「フィードバック」ではなく
「フィードフォワード」

クルマの挙動に対して、ドライバーが操作を加えるのは『フィードバック』制御なんだけど、自身が入力して、それにクルマが応える『フィードフォワード』のドライビングが必要になってくる。

CT9AやCZ4Aでサーキットを走っている人は、結構いろんなものを換えてしまっていて、参考にならないかもしれないが、AWCやS-AWCが全面的に生きているなら、操作は以下のとおり。

トラクションが欲しいと思ったらハンドルをまっすぐにする。そして、アクセル全開にすれば、ZCDがいちばん強く拘束される。旋回中でもスライド中でも、4輪パワードリフトしたいと思ったら、アクセルを全開にして、ハンドルをまっすぐにすれば、4輪50:50でトルクが伝わり、パワースライドの状態になる。

もっとも、曲がっていなきゃいけないから、たまにちょっと舵角を入れて、AYCだけをたまに動かすのだ。そして、すぐにまっすぐにして、またAYCを効かせるためにハンドルを切る……というのを繰り返し、つなげていく。

より曲げるためには「より曲げたい」という意思表示をクルマに伝えないといけない。普通のクルマならゆっくり切るところを、スパッと切る。「凄くヨーを求めている」という意思表示。すると、それを演算して、その操作に応じたヨーレートを立ち上げてくれる。

ゼロカウンターは
AYCをリセットするため

ゼロカウンターがなぜ生まれたかというと、直進状態にしてAYCを時折リセットしたいから。

長いコーナーだと一発でずっとAYCを効かせたままというのは理論上できないから、一旦油圧をもとに戻して、左右均等にして、また、操舵して入力させるということをしないといけない。そのためにゼロカウンターをやるのだ。

ゼロカウンター状態というのはAYCがリセットされた状態。立ち上がりで再度ヨーを立ち上げたいときは舵を当てると、またAYCが効いて、4輪ドリフト状態になって立ち上がっていく。入り口でつくったヨーレートを維持しながらパワースライドさせていくというわけだ。

そこでアクセルOFFをしちゃうと、別の情報が入って、スライドが止まってしまう。なかなか怖いから踏みっぱなしではいけないけれど、僕は踏みっぱなし。

もっとも、それって、エボⅤ、ⅥはACDがなくてもできた。シャシーの性能がよいからだ。Ⅶ以降は重く、大きくなってしまったけど、ACDとAYCの組み合わせでてきるということ。

澤瀬さんが僕の走りを解析して、それを市販車レベルに落とし込むために、スリックタイヤとラジアルタイヤのグリップ差とか、Gの大きさの違いとか、エンジンだって日常的にフルパワーは使わないから、低速域でどの程度それを引き出すか、また、エンジン回転数なども読み取って、そのときどきの動きをプログラムしていった。

エボⅩはそこからセンサーが増えていって、どんどんよくしていこうという最初の一歩だった。続いていれば、いま頃、凄いクルマになっているはずだ。


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