.S.D.と、前後バランスにこだわり続けてきた。回頭性とトラクションの双方を高めるセッティングをデモカーで確立済み。

スポーツ走行を楽しむカスタマーにとって、トラクション性能を高める機械式L.S.D.は必須となるアイテム。

しかし、リアはケース容量が少ないので要注意。リアを強い効きのセッティングにすると、油温上昇からのブローが発生するリスクも高まっていく。

また、リアタイヤの押し出しが強いと、プッシュアンダーステアを招くため、前後のL.S.D.セッティングはフロント重視で仕上げていくのがよいだろう。

機械式L.S.D.の有無や走行ステージに合わせて攻略

旋回性を高めるにはリアのキャンバー&トーが重要となる。調整式アームを備えてセッティングの幅を広げるのがポイントだ。

トルセン式L.S.D.はタイヤの接地性を確保してトラクションを得る。しかし、物足りなければ、機械式L.S.D.の装着がオススメで、そのうえでサスセッティングを施す。

なお、いずれの場合でもリアタイヤの押し出しが旋回を邪魔しないように、フロントを少し低めとした車高バランスで仕上げていく。その際、注意したいのは、ナックル部でキャンバーをセッティングする車高調キット。

縁石を乗り上げるような走りで簡単に左右の数値がズレてしまうため、アッパーマウントでセッティングするタイプを選びたい。


ノーマルECUでも吸排気チューンは効果テキメン

ECU攻略は難航しているが(取材当時)、ノーマルECUのままでも吸排気チューンによる高効率化はパワーやフィールのアップに効果的と確認されている。

中でも排気チューンで効果が大きいのは抵抗低減に寄与するメタルキャタライザーだ。将来的にパワーチューンを施す際も役に立つアイテム。

マフラーだけでなく、メタルキャタライザーも併せて検討したい。


■カンサイ サービス 

奈良県奈良市小倉町1080

TEL0743-84-0126

https://www.kansaisv.co.jp/