語り合うのはこの2人!
25ℓでフルフェイス可能! スズキの次世代クォーター!

──250ccクラス最高出力の45ps力を発揮する水冷4気筒DOHCエンジンを搭載!
津田:ほお。
──さらに、中低速域のトルクアップを図るための「SPES(スズキ・パワーアップ・エキゾースト・システム)」を採用!
津田:ふむふむ。
──さらにさらに、造形美と機能美を融合させたエアロなフルカバードボディを装着!
津田:ん?
──加えて……テールカウル内には給油がめちゃラクチンな、電磁ロック式フューエルタンクリッドがおごられています!
津田:そりゃスズキのアレだろ。
編集部(以下、編):YOU、わずかに言い淀んだね。津田さんのガードはそんなに甘くないから。
津田:ココロのどこかにやましいところがあったんじゃない? 変わり者扱いだったアクロスだけに!


──ええ⁉ バレました?(笑)
津田:でもアクロスはいいバイクだよ。結論を先に言っちゃえば、時代の先を行き過ぎていただけ。不器用なスズキらしい、画期的なラゲッジスペース付きスポーツバイク。
編:ほんと、ほんと。NS‐1はアクロス後の1991年発売だし。このタイプはアクロスが世界初。
──でも恥ずかしながら自分も含めて、大半のバイク好きは「これはないでしょ」と乗らずにたかを括ってスルーしちゃいました。とくに「単車は丸眼一灯!」みたいな保守本流のライダーへのウケはまったく良くなかったですね。
津田:股間のあの場所はガソリンを貯めておくスペースって、誰が決めたワケでもないのにね。でも「タンクはこの位置しかない!」とみんなが盲信していることを、スズキは軽〜くひっくり返してみせた。
──カッコいい!
編:でもNS‐1は売れて、アクロスは売れなかった。なんでだろ?
津田:もともとは1989年に開催された東京モーターショーに「X913」というネーミングで出品されたコンセプトモデル。90年に市販化された初期型のフルエアロボディにも、その名がしっかり刻まれているね。デカールだけど。
編:ほんとだ。しかもけっこう大きい。なぜか塗色がホワイトのアクロスには貼られてないけど。
──世間で言われているほど、本当に不人気車だったんですかね? デビューから8年が経過した1998年に最終型が発売されているんですが、不人気だったらそこまで引っ張りますか?


編:新〝奇〟種ゆえ、ほどほどのセールスということで。
一同 ……上手いのか?
津田:まあ、ぜんぜん売れなかったわけじゃないと思うよ。ファンも一部、しっかりついていたしね。スズキはのちの1993年にRF400R、94年にはRF900Rっていうアクロス先輩の開発コンセプトに似たフルエアロボディのスポーツツアラーも国内発売したし。
──ありましたねえ! テスタロッサみたいなサイドスリットが派手に入ったヤツ!
編:RF900Rは『シークエスト』でロイ・シャイダーが乗っていたな。
──ナナハンオーバーの大型バイクが国内で解禁されたのも、アクロスが発売された90年ごろでしたね。
編:ベースとなっている車種はどこらへんなんだろ?
津田:ちょっと前のGSX‐R250。だから走りのパフォーマンスは潜在的に高いレベルにあるし、年式的に熟成も進んでいるからいい味出していると思うよ。でも……。
一同 でも?
津田:あのリヤカウルの上端にある電磁ロック式フューエルタンクリッド、かんたんに言うと「電気モーターでカパッと開く給油口のフタ」がちょっとだけ壊れやすいんだ。ワイヤー式じゃないから、不調になるとガソリンが入れられなくなる。ツーリングでショック!(笑)
一同 そりゃ困る!
津田:しかもラゲッジスペースの前後左右に余裕が少ないから、フルフェイスヘルメットを取り出すときに手を挿し込むのがちょっとタイヘンっていう。隙間があんまりないんだ。ま、ご愛敬ってことで。
──つまり……フルフェイスはデカチンってことですかね?
一同 いえ、違います。


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